人間椅子二十五周年記念ツアー〜無頼豊饒〜|恵比寿リキッドルーム

9月20日、恵比寿リキッドルームにて二十五周年記念ツアー〜無頼豊饒〜ファイナル公演が開催された。
バンド生活25周年の人間椅子としても、初となる本会場での公演はソールドアウトとなっており、6月にリリースした最新アルバム「無頼豊饒」の勢いが感じられる。

前作”萬燈籠”に収録されている「新調きゅらきゅきゅ節」からスタートした本編は、会場中で拳が突きあがり”人間失格”に収められた名曲「りんごの泪」まで、一気にその世界観を魅せつける。
当日はドラムのナカジマノブの誕生日でもあり、鈴木から「奇しくも、無頼豊饒ツアー最終日はナカジマノブ君の誕生日に当たりました」に、会場から大きな歓声が沸き起こる。
「25周年ですから、新旧取り入れた構成を楽しんで下さい」と和嶋のMCより披露されたのは”無頼豊饒”から「悉有仏性」、”二十世紀葬送曲”に収められている「蟲」では、鈴木がボーカルを取り、和嶋のギターパフォーマンスに会場もヒートアップする。
「いつもより長く歯で引いていた、ギター和嶋慎治です」と鈴木からのMCに答える和嶋から「歯が痛いです、知覚過敏です」と笑いを誘う。

「今、和嶋くんがね、曲の終盤でこっちを見てニッコリしたんですよ。良い演奏したときにそれがあるんですけど、お客さんを抜いて演ったとしても、今日のライヴを演って良かったです」という鈴木に和嶋は「こう見えて素直な人間ですから。良い演奏出来たのはお客さんのお陰ですよ」と、会場を一瞬にしてひとつにしてしまう。
鈴木が”無頼豊饒”で唯一作詞した「地獄の料理人」、和嶋の妖しいアルペジオが響く”瘋痴狂”から「幻色の孤島」と、正に”新旧取り入れた構成”が繰り広げられる。
ジョージ・オーウェルの小説『1984年』に登場する「ビッグ・ブラザー」を引用し、「○○論」を話す中演奏されたのは”無頼豊饒”のラストを飾る「隷従の叫び」。続いても”桜の森の満開の下”のラストナンバー「太陽黒点」と、どの時代の人間椅子の楽曲だとしても、ライヴでスタンダード・ナンバーがあり、新曲と交じり合えることが出来る。

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