ブライアン・ウィルソンの妻であるメリンダ・レッドベターが現地時間1月30日朝に亡くなった。享年77歳だった。
ブライアン・ウィルソンはインスタグラムで訃報を発表している。「胸を痛めています。28年間、私の愛する妻だったメリンダが今日の朝亡くなりました。5人の子どもと私は涙に暮れています」とブライアン・ウィルソンは述べている。
ブライアン・ウィルソンは妻に追悼の意を表して、「救世主」にして「頼みの綱」だったと評している。「メリンダは私の妻にとどまりませんでした。彼女は私の救世主で、キャリアを続けていくのに必要な精神的な安らぎを与えてくれました。自分の気持ちに最も近い音楽を作るように彼女は後押ししてくれました。頼みの綱でした。彼女は私たちにとってのすべてでした。彼女のために祈りの言葉を口にしてもらえればと思います」
投稿にはダコタ・ローズ、ダリア・ローズ、デラニー・ローズ、ディラン、ダッシュという5人の子どもによる共同声明も掲載されている。「自宅で今朝、穏やかに亡くなりました。彼女は驚異的な存在で、最も強い女性の一人でした。彼女はモデル、父親の救世主、母親であっただけでなく、触れた人すべてをよりよくする使命を持った強い精神性の持ち主でした」
「見返りを気にせず、隣の人を大切にする方法、最も暗い場所からも美点を見出す方法、正直さと誇りを持った本当の自分として生きていく方法、惜しまれますが、彼女に教えてもらったすべてを大切にしていくでしょう」
ブライアン・ウィルソンはメリンダ・レッドベターが働いていたディーラーでキャデラックを買った1986年に彼女と出会っている。二人は2年間交際したが、精神科医のユージン・ランディに別れるように命じられている。ユージン・ランディは物議を醸す手法で知られ、ブライアン・ウィルソン自身のキャリアにまで関与することになった。
1992年、メリンダ・レッドベターが車でブライアン・ウィルソンを轢きかけたことで、二人は再会することとなり、3年後の1995年2月6日に結婚している。1999年にマネージャーとしてメリンダ・レッドベターはブライアン・ウィルソンのキャリアにも関わるようになり、未完成だったアルバム『スマイル』を完成させるよう説得して、適切な心理的援助を受けられるようにしている。
ブライアン・ウィルソンの半生を描いた伝記映画『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』ではジョン・キューザックがブライアン・ウィルソンを、エリザベス・バンクスがメリンダ・レッドベターを演じ、ユージン・ランディをポール・ジアマッティが演じている。エリザベス・バンクスは2015年のインタヴューで撮影前に交わしたメリンダ・レッドベターとの会話を振り返っている。
「彼女は『音楽が彼の初恋相手だったの』と言っていた。他に置き換えられるものはなかった。音楽は彼の存在そのものであり、本質であり、すべてだった。そして、私は二番手になった。でも、それでいいの。素晴らしい二番手よね」