現代ホラー小説の帝王、スティーヴン・キングの短編小説の「トウモロコシ畑の子供たち」を原作とした人気ホラーシリーズ『チルドレン・オブ・ザ・コーン』。これまでに約10作品もの関連作が作られ、『ヘルレイザー』や『ハロウィン』にならぶ最長のホラーシリーズだ。実は長年未公開だった記念すべき第一作目『チルドレン・オブ・ザ・コーン』が製作から40周年を迎えた今年、満を持しての4K版『チルドレン・オザ・コーン<4K>』がシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次日本劇場初公開となる。
物語の舞台はネブラスカ州の小さな田舎町。ある日、一人の少年に突如トウモロコシの神が舞い降り、彼は教祖となった。そして、町の子どもたちが一斉に<大人狩り>を始めた…。
この悪夢のような田舎町に青年医師バートと恋人ヴィッキーが迷いこんできたことから物語は動きはじめる。
ヴィッキーを演じるのは当時27歳だったリンダ・ハミルトンで、恋人バートの前でダンスを披露するなど初々しくお茶目な姿をみせるほか、トウモロコシ神を狂信する子供たちに捕まり、トウモロコシの十字架に磔にされてしまう役を体当たりで演じている。
実は『チルドレン・オブ・ザ・コーン<4K>』と『ターミネーター』のアメリカ公開は同年の1984年なのだが、『チルドレン・オブ・ザ・コーン<4K>』の方が公開月は早く、本作はリンダ・ハミルトンの一番早い主演作と言っても過言ではない。
撮影時、リンダ・ハミルトンはトウモロコシで出来た十字架にくくりつけられ、ナイフや鎌で武装し「殺せ!殺せ!殺せ!」と叫ぶ子役たちに囲まれ、寒さと恐怖に震えながら自身の誕生日を迎えたという。
「あの子供たちは地元の子たちですが、みな素晴らしい。彼らが向かってくると本当に怖いのです。私は、トウモロコシの神に私を生贄として捧げようともくろむ子供たちから常に逃げたり、格闘したりしています。ヒッチコックの『鳥』を観たあと、カモメやカラスを見るとどのように思うか考えてみてください。この映画を観たら、きっとトウモロコシ畑を見るたびに寒気を感じるようになると思います」と彼女は撮影時のことをコメントしている。
まさかこの直後、アーノルド・シュワルツネッガーと戦うことになるとは夢にも思わなかったはずだ。
1991年、『ターミネーター2』で屈強な女戦士サラ・コナーに変貌する前のリンダ・ハミルトンがいたのは、トウモロコシ畑だった。
ハミルトンも「恐ろしい」と恐怖した子供カルト軍団の恐ろしさと、彼女演じるヴィッキーの運命はぜひ劇場にて。なお、リンダ・ハミルトンはトウモロコシ畑を支配する神<畝の後ろを歩く者>のことをCORN GODと呼んでいる。
よそ者を寄せ付けないアメリカの田舎町のたたずまい、何が潜んでいるかもわからないどこまでも続きそうなトウモロコシ畑、独特のSFX、トウモロコシ畑の邪神、そして『ミッドサマー』(2019)のホルガ村も凌駕する、恐怖の<トウモロコシ畑の子どもたち>。
80年代ホラーの魅力たっぷりのショッキング・カルト・ホラー『チルドレン・オブ・ザ・コーン<4K>』ついに、無垢な凶悪が目覚めてしまう時がきた。
チルドレン・オブ・ザ・コーン<4K>
1984年/ アメリカ / 93分 / ビスタ / DCP / 原題:Children of the Corn
監督:フリッツ・カーシュ 原作:スティーヴン・キング 脚本:ジョージ・ゴールドスミス 撮影:ラウール・ローマス 編集:ハリー・ケラミダス 音楽:ジョナサン・エリアス
出演:ピーター・ホートン、リンダ・ハミルトン、H.G.アームストロング、ジョン・フランクリン、コートニー・ゲインズ
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キングレコード提供 フリークスムービー配給
HP:childrenofthecorn.jp