2021年カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品、ジャック・オディアール監督×セリーヌ・シアマ脚本の話題作『パリ13区』を、4月22日(金)、新宿ピカデリーほかにて全国公開します。
実は、カンヌ国際映画祭で話題になったのは、監督オディアール&脚本シアマというビッグコラボだけでない。劇中音楽も、サウンドトラック賞を受賞しているのだ。手掛けたのは、フランス出身の音楽プロデューサーで、フレンチ・エレクトロ・シーンの至宝とも呼ばれるRone。2021年の仏アカデミー賞(セザール賞)でも最優秀オリジナル音楽賞を受賞するなど、映画界から今熱い注目を浴びる人物である。今年2月には、先駆的なダンサー集団(LA)HORDEと映画監督のスパイク・ジョーンズとコラボレーションしたショートフィルム「GOHSTS」も話題を呼んだ。
本作の音楽は、思わず身体が動き出してしまうような疾走感あふれるものからエモーショナルな楽曲まで、シーンに合わせて様々な表情を見せる。モノクロなのに、斬新で、色鮮やかな印象すら与えるこの劇伴は、映画館のスクリーンと音響で体感してこそ真骨頂が味わえるだろう。
さらに、本作で元ポルノスターのカムガール、アンバー・スウィート役を演じるのは、ロンドンを拠点に活動する女性4人組ポスト・パンク・バンドSavagesでヴォーカルを務めるジェーニー・ベスだ。
バンドの圧倒的なサウンドと彼女のカリスマ性は日本でも注目を集め、2013年にはフジロックフェスティバルに出演、力強いパフォーマンスが音楽ファンの間で話題となった。世界を舞台にアーティスト活動を行う傍ら、10代から俳優として映画の世界でも活躍している彼女だが、それぞれの活動について「私は演じることをかなり真剣に考えていますが、昔よりもはるかに気負いなく考えられるようになりました。
曲やアルバムを作ったり、コンサートツアーを計画したりすることは今でも継続していて、それを通じて様々なことを吸収しています。でも私は言葉を愛する星の下に生まれました。私には役者としての血が流れていると感じます。
この世界で再び活躍できることを心から嬉しく思っています」と語る。またアーティストとしての経験が本作にどのように役立っているのか尋ねられると「確かに私は自分を演出するということに慣れています。しかし舞台や音楽の現場で学んだ一番大事なことは、自分自身の体に敏感になるということです。
歌うにしろ、演じるにしろ、私は自分の体を使うということが習慣になっていますし、映画全般においても身体を通した演技をすることが好きです」と、バンドのヴォーカリストと俳優という二つの顔を持つ彼女ならではの考えを明かしてくれた。
パリ13区
監督:ジャック・オディアール 『君と歩く世界』『ディーパンの闘い』『ゴールデン・リバー』
脚本:ジャック・オディアール、セリーヌ・シアマ『燃ゆる女の肖像』、レア・ミシウス
出演:ルーシー・チャン、マキタ・サンバ、ノエミ・メルラン『燃ゆる女の肖像』、ジェニー・ベス
原作:「アンバー・スウィート」「キリング・アンド・ダイング」「バカンスはハワイへ」エイドリアン・トミネ著(『キリング・アンド・ダイング』『サマーブロンド』収録:国書刊行会)
2021年/フランス/仏語・中国語/105分/モノクロ・カラー/4K 1.85ビスタ/5.1ch/原題Les Olympiades 英題:Paris, 13th District/日本語字幕:丸山垂穂/R18+
©PAGE 114 – France 2 Cinéma
提供:松竹、ロングライド 配給:ロングライド
https://longride.jp/paris13/
©︎ShannaBesson