The Beatles、「Now And Then」についての12分間のドキュメンタリー映像が公開

The Beatles

ザ・ビートルズは最後の新曲“Now And Then”についてのショート・フィルムが公開されている。

オリヴァー・マレーが手掛けた12分間のドキュメンタリー『Now And Then:ザ・ラスト・ビートルズ・ソング』はBBC 1の『ザ・ワン・ショウ』で公開された後、YouTubeでも公開されている。

『Now And Then:ザ・ラスト・ビートルズ・ソング』は“Now And Then”のリリースを記念したザ・ビートルズの功績を辿る一連の番組の一環としてBBCで放送されている。

ポール・マッカートニーはショート・フィルムを次のように紹介している。「こんにちは。僕、ジョン、ジョージ、リンゴがどのようにして最後の曲をレコーディングするために集まったかを伝えるショート・フィルムを紹介したいと思います。“Now And Then”というシングルです。みんなにも楽しんでもらえたらと思います」

ショート・フィルムについてオリヴァー・マレーは次のように語っている。「この作品に参加できるのは光栄なことです。プロジェクトに取り組んでも、それがリリースされなかったり、何年も経ってからリリースされたりすることはよくあることで、実はこの曲もネットで何度も探したことがあったんだけど、『どうなったんだろう、リリースされなかったのかな』と思っていました。そして、1年半前に、この曲のストリングスをレコーディングしたんです」

手がけたプロジェクトの中で今回のショート・フィルムがどこに位置するのかを尋ねられたオリヴァー・マレーは次のように答えている。「最後の仕上げですね。これに参加することは生涯の夢でした」

11月2日にリリースされる“Now And Then”はジョン・レノンが録音したデモをポール・マッカートニーとリンゴ・スターがAIの力を借りて復旧させて完成に至っている。

ジョン・レノンは“Now And Then”のデモ音源をピアノとヴォーカルだけで70年代にニューヨークのダコタ・ハウスで制作しており、彼の死後にオノ・ヨーコはこの音源を、90年代の『アンソロジー』プロジェクトで完成して、リリースされた“Free As A Bird”や“Real Love”と共に1994年にポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターに渡している。

3人はジェフ・リンのプロデュースの下、新しいパートをレコーディングして“Now And Then”のラフ・ミックスを完成させたが、ジョン・レノンのヴォーカルとピアノを分離できず、クリアなミックスができないという「技術的な限界」が残ることとなった。

「“Now And Then”のもう一度取り組むふさわしい時までほぼ四半世紀待たなければならなかったんだ」とポール・マッカートニーはショート・フィルムの中で語っている。

2021年になってピーター・ジャクソンはドキュメンタリー『ゲット・バック』でウィングナット・フィルムスのMALというオーディオ・テクノロジーを採用しており、これはモノの音源から楽器とヴォーカル、ホーンや個々人の声を分離させられるもので、2022年の『リボルバー』のリミックスでも採用されている。その後、この技術はジョン・レノンのヴォーカルとピアノをクリアにするために“Now And Then”のデモ音源にも使われることになった。

「これがジョンの声ですとコンピューターのノイズを指して言われたんだ。そこから数秒だろうか、いくら時間がかかったか分からないけど、そこにジョンの声はあったんだ。ジョンの声が、とてもクリアに聴こえた。すごく感動的だよ」とポール・マッカートニーは語っている。

リンゴ・スターは次のように続けている。「ピーター・ジャクソンがジョンだけを取り除いて、独自のトラックにしたんだ。ジョンがそこにいるみたいで、ありえなかったよ」

“Now And Then”は日本時間11月2日23時にデビュー・シングル“Love Me Do”との両A面でリリースされる。“Now And Then”のミュージック・ビデオは11月3日に公開される予定となっている。

翌週の11月10日には赤盤と青盤のエクスパンデッド・エディションがリリースされることも決定している。

赤盤と青盤合わせて“Love Me Do”から“Now And Then”まで75曲が収録され、赤盤に12曲、青盤に9曲、計21曲が追加される。音源には近年のステレオ/ドルビー・ミックスとジャイルズ・マーティンとサム・オケルがウィングナット・フィルムスのAI技術を使った新たなミックスが採用されている。また、どちらのコレクションにもジョン・ハリスがエッセイを寄せる形となる。

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