グレイトフル・デッドの結成メンバーのベーシストであるフィル・レッシュが亡くなった。享年84歳だった。
フィル・レッシュの訃報はソーシャル・メディアで発表されており、現地時間10月25日に「穏やかに亡くなった」という。
「彼は家族に囲まれ、愛に満ちていました。フィルは彼の周囲に計り知れない喜びをもたらし、音楽と愛の遺産を残しました。今はフィル・レッシュの家族のプライバシーに御配慮いただければと思います」
訃報が発表された時点で死因については明らかになっていない。
元々、クラシックのトランペットを学んでいたフィル・レッシュは1965年にグレイトフル・デッドのオリジナル・メンバーとして参加しており、ジェリー・ガルシアがリード・ギター&ヴォーカル、ボブ・ウェア がリズム・ギター&ヴォーカル、ロン・“ピッグペン”・マッカーナンがキーボード&ハーモニカ&ヴォーカル、ビル・クロイツマンがドラムを担当している。
加入当時、フィル・レッシュはベースを手に取ったこともなかったが、ジャズの影響を受けながら2本目のリード・ギターのようなサウンドで独自のスタイルを発展させていった。フィル・レッシュはバンドの初期の作品に大きく貢献しており、1967年から1990年にかけてグレイトフル・デッドがリリースした13枚のスタジオ・アルバムと10枚の公式ライヴ・アルバムすべてに参加している。
1995年にジェリー・ガルシアが亡くなった後、フィル・レッシュは1998年から1999年のアザー・ワンズ、2003年から2004年、2008年から2009年にかけて行われたザ・デッド、2009年から2013年のファーザーといったツアーに参加している。残されたメンバーはサンタ・クララとシカゴで開催された「フェア・ザ・ウェル」で最後の共演を果たしている。
フィル・レッシュはボブ・ウェアとドラマーのミッキー・ハート、ジョン・メイヤー、オテイル・バーブリッジ 、ジェフ・キメンティ、ジェイ・レーンによるデッド&カンパニーには参加していない。
しかし、フィル・レッシュはフィル・レッシュ&フレンズ、2012年にカリフォルニアでオープンした家族経営の音楽ホール兼レストラン、テラピン・クロスロードから生まれたテラピン・ファミリー・バンドでの活動を行っている。
フィル・レッシュは1998年に肝臓移植を受けるなど、最後の数十年は健康問題を抱えていた。フィル・レッシュは2006年に前立腺ガンを抱え、2015年には膀胱ガンと診断されており、2019年には背中の手術を行っている。
亡くなる2日前にグレイトフル・デッドはチャリティ団体のミュージケアーズからパーソンズ・オブ・ザ・イヤーに任命されていた。授賞式はグレイトフル・デッドの60周年のスタートとなると見られている。