BAROQUE Interview vol.30

─では、タイミング的にはツアーが始まる前に撮られていたんですか?

怜:前ですね。アルバムレコーディングが終わってすぐだから、もう2ヶ月ぐらい前。

—先ほど「今のバンドを見せたい」というお話がありましたが、それは加えて「PLANETARY SECRET 」の世界を体感する上でも、必要な映像にもなっていると考えられますよね?

圭:そう。今回感じて欲しかったのは、BAROQUEというバンドは4人の人が音を出して成り立ってるんだっていうこと。アルバムが作り込まれた分、すごくバンドとかけ離れたように感じられる作品な気がするんですよ。でもこれを見るといかにバンドなのかという部分が見えるはずなんで。

─怜さん・圭さんだけではなく、敢えてサポートの2人も出演しているのは、そこがあったんですね。

圭:確かにBAROQUEは2人だけど、今は彼らあってこそのバンドなので。

—今回収めたスタジオライブというアプローチは、BAROQUEとしても初めてですか?

怜:こういうスタイルでやるのは初めてですね。それこそ、映像も照明さんも全員1発撮りなんで、ライブを1公演やるっていうのとなんら変わらないですね。

—オーディエンスのいないライブとも言い換えられますが、演奏側として普段のライブと違いがありましたか?

圭:やっぱり特殊でしたね(笑)。ライブというよりは、アルバムに近いと思うんですよ。完成直後だからこそ出せる、プリミティブさやピュアさみたいなものがあるし、実際やってるときはレコーディングしてるのと変わらない感じがしましたね。

怜:実際、音も出してたし余裕はないですね(笑)。それぞれの映像の顔見ると「あーもうこれ」って(笑)。すごい入り込んでるし、緊張感もすごい。スタジオライブとも言えるし、スタジオレコーディングとも言えますね。しかも、それを映像チームや照明チームと一緒に共有出来たっていうのはデカイですね。

—その映像で、プロジェクションマッピングを用いられましたが、そういったリアルタイム性を打ち出す要素として、今回は取り入れられたのでしょうか?

圭:「ミュージックビデオでもなくてライブビデオでもないものを作ろう っていうのがあったんで、VJも含めてその一瞬でしか出来ないものを閉じ込めることにしました。

─なるほど。収録された映像について解説をいただきたいのですが、「PURIFY」では、深い闇から時折みせる眩い光が印象的ですが、楽曲や歌詞の持つ世界観と、どういったリンクが表現されているのでしょうか?

怜:この映像って、後ろ側から撮ったりもしてるんですけど、すごい淡白に言うと光をすごく使ってくれたんですよね。もともと星空のテーマの中でやってたんで、その光の印象が強くなっている部分が、それに当たると思います。

—確かに。続く「PLANETARY LIGHT」では、幾千の星と座標が映し出され、BAROQUE自体が宇宙となって放つような世界が見えました。演奏している間は、もちろんその映像が見えていないわけですが、色彩がかなり際立つように思えたのですが?

圭:実は、アーティスト写真やトレイラーではそうなんですけど、この作品は全て白黒で出そうと思ってたんですよ。でも撮ったものを見たら、カラーで出すべきかなって変えたんですよね。

怜:最終的にチェックしたとき、カラーである方が「PLANETARY LIGHT」の世界がより伝わったんですよね。色の持つパワーを改めて知れましたね。

—その放たれた色彩から「DREAMSCAPE に続き、オーディエンスが映し出されるシーンは、まさにBAROQUEの今を象徴しているような世界を感じました。そうした映像は、楽曲に込められたものを投影させるものだったのでしょうか?

圭:今回、アルバムリリースの直前に収録曲を公開したんです。そのときに1つ1つの曲に対して、ビジュアルイメージを併せて公開したんですけど、それを軸に今回の映像を作ってるんです。「DREAMSCAPE」はオーディエンスのビジュアルイメージで、「オーディエンスとコミュニケーションしよう」っていうのを前提に作ったので、このVJになりました。「DREAMSCAPE」で映ってる中には、そのビジュアルイメージを使ったシーンもあります。

─ということは、この映像を通して、楽曲の答え合わせが出来る側面も持ち合わせていますよね。

怜:まさにそうですね。

—先日、七夕の日限定で公開もされた「CELEBRATE」では、怜さんがライトを手にしていますが、怜さんからのアイディアだったんですか?

怜:あれは映像チームからのアイディアだったんですけど、自然に渡されただけなんですよ。しかも歌う直前に「何も考えないでいいから」って渡されて(笑)。特に何かを照らそうとか俺は考えてないんですけど、それを映像で改めて見たときに、これを持った意味や光の温かさに気づかされましたね。

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