TOKIE インタビューvol.24

RIZE、AJICOを経て、引き続きサポートのお仕事とLOSALIOSに?

TOKIE:そうです。特にサポートのお仕事が増えたタイミングですね。サポートをさせていただく良さは、お互いにフィードバック出来るところにあるんです。自分のバンドだったりプレイで培ってきたものを、様々なアーティストの方と共演することで、さらに得て昇華させられるんです。またそれを自分の活動に持ち帰って、今までと違うエッセンスを出していけるんですけど、それはお互いがあって成り立つものだと思うんです。だから、私の中でバンド・サポートのどっちかだけになってしまうと、バランスが崩れてしまいますね。

どっちもやれているし、やっていてこそ、TOKIEさんのプレイになるということですね。

TOKIE:はい、もちろん自身のバンドに、活動の重点を置くようにはしています。

そこが魅力ともなっていますよね。のちのunkieを挙げても、そういった活動がなければ、成し得なかったバンドだとも思います。

TOKIE:そうですね。LOSALIOSもその1つだと思います。最初、達ちゃんがBAR AOYAMAでセッションをやっていたと思うんですけど、そこに加藤くんもいて、あとは達ちゃんのお友達が入れ替わり立ち替わりで入ってて。確かAJICOをやってるときに、急に私が呼ばれて(笑)。

忙しいタイミングのときですね(笑)。

TOKIE:そうそう(笑)。そこで即興で弾いたのがきっかけで、暫く経ってお話をもらったんです。私が加入したときは、曲というよりはインプロでやっているセッションに対して、タイトルがあるスタイルだったんです。そこに私が、リフを弾いて構成を決めて、曲というものが出来上がりましたね。

確かに「世界地図は血の跡」から「Colorado shit dog」で、一気にその要素が加わりましたよね。

TOKIE:そうなんです(笑)。インプロもありつつ、メリハリや展開を加えていきましたね。一昨日のライブ(中村達也 9 Souls -Anniversary of Drums Beast-@代官山UNIT)は1年振りだったんですけど、そんなことを10年くらい散々みんなでやってきたから、久し振りでも1度音を出すと、アイコンタクトやそのときの抑揚感で、次の展開がわかりますしね。新しくセッションしたものを、新曲としてみんなに披露出来ましたし、すごく楽しかったですね。

—元々は、ボーカルがいるバンドをやりたかった

アンコールはびっくりしましたね。今回はケイタさんもいて、あれこそインプロのダイナミズムだと思いました。

TOKIE:ね!あのときのケイタくんもカッコ良かったですよね。

そういえば、LOSALOISがTOKIEさんがやっているバンドの中で、1番長いんですよね。

TOKIE:そうだ!気がつけばですね。

その次がunkieになりますね。

TOKIE:元々は、ボーカルがいるバンドをやりたかったんです。LOSALIOSがたまたまインストだったんですけど、だからunkieもそうかと言うと、良いボーカルの人がいれば入れたかったんです。

なるほど。確かに一括りにインストというよりは、曲のインストとしての要素が強いですよね。

TOKIE:ちゃんと曲をやるインスト・バンドですね。そこで差をつけるようにしていました。

LOSALIOSがあったので、実はunkieもインスト・バンドがやりたくてなのだと思っていました。

TOKIE:あぁ、そういうイメージになると思うんですけど、実際は違うんです。私の中で、音楽の”歌”というものがすごく大事になっていて。それこそ、今まで私はコーラスも出来なかったんですね。

—声がどの楽器よりもパワーを持っていることに気づいた

ホントですか?全然イメージになかったです。

TOKIE:実は出来なかったし、むしろ「コーラスなんてやりたいくない」って思ってたくらいなんです。それを3年くらい前から練習を始めて、コーラスが出来るようになりましたね。

何かきっかけがあったんですか?

TOKIE:清竜人くんのサポートをやっていたときなんですけど、彼の作品ってたくさんの音が積み重なっているので、コーラスがないと成り立たないんです。サポート・メンバーにコーラスがいなくて、私も出来ないのに「とにかくやってくれ」って言われて(笑)。

(笑)。

TOKIE:それでライブの度に「TOKIEさん、コーラスが…」って、ダメ出しされたのがすごく悔しくって練習したんです。そうやって弾きながら声を出していて、「声がどの楽器よりもパワーを持っているな」って気がついたんです。それはLOSALIOSやunkieという、インスト・バンドを経て経験したことですし、「声にはどの楽器も敵わないな」っていう瞬間を体験して。それから、声や歌に対してのリスペクトが大きくなりましたし、それがあったから、THE LIPSMAXになっていくんです。

それはしっくりきますね!

TOKIE:全員が歌うっていうね。

ACE OF SPADESで言うと、正しくボーカルがいるバンドだったわけですが?

TOKIE:ACE OF SPADESはHISASHIくんのマネージャーさんから「バンドやりませんか?」という、詳細がわからない状態で連絡をもらって(笑)。でもHISASHIくんとバンドってやりたくても中々出来ないなって思って、「やります!」と返事をしたら、あとから他のメンバーを知ったっていう(笑)。

スーパーバンドですけどね(笑)。

TOKIE:ACE OF SPADESは、あまりにビッグ過ぎて”やる・やらない”を考えるようなバンドじゃないなっていうのはありましたね。こんなことでもなかったら、絶対に一緒に出来ない人たちですし。今まで違うステージで活躍された方々と音を積み上げていく作業はとても貴重だし、楽しかったです。

TOKIEさん自身に変なこだわりもないから、そういった判断が出来るんでしょうね。

TOKIE:やってみて「違うな」と思ったこともありますが、音を出す前に断ることはしたくないんですよね。せっかくオファーをいただいたのですから、どんなジャンルの方とでもやってみたいと思っていますね。

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