U2のフロントマンであるボノは2017年発表の『ソングス・オブ・エクスペリエンス』以来となるニュー・アルバムについて語っている。
5月30日にアップルTV+でワンマンショーを掘り下げたドキュメンタリー映画『ボノ:ストーリーズ・オブ・サレンダー』が世界同時配信されるのに合わせて、カンヌ国際映画祭でプロモーションに対応しており、米『ローリング・ストーン』誌の取材に応じている。
ボノは新曲について訊かれると次のように語っている。「ノスタルジーはあまり長くは許されないけれど、未来や現在に向かうためには過去と向き合わなければいけないこともある。今に戻ってくることが僕らの思いだよ。今いるこの瞬間に戻ってくるんだ」
ボノはU2がバンドとしてレコーディングを行っていることは認めつつも次のように続けている。「自分にとっては未来のようなサウンドになっているんだ。いくつかやらなければならないことがあるけど、今はそれが終わろうとしているところなんだよ」
昨年11月、ギタリストのジ・エッジはドラマーのラリー・マレン・ジュニアとスタジオに入ったことを明かしていた。ラリー・マレン・ジュニアは2022年に「肘、膝、首」を痛めて、ラスベガスのスフィアで行われたU2の連続公演を辞退することになっていた。
「一つの空間で一緒に演奏しているんだ。僕ら4人でね」とボノは米『ローリング・ストーン』誌に語っている。「言えるのはラリー・マレン・ジュニアは怪我という抱えた災難を完全に乗り越えたということだよ。彼の演奏は最も革新的なもので、彼はバンドのことに専念している。他のことについては話そうともしないしね。素晴らしい状況だよ」
ボノは次のように続けている。「個々のミュージシャンが独自の役割を持ちながら、集団として一つの部屋でバンドをやるということ自体、貴重なことだよね。最近の音楽は編集でできてしまうからね」
「僕らの曲にも編集したものもあるし、今後も編集は使っていくだろう。でも、ロックンロール・バンドが全力疾走している瞬間を捉えようとすることこそが今、作っているアルバムの核心なんだよ。レコーディングはやったけど、まだ完成はしていないんだよね」
一昨年、U2はゼイン・ロウとのインタヴューで「素晴らしい新曲がある」として「もうすぐ準備ができる」と語っている。
「準備のできている曲もたくさんあるし、少し埃を払わなきゃいけない曲もある。でも、もうすぐ準備ができるよ。素晴らしい新曲があるんだ。楽しみだよ」とジ・エッジは語っている。
ボノは次のように続けている。「ジ・エッジはバッグに100曲ぐらいあるんだ。自分は20ぐらいかな。でも、アダム・クレイトンも貢献してくれるはずだよ」
ボノはバンドが最終的に基準に達した10曲を見つけることができるはずだと語り、アルバムに「必要なのはそれだけだ」と語っている。「10曲。それが存在理由だからね」
「そうじゃなければ、U2なんて消えてなくなればいい。島で暮らすか、世界のどこかで厄介者になればいい。でも、もしバンドとして続けたいなら、たった一つのことなんだ。それは言葉であり、曲であり、パフォーマンスなんだよ。信じてもらえるかどうかなんだよ」