ブライアン・ウィルソンは生前にレコーディングしていた未発表音源が存在していることが明らかになっている。
ブライアン・ウィルソンは現地時間6月11日に亡くなったことが遺族によって発表されている。享年82歳だった。「愛する父のブライアン・ウィルソンが亡くなったことを発表することに胸を痛めています」と遺族は述べている。「今は言葉を失っています」
グラミー賞ノミネート歴があるプロデューサーのジョナサン・ウィルソン(※ブライアン・ウィルソンと血縁関係にはない)は亡くなったブライアン・ウィルソンが生前にレコーディングした音源の一部をインスタグラムで公開している。
公開された音源はこちらから。
ジョナサン・ウィルソンは音源ができた経緯について次のように説明している。「これはブライアン・ウィルソンによるソロの未発表音源で、私とドリュー・エリクソンが(ロサンゼルス郡)トパンガでブライアン・ウィルソン、ジョー・トーマス、ザ・ジャーディンズと共に作ったものだ。僕らは2曲の素晴らしい曲を作って、ジョー・トーマスとブライアン・ウィルソンも気に入っていた。私は二人が望んでいるものを解釈するために、毎日電話でジョー・トーマスと話をしていた(安らかに、ジョー)。ブライアン・ウィルソンやメンバーたちが歌っている上に、あらゆる楽器をオーヴァーダビングする、無限の自由を享受し、私たちは最高の気分でした。アルバムは完成しませんでしたが、これらの楽曲は私のドライブに埋もれたまま残っています。それらは本当に素晴らしいものです。王であるブライアン・ウィルソンよ、安らかに」
ジョナサン・ウィルソンは次のように続けている。「ブライアン・ウィルソンはドリュー・エリクソンと共にトパンガで私と最後のレコーディングを行ったんだけど、2曲目は“September”だった。ブライアン・ウィルソン、ジョー・トーマス、ザ・ジャーディンズ、私が参加している。これは私が共同プロデュースする予定だったブライアン・ウィルソンのソロ・アルバムになる予定だった。ジョー・トーマスが亡くなって、それは消滅したけど、この2曲はそれにもかかわらず参加できたことを誇りに思っています。安らかに、ブライアン・ウィルソン」
昨年、ブライアン・ウィルソンは認知症と診断されたことが報じられ、家族や近い友人によって自分の面倒を見ることができないということで保佐人の下に置かれることとなっている。昨年1月、妻でマネージャーを務めてきたメリンダ・レッドベターが亡くなっており、彼女はブライアン・ウィルソンの健康状態の悪化に伴い、彼の介護者として身の回りの世話を行っていた。ブライアン・ウィルソンは生涯にわたって精神疾患を抱えており、1964年には神経衰弱に陥り、ザ・ビーチ・ボーイズの通常のツアーから退き、作曲とプロデュースに専念することとなっていた。
米『ローリング・ストーン』誌に対してブライアン・ウィルソンの長年のマネージャーであるジーン・シーヴァースは声明で次のように述べている。「ブライアン・ウィルソンはその音楽、精神、強靭さを通して世界に多くのものを与えてきました。彼は素敵で、優しい魂の持ち主であると同時に手強い競合者でもありました。彼のような人は二度と現れないでしょう。神はブライアン・ウィルソンを生み出したことで既成概念を覆してみせました。クリエイティヴ面で天才であるだけでなく、彼は私の知る中でも最も知的で愉快な人でもありました。彼の愛のメッセージはその音楽を通して永遠に生き続けるでしょう」