THE YELLOW MONKEY、キャリア初のドームツアーを30周年目の結成記念日でもある12月28日にナゴヤドームからスタート

なかでも、「我々の代表曲かどうかわからないですけども、とても尖っていたときに、“この曲でシングルを出したい”と言った、スローテンポのロックンロールがあります」と、当時の強い想いを伝えて届けた名曲「JAM」では、会場からひときわ大きな歓声が湧き、盛大なシンガロングがナゴヤドームを包み込んだ。

センターステージの演奏を終えたメンバーが客席のあいだを縫って後方から退場すると、会場にはイエローモンキーの最初のデモ音源に収録されていたという未発表の音源「PENITENT」が流れ、これまでイエローモンキーが開催してきたライブの全公演リストがスクリーンに映し出された。そして、再びメンバーがステージに戻ると、総勢30人のチンドン屋さんを迎えたスペシャル編成で30周年記念ソング「DANDAN」を披露。

THE YELLOW MONKEY 結成30周年の祝祭感に満ちたキャリア初のドームツアーが開幕

アニーのドラムが口火を切った「パンチドランカー」を挟み、吉井がカメラにキスをしたり、エマとの濃密な絡みを見せた「SUCK OF LIFE」では、「THE YELLOW MONKEY IS MY LIFE!」と力強く叫び、クライマックスに向けて会場の熱狂が加速していった。

ラスト1曲を残したところで、「ドームツアーなんて夢のようです」と伝えた吉井は、THE YELLOW MONKEYというバンド名について、「本来、欧米からやってきたロックというものを、日本人の心意気でやってみようじゃないかという気持ちで、このバンド名をつけました」と改めて説明。「当時は、周りの人にバカにされてたけど、自分はこのバンド名を誇りに思って活動してきました」と熱く語った。

さらに、イエローモンキーの音楽について、「僕は、現実と、目に見えない何かを結ぶ懸け橋の部分を歌うのがロックだと思ってやってきた」と想いを語り、戦争や、浮かばれない想いを抱えた女性のことを歌ってきたというバンドの表現の在り方にも触れると、そんなバンドの神髄が詰まった2ndアルバム『EXPERIENCE MOVIE (未公開のエクスペリエンス・ムービー)』の収録曲「シルクスカーフに帽子のマダム」で、ライブ本編を締めくくった。雄大なバンドサウンドのなかで美しいファルセットが響きわたった深遠なフィナーレは、アニバーサリーの祝祭感だけではなく、30年間イエローモンキーが貫いてきたロックバンドとしての信念も感じられるものだった。

アンコールでは、メカラ ウロコでは恒例の「おそそブギウギ」をメンバー全員で歌うと、「バラ色の日々」では、エマが吉井の横にぴったりと寄り添ってプレイ。「ALRIGHT」では、吉井が、メンバー紹介しながら、一人ひとりに「30周年おめでとう!」と祝いの言葉をかけていくと、ヒーセもまた、吉井の名前を呼び、「30周年おめでとう!」と返した。

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