ザ・フーのギタリストであるピート・タウンゼントはザック・スターキーがバンドを離脱する原因となったライヴについて「問題は見当たらなかった」と語っている。
リンゴ・スターの息子で、1996年からザ・フーのドラマーを務めてきたザック・スターキーについては「ロイヤル・アルバート・ホールでの一連の公演」を受けて「袂を分かつという集団での決定」に至ったと報じられていた。しかし、その数日後にピート・タウンゼントはドラマーのザック・スターキーについてバンドから離脱することはないと否定していた。
けれど、5月18日にピート・タウンゼントはザック・スターキーが脱退することを正式に発表しており、「変化の時が来た」と述べている。ピート・タウンゼントは「ザック・スターキーには新しいプロジェクトがたくさんあるし、彼の前途を願っているよ」と続けている。
ロジャー・ダルトリーはザック・スターキーに対してザ・フーを「解雇」されたのではなく、「引退することになった」と説明している。ロジャー・ダルトリーはザック・スターキーがスーパーグループのマントラ・オブ・ザ・コスモスの活動に集中することになったと認識していた。
その後、ザック・スターキーはザ・フーを引退することになったと認識について納得がいっていないようで、「私は解雇されたんだ」と述べている。
今年3月、ティーンエイジ・キャンサー・トラストのために行ったロイヤル・アルバート・ホール公演でバンドでは確執が生まれたと見られており、ザック・スターキーが“The Song Is Over”で過剰な演奏を行ったために、ロジャー・ダルトリーはそれを観客の前で批判していたと報じられている。
ピート・タウンゼントは『i』紙の新たなインタヴューでロイヤル・アルバート・ホール公演での出来事について「混乱があったんだ」と語っている。
「自分としては問題は見当たらなかった」とピート・タウンゼントは続けている。「長い間、一緒に演奏していなかったバンドにはよくあることだよ。でも、おそらくサウンドに関することだったんだと思う。その結果、音響の人間を失うことになったんだ」
「ロジャーが見失うことになったんだと思う。ロジャーには難しい感じになったんだよ」とピート・タウンゼントは語っている。「ロジャーについて語る時には気をつけなければいけないんだ。彼は何を言われても怒ることがあるからね。次に辞めさせられるのは私かもね。でも、ザック・スターキーを辞めさせたのはロジャーじゃない。ロジャーと私で一緒に下した決断だ。でも、自分たちの手には負えなくなってしまったんだよ」
ザック・スターキーと袂を分かつのは難しい決断だったかと訊かれて、ピート・タウンゼントは次のように答えている。「バンドに招いたのは私ではないんだ。ロジャーがバンドに迎えたんだよ。当時はロジャーがなんでザック・スターキーを選んだのか分からなかった。でも、ザック・スターキーはもう一人のキース・ムーンだった。彼は本当に素晴らしい部分もあったし、難しい部分もあったんだ」
「ザック・スターキーのことは本当に惜しまれるよ」とピート・タウンゼントは続けている。「でも、その経緯は本当に分からないんだ。私も分からないんだよ」
ザ・フーはロジャー・ダルトリーのソロ・バンドでやっているスコット・ディヴァーズが新しいドラマーになることも発表している。スコット・ディヴァーズはザック・スターキーの離脱についてファンが「がっかりしている」のは理解できるとしながら、「その責任の重さは巨大なもの」だと述べている。