車の中で音楽ライブを楽しむ、万博記念公園でドライブインコンサート オフィシャルレポート

初日の晴天から一転、曇り空で2日目を迎えた会場では開演を前に、観客はみな涼しい車内で思い思いの時間を過ごしている。今回のイベントのチケット代金は車1台ごとの料金設定で、乗車定員さえクリアしていれば、人数が多いほどお得に。家族連れなど複数での来場が多く、「子供との夏休みの思い出に」「昔流行ったドライブインが懐かしくて」など、世代を超えた観客の言葉を聞くこともできた。

ドライブインコンサート

 2日目のトップバッター、Tempalayは浮遊感たっぷりな「脱衣麻雀」から変幻自在なサウンドを打ち鳴らしていく。生ライブならではの迫力はそのままに、カーラジオならではの良い感じの音の雑味も加わって独特な風合いを感じさせてくれる。「未知との遭遇」「どうしよう」と続いたところで、突然の雷雨によりステージが一旦中断に…。観客はカーラジオから、急遽、豪雨中断中のピンチヒッター登場となったDJ HASEBEのDJプレイを聴きながら、雨雲が過ぎ去るのを待つ。

 雨が落ちつきライブが再開される頃には辺りは夜に。ここからのTempalayがまた凄まじかった。壮大なMVでも話題になった「大東京万博」で不穏な香りを漂わせるギターのディレイが爆発。観客が盛大にパッシングで応えると、ラスト「そなちね」で大きく吠声を上げステージは終了。フルステージではなかったものの、夕暮れに雷雨、夜に続くステージで、大きなインパクトを残したのは間違いない。

ドライブインコンサート

 2日目のトリ、Charaのステージはとにかく愛で溢れていた。「ハイビーム、ちょうだーい♪」、Charaの“ドライブイン”な呼びかけで「Junior Sweet」からライブがスタート。オーガンジーの衣装をひらつかせ、甘い歌声を届ける彼女の姿を少しでも近くで感じたいと、ハンドルを抱えて前のめりでステージを魅入る観客の姿も見える。「やさしい気持ち」では、韻シストのメンバーも参加しているCharaバンドが骨太なサウンドを鳴らす中、感情たっぷりに歌い上げる彼女の姿を映すスクリーンには、大きくそびえる太陽の塔、たくさんの車と眩いパッシングが映り、普段のライブでは見ることができない美しい景色が広がっている。今年でデビュー29周年を迎えるCharaもこの日が久しぶりの生ライブ。高まる感情は留まることがなく、「ミルク」「Swallowtail Butterfly~あいのうた~」など様々な楽曲でステージを駆け抜け、2日目のステージが終了。最後まで愛で溢れたステージに大きな拍手ならぬ、パッシングがステージを照らしていた。

最終日も会場にはたくさんの車、観客が集まった。最前列の車にはステージ上のアーティストから見えるようにとボンネットやダッシュボード部分にツアータオルやTシャツを置く人もいる。

ドライブインコンサート

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