ジョン・レノンの妹であるジュリア・ベアードはサム・メンデス監督によるザ・ビートルズの伝記映画についてリヴァプール出身の俳優がジョン・レノンを演じればよかったのにと語っている。
先週、全4本に及ぶサム・メンデス監督による伝記映画でファブ・フォーの4人を演じる俳優が正式に発表されており、ジョン・レノンは映画『ベイビーガール』への出演で知られるロンドン出身の俳優、ハリス・ディッキンソンが演じることが明らかになっている。ポール・マッカートニーはポール・メスカルが、リンゴ・スターはバリー・コーガンが、ジョージ・ハリスンはジョセフ・クインが演じることも決定している。
ジョン・レノンと違う父を持つ妹のジュリア・ベアードは映画のキャスティングについて『テレグラフ』紙でジョン・レノンのことはリヴァプールの人間が演じるべきかと訊かれて、「そうですね。もちろん」と答えている。「リヴァプールのイントネーションはできないでしょうから。誰も」
ジョン・レノンのことはこれまで様々な俳優が映画やテレビで演じてきており、2010年放送の『レノン・ネイキッド』ではクリストファー・エクルストンがジョン・レノンを演じている。一方、2009年公開の映画『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』では若きジョン・レノンをアーロン・タイラー=ジョンソンが演じている。ザ・ビートルズが存在しない世界を描いた2019年公開の映画『イエスタデイ』ではロバート・カーライルがジョン・レノンを演じていた。
ジョン・レノンを演じたリヴァプール出身の俳優で最も知られているのはイアン・ハートで、1991年公開の『僕たちの時間』と1994年公開の『バック・ビート』で二度ジョン・レノンを演じている。
映画に関する相談はあったかと訊かれると、ジュリア・ベアードは次のように語っている。「まったく訊かれることはありませんでした。サム・メンデスからすると、一番話をしたくない人なんじゃないでしょうか。自分で作り上げることができなくなってしまうから」
インタヴューでジュリア・ベアードはジョン・レノンについて「聡明な兄で、とても親分肌でした。血筋でしょうね」とも語っている。
しかし、ジュリア・ベアードは名声のために1980年にマーク・デヴィッド・チャップマンによって殺害されることになってしまったのは後悔していると語っている。「ジョン・レノンの妹であるというのは言葉に尽くせないほどの特権だと思います。ですが、選択の余地があるのなら、彼がギターなんかを見つけなければよかったのにとも思います。そうすれば、美術の先生になって、まだ生きていたかもしれませんから」
伝記映画のシリーズは現時点で『ザ・ビートルズ – ア・フォー・フィルム・シネマティック・イベント』と題されており、サム・メンデス監督は4作が同時ではないものの、2028年4月に公開されることも明らかにしている。