暴動クラブ ツアー・ファイナル 代官山UNIT、もうとめられない!暴動クラブは向こう側へ突き抜けた

いよいよショーはクライマックスへ!やはり最新アルバムから『抱きしめたい』。歌が際立っているこの曲はベースの城戸”ROSIE”ヒナコが書いている。それまでの楽曲群とは異なる正統派Jポップで、一回聴いたら口づさめる秀逸なリリックとメロディーを、暴動クラブはロックとしてオーディエンスに差し出している。このあたりのセンスは作者である城戸の狙いなのかもしれない。髪を振り乱しながらギターのようにベースを弾く城戸の姿からは想像できないほど、クールでありながら大衆性をも獲得している。

そのままハードなアップテンポのハードな曲が続き、ラストはスケールの大きなロックンロールナンバー『シニカル・ベイビー』へ!夢を観ることもままならない真っ暗い世界で、いまこんなロックンロール・ナンバーを待っていた。何者にもどんなことにも邪魔されないロックンロールの異次元へ誘う。それは何よりマツシマライズのギター・プレイに寄るところが大きい。ロックンロールのバンドのファイナル・ナンバーはギターのリフ、ソロで決まる。華麗で扇動的で劇場型のマツシマライズは新しいギター・スターの可能性を秘めていて、今夜は見事にそれが開花した。ギター・ヒーローではなくギター・スターであり、その道は彼の敬愛するジミー・ペイジに通じているように感じる。

アンコールはマツシマのギターによるインスト『Voodoo Rag』をイントロダクションに『恋におちたら』。メンバー全員が学生服で演じたMVが印象的なラブソング。ひと足早いバレンタイン・プレゼントのようなロマンティックなナンバーだ。1950年代、ロックンロール音楽はダンス音楽であり、スローナンバーは恋人たちの時間だった。継承はエネルギーであり、更新である。バトンを持ったバンドたちが脱皮をしながら、今夜も歌っている。
MCでは今週末の選挙に行こうと呼びかけ、『ハニー』へ突入!会場中が明るくなる“武道館状態“となった。『抱きしめたい』同様、城戸“ROSIE“ヒナコによるリリックが、信頼や真実が崩されていく世界の中に確かな一筋の光を照らしてくれる。そいつははっきりとロックンロールの未来を照らしている。

ダブルアンコールはインディー・デビュー・アルバム『暴動クラブ』の1曲目『とめられない』。メジャー・デビュー・アルバムの1曲目ではじまり、インディー・デビュー・アルバムの1曲目で終わるロックンロールショー。なぜだか終始、釘屋玄がジム・モリソンとオーバーラップした。

“知っていることと知らないことがあり、その間に扉がある“ -ジム・モリソン

もう誰も彼らを止めることができない。暴動クラブは向こう側へ突き抜けた!

ライター:今世野頭一
撮影:ゆうばひかり

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