M.I.A.は今年のエリザベス女王の誕生日の叙勲名簿で「音楽への貢献」が称えられて、MBE(メンバー)の勲章を授与されたことについて発言している。
M.I.A.は現地時間6月8日にインスタグラムを更新して次のように述べている。「今回の名誉を誇りに思っています。母にとって本当に大きな意味を持つことです。母親が人生の多くの時間を費やしてきた仕事を称えたいと思います!」
「母はイングランドで30年以上にわたってメダルを手作りしてきた2人の女性のうちの1人です。母と従姉妹は1986年に亡命者として受け入れられた後で、英語が話せない唯一の労働者だったためにこの仕事が与えられました」
「母はイングランドで過ごした人生の中で、女王のために1000以上のメダルを手作りしてきました。私がどう思おうと、母親は自分の仕事を心から誇りに思っていました。今回のことは、私にとって母親がしてきた最もエレガントで低賃金労働を称えることのできる特別な機会になりました」
スリランカ系イギリス人である本名をマタンギ・アラルプラガサムというM.I.A.は20年以上にわたって自身の難民としての出自を探求する政治的な音楽を作ってきたことで知られ、キャリアを通じて5枚のアルバムと2枚のEPをリリースしている。
ロンドンのハウンズローに生まれたM.I.A.は生後すぐにスリランカに移住し、幼少期のほとんどを内戦中のシェルターで過ごしている。M.I.A.は10歳の頃に家族と共にイギリスに難民として亡命している。
M.I.A.は昨年、高い評価を得たドキュメンタリー作品『マタンギ/マヤ/M.I.A』が公開されている。『NME』は同作について次のように評している。「攻撃的なポップ・ミュージックから扇動的な言動に至るまで、『マタンギ/マヤ/M.I.A』には自己主張の強いラッパーである彼女が難民から正真正銘のスターになるまでが記録されている」
「予測不能な手法を取ってきた恐れ知らずな唯一無二のアーティストの内側に見事に迫るものになっており、公共というプラットフォームを使う利点とその危険性を教えてくれるものになっている。真に迫る内容だ」
今年の叙勲名簿では他に、エルヴィス・コステロにもOBE(オフィサー)が授与されており、彼は次のように述べている。「今回の驚くべき名誉を嬉しく思っています」
エルヴィス・コステロは次のように続けている。「正直に申し上げますと、『音楽への貢献』が称えられてこのように認めていただけたことを本当に嬉しく思っています。誰も楽曲の中の自分の言葉に耳を傾けてくれていないのではないか、自分の作品が違うふうに理解されているのではないかという長年の不安が解消されることになりました」
また、叙勲名簿では他にジ・アンダー・トーンズのフロントマンであるファーガル・シャーキーがOBEを授与されているほか、アンナ・メレディスやアンドリュー・ローチフォードらもMBEを授与されている。また、ソングライターのミッチ・マレーはCBE(コマンダー)を授与されている。
アンドリュー・ローチフォードは今回の名誉についてプレス・ アソシエーションに次のように述べている。「自分の取り組みや情熱をこのような高い水準で認めていただき、本当に名誉に思っています」