スティングはAIによって生成された楽曲は「ダンス・ミュージック」としては機能するが、「感情を表現する」曲は難しいのではないかと語っている。
スティングはAIによって有名ミュージシャンの声を再現する技術の議論に加わって、音楽業界において「戦いになる」だろうと語っている。
「音楽の構成要素というものは私たち、人間のものです」とスティングはBBCに語っている。「ここから数年は誰もが巻き込まれる戦いになるでしょう。人間が持つ能力という資本をAIから守るということです」
「ツールは便利ですが、私たちがそれを動かさなければなりません。機械にそれも任せてしまうようになるとは私は思いません。慎重にならなければなりません」
スティングはAIを映画で使われる「退屈な」コンピューター生成画像に喩えている。「全然気持ちが入らないんだ。コンピューターが生成した画像や映像を観ると、すぐに退屈してしまう。AIが作る音楽も同じことになるんじゃないかと想像しているんだけどね」
「おそらくエレクトロニックなダンス・ミュージックでは機能するけど、感情を表現する曲では自分が心動かされることはないんじゃないかと思う」
先日、AIを使って作られたオアシスを想定した音源も公開されており、大きな話題となっている。『AISIS』と名付けられた8曲が収録されたアルバムはインディ・バンドのブリーザーによって制作されたオリジナル曲で、彼らが作ったトラックにAIによるリアム・ギャラガーの声を乗せたものとなっている。
リアム・ギャラガーも好意的な反応を示しており、多くのリリースよりも「いい」ものができているとしてインディ・バンドに賛辞を寄せている。
また、グライムスはAIを使って自身の声を再現して新曲を作ることを認めている。グライムスはコラボレーションするアーティストとの契約と同じようにロイヤリティの半分を渡してくれるのであれば、自分の声を自由に使ってほしいとしている。「機械との融合はクールなことだと思います。あらゆるアートをオープンソースにして、著作権をなくすという考え方も気に入っています」