a flood of circle再び4人へ!愛に溢れたアオキテツ正式加入式典!

アオキの鮮烈なギターと、重たく刻まれる渡邊一丘によるドラムのビートで始まるストレートなロックナンバー「Boy」ではダイバー数がこの日最多となり、盟友UNISON SQUARE GARDEN田淵プロデュースの「ミッドナイト・クローラー」、「シーガル」と狂騒必死のキラーチューンが続き、ラストは「プシケ」。メンバー紹介曲としてお馴染みのこの曲で締め括ったのは、彼らなりの歓迎の証なのだろう。サポート時代も幾度となくこの曲で紹介されてきたアオキだが、やはりこの日の「ギター!アオキテツ!」は特別なものだったに違いない。

そしてアンコールで佐々木はフラッドについてこんなことを言っていた。「チャックベリーからしたら全然ロックンロールバンドじゃないだろうって言われると思うし、どんなにラップが好きで歌ってもラッパーの人たちには認められないと思う」、と。それでも自分たちのやりたいことを貫く。それも佐々木の言う”攻めの姿勢”なのだろう。彼らを観ていて、バンドというのは空っぽのパソコンと同じなんだな、と思った。中にどんなソフトを入れるかで無限の可能性が生まれるからだ。そのソフトは楽曲でありメンバーであり環境でありと様々だろう。a flood of circleは常にそのソフトをアップデートしたり入れ替えたりしながら、進化を遂げてきたのだ。「テツが入ったからよかったね」っていう気持ちはない、と佐々木は言う。大いに歓迎はするが、あくまでバンドとしては新たな一歩を踏み出したに過ぎないということなのだろう。きっとこのバンドは完成することはない。でもそれでいい。それが正しい。

フラッドは今、確実に円へと近づいている。あちこちにぶつけまくったせいで多少の凸凹では消えないだろう。でも、だからこそ、彼らにはa flood of circleというバンド名が相応しい。「アオキテツ正式加入式典」という名目ながら、先日発売された彼らの最新アルバムがなぜセルフタイトルだったのか、その答えまで見えた1日だった。


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