そして熱狂は、その後も続いた。“ADORE”から始まったアンコールでは「ああ、まだ今夜はこの曲を聴けていなかった!」と感じずにはいられない切り札のような楽曲が次々と繰り出された。そんな流れのなか、インディーズ期の終わりを告げる楽曲となった“JUDGEMENT”の歌詞の一節である「さあ、選べばいい/未来も過去も、何もかも忘れて」という言葉が、すべてを語っているように感じられた。そこにはlynch.の紛れもない“今”があり、その“今”に対する共鳴の輪のなかに自分がいるのを感じたのだ。また、それに続いた“EUREKA”は、この記念すべき夜を経たことで本当に特別な1曲へと開花を遂げたように思えた。彼ら自身が影響を受けてきた先人たちの名曲とされるものに肩を並べるものをlynch.もたくさん創造してきたのだという現実が、目の前で証明されているかのような感動を筆者はおぼえた。
この段階でlynch.は23曲を演奏済みだったが、彼らは再度のアンコールに応えてみせた。そして“THIRTEEN”と“TIAMAT”の爆裂をもって、この夜は幕を閉じた。喜びと感謝を口にしながら、5人がステージから立ち去ったのは午後7時39分のことだった。冒頭でも述べた通り、間違いなく特別な一日だった。しかし重要なのは、彼らが20周年の節目を超えたから特別なのではなく、lynch.そのものが特別な存在になっているということだろう。そして彼らはこの先も、特別な日をいくつも重ねていくことになる。信頼と期待をもって、物語の次なる章の始まりを待っていたい。どれほど期待を膨らませようと、2026年の彼らならばそれを飛び越えてくれるはずだからこそ。
(取材・文 増田勇一)















