The BONEZ Tour「Woke」金沢EIGHT HALL

シングル曲しか盛り上がらない…と言う場面を、過去に他のアーティストで経験しているが、やはり彼らは違う。
この4人で奏でる全ての楽曲がThe BONEZであり、そのThe BONEZが見せる一瞬一瞬を見逃したくないBONERが、ここに集まりそれを目撃し、感じ取っている。

そんな会場全体が一体となったライヴを目の当たりにしている中、JESSEが序盤で右手を負傷していたことを告げる。
それでもBONEZの奇跡をこう叫ぶ。”誰も置いていかないし、一人一人のために声を鳴らし、一人一人の胸に魂を焼き付ける”と。
更に拳を突き上げる者、笑顔で両手を広げる者、涙を見せる者、その感情の全てをステージに向けて放たれ、精一杯受け止めるメンバーからは、こう紡がれる” – People will always be angels with wings Welcome to this LIFE – ”

中盤からは、新旧織り交ぜた楽曲が並び、濃密な時間が続く。
それはアップ・テンポの楽曲が続いたり、サークル・モッシュが沸き起こるだけではなく、感情が剥き出され、大切な誰かの想いや仲間と絆を歌う。
ごく当たり前の人間味とでも呼べるようなことを、一切の不純な想いなどなく、その実体のない音楽で表現するのがThe BONEZであり、彼らバンドマンの魅力なのだ。

The BONEZが手にしたもの…それもやはり目に見えるものではなく、各地のライヴハウスに集まるBONERとの絆なんだと思う。
彼らが見せた奇跡によって、その絆が深くなったり新しい絆が生まれたり、そんな絆をライヴハウスで作ってきたという事実だ。
彼らはアーティストではなくバンドマンだ。だからこそ、その輪を広げられるしJESSEが言うように、誰も置いてはいかない。全員を連れてその奇跡を最後まで信じさせてくれるし、見せてくれる。それがThe BONEZなのだ、と。

レギュラーシリーズをこの金沢で終え、石巻 BLUE RESISTANCEでのextra公演、ホットフィールド2018へのイベント出演の後にJESSEが第六頚椎椎間板ヘルニアからくる頚椎症性神経根症と診断された。
症状としては回復に向かっているとのことながら、これだけものすごいライヴを各地で繰り広げてきただけに、メンバーの苦渋の決断にファンからは”待っている”の声ばかりである。

現在発表されている中で、年内に残されたライヴはEXTRAとZEPP東京を含む秋のツアー、各地のフェスやイベント出演のみだ。
彼らと作る奇跡に触れられるのは、あと僅かとなってきた。
胸に魂を焼き付けられるどの瞬間も、見逃さない方が良いと断言しておきたい。

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