BAROQUEの圭(Gt)、ソロワンマンライヴ-振替公演-を開催!これから歩んでいく新たな未来への希望… すべてを音楽に込めて届けようとする覚悟

様々な感情が胸に去来してステージから目を離せないでいると、圭は再びhicoを呼び込んで、最後の曲へ。本編でタイミングを逸してしまっていたメンバー紹介を、メンバー不在のステージ上で行うことに自ら苦笑しつつ、「まさか3月のライヴがこういうタイミングになって、こういう節目のライヴになるとは夢にも思わなかったですけど…」と圭。このステージに立つことで「何かが自分でもよく分かるようになったんで、本当にありがたいなと思います」と改めて言葉にすると、「最後に、一番深いところから演奏して終わりたいと思います。今日は本当にありがとうございました」と「deus.」を届けた。序盤、hicoの物憂げなピアノが心に沁み渡ってきて、赤いライトがステージに圭の影を大きく映し出す中、メランコリックに歪んだギターフレーズが物悲しく会場に響き渡る。やがて、BAROQUEの「BIRTH OF LIBERTY」のモチーフとリンクしながら、明るい光が差し込んでくるような終盤には、圭がこれから歩んでいく新たな未来への希望を感じた。

思いがけない展開を完全には受け止めきれないままこの日を迎えたが、ライヴで繰り広げられた圭の世界はどこまでも広く自由で、美しかった。延期の経緯によりリハーサルを十分に行えなかったというのが信じられないほど、サポートメンバーとの呼吸感も抜群。2組のゲストとのコラボレーションも、圭の表現領域が今後まだまだ広がっていくことを予感させた。ただでさえコロナ禍でライヴ開催が困難となっている状況で、更なる苦境に直面しながらも、未来への一筋の光を感じさせた2時間10分。光も闇もすべてを飲み込んだうえで、圭がこれから描き出していく景色はこの上なく美しいものになるだろう。次に出会えるその日を、楽しみに待っている。

文●大前多恵 
写真●KEIKO TANABE


SET LIST
M1 empyrean.
M2 pitiful emotional picture.
M3 vita.
M4 Y O U
M5 band session #1 Guest takuto(about tess)
M6 the sin.
M7 moon dreams. Guest 新国立劇場バレエ団 ファースト・アーティスト 益田裕子
M8 band session #2
M9 eve.

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