ブライアン・ウィルソンは訃報を受けて最後に行ったライヴの映像に注目が集まっている。
ザ・ビーチ・ボーイズのアイコンにしてポップ・ミュージックの先駆者だったブライアン・ウィルソンは亡くなったことが遺族によって発表されている。享年82歳だった。「愛する父のブライアン・ウィルソンが亡くなったことを発表することに胸を痛めています」と遺族は述べている。「今は言葉を失っています」
ブライアン・ウィルソンが最後に行ったライヴは2022年7月26日にミシガン州クラークストンにあるパイン・ノブ・ミュージック・シアターで行われた公演となっている。20曲のセットリストでは“I Get Around”、“Wouldn’t It Be Nice”、“God Only Knows”、“Good Vibrations”といった名曲が演奏されている。
ライヴにはザ・ビーチ・ボーイズのアル・ジャーディンや1972年から1973年まで在籍していたブロンディ・チャップリンが参加している。
オンラインにアップされている動画はこちらから。
この日のセットリストは以下の通り。
‘California Girls’
‘Do It Again’
‘I Get Around’
‘Little Deuce Coupe’
‘Surfer Girl’
‘Don’t Worry Baby’
‘Wild Honey’
‘Long Promised Road’
‘Sail On, Sailor’
‘Wouldn’t It Be Nice’
‘Sloop John B’
‘God Only Knows’
‘Darlin’
‘Be My Baby’
‘I Can Hear Music’
‘Heroes And Villains’
‘Good Vibrations’
‘Help Me, Rhonda’
‘Surfin’ USA’
‘Fun, Fun, Fun’
昨年、ブライアン・ウィルソンは認知症と診断されたことが報じられ、家族や近い友人によって自分の面倒を見ることができないということで保佐人の下に置かれることとなっている。昨年1月、妻でマネージャーを務めてきたメリンダ・レッドベターが亡くなっており、彼女はブライアン・ウィルソンの健康状態の悪化に伴い、彼の介護者として身の回りの世話を行っていた。ブライアン・ウィルソンは生涯にわたって精神疾患を抱えており、1964年には神経衰弱に陥り、ザ・ビーチ・ボーイズの通常のツアーから退き、作曲とプロデュースに専念することとなっていた。
米『ローリング・ストーン』誌に対してブライアン・ウィルソンの長年のマネージャーであるジーン・シーヴァースは声明で次のように述べている。「ブライアン・ウィルソンはその音楽、精神、強靭さを通して世界に多くのものを与えてきました。彼は素敵で、優しい魂の持ち主であると同時に手強い競合者でもありました。彼のような人は二度と現れないでしょう。神はブライアン・ウィルソンを生み出したことで既成概念を覆してみせました。クリエイティヴ面で天才であるだけでなく、彼は私の知る中でも最も知的で愉快な人でもありました。彼の愛のメッセージはその音楽を通して永遠に生き続けるでしょう」