ASKA「昭和が見ていたクリスマス!?」東京公演初日のライブレポートが到着

再び、ASKAのソロステージへ。尾崎紀世彦の「また逢う日まで」(1971年)、和田アキ子の「あの鐘を鳴らすのはあなた」(1972年)という昭和の屈指の名曲が立て続けに歌われた。時空を超えて届いてくるようなスケールの大きな歌声によって、会場内に高揚感が漂った。ASKAのパワフルなシャウトの中には、昭和の頃にふんだんにあった“希望の匂い”がぎっちり詰まっていた。この“希望の匂い”こそが、今の時代にもっとも必要なものかもしれない。

「次はCHAGE and ASKAの曲です。’92年か’93年に作って、こんな感じでやりたいと説明して、チカちゃん(澤近泰輔)に渡した記憶があります」という言葉に続いて、「夢の番人」(1993年)が演奏された。どっしりとしたリズムに乗って、ASKAがステップを踏みながら歌っている。フェイク混じりの自在な歌声が、ミュージカルのように自在に展開する歌の世界を鮮やかに彩っていく。

観客が立ち上がり、ハンドクラップして盛り上がったのは、昭和末期の喧噪と賑わいの空気が詰まった「狂想曲(ラプソディ)」(1988年)。さらにCHAGE and ASKAの曲が続き、ビッグバンドでの演奏が映えるジャジーな「Far Away」(1988年)へ。恋の情熱と無常観とが混在するようなASKAの歌声が魅力的だ。刹那の恋を描いた歌と解釈することもできそうだが、公演の終盤に配置されていることもあって、昭和という時代の終焉を予見する歌のようにも響いてきた。

西城秀樹の「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」(1979年)では、イントロが鳴り響いた瞬間に、“お祭り、もしくはパーティーとしてのクリスマス”の空気が漂った。もともとはアメリカのヴィレッジ・ピープルが原曲だが、すっかり日本の青春賛歌の定番になっているところが画期的だ。ASKAが白いマイクスタンドを手にしてスタンバイしている。このカバーはASKAの声色が呼び寄せたものでもあるだろう。西城秀樹ゆずりの歌声とパンチの効いたシャウトを聴いているだけで、顔がほころんでしまう。会場内に陽気な空気が充満して、ステージ上も客席もY.M.C.A.のフリをして大盛り上がりとなった。

続いては、再びCHAGE and ASKAの曲「野いちごがゆれるように」(1992年)。全編を通してノスタルジックなムードが漂う曲だ。伸びやかでありながら、余韻の残る歌声が染みてきた。本編最後のナンバーはCHAGE and ASKAの「BIG TREE」(1991年)だった。雄大な歌声と凜としたコーラス、ダイナミックな演奏。ステージ上の39人のヒューマンパワーを結集することによって生まれる壮大な歌の世界は圧巻だった。「この楽器編成の中で思いっきりシャウトして、みんなが参加できる曲を最後にやりたくて、『BIG TREE』を選びました」とASKA。

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