BAROQUE Interview vol.30

2001年のバンド結成後、2人体制で臨んだNEW ALBUM「PLANETARY SECRET」。ライブ同様、レコーディングメンバーにはTOKIE(Ba.)、かどしゅんたろう(Dr.)を迎え、新たなBAROQUEサウンドを放ち、ツアー「OPEN YOUR WORLD AND SEE THE LIGHT」では、その世界を体感する場となった。
本イタビューでは、スタジオライブを映像化した「BAROQUE SPECIAL FILMING LIVE FOR BLU-RAY DISC」を中心に、現在のBAROQUEを怜、圭に語ってもらった。

—まず、ツアー「OPEN YOUR WORLD AND SEE THE LIGHT」の9公演目まで終えられましたが、「PLANETARY SECRET の壮大な世界観を表現するにあたり、どういったコンセプトをもって臨まれましたか?

圭:仰る通り、アルバムのテーマが壮大で且つ、作り込まれた感触があるから、ライブを観に来る人たちは「どんなライブになるんだろう?」って期待や、もしかしたら心配も含めてあったと思うんです。だけど、壮大なようでありながらシンプルなメッセージであり、すごくピュアなものだったりするのが今回のアルバムだし、作り込まれた世界を見せるというより、ライブでの体験を見据えて制作していたから、より理解してもらえるツアーになってると思いますね。

怜:まさにそう。このアルバムを手にとって「魅せるライブをするんじゃないか?」って絶対思ってたはずなんですね。だけど、すごく参加出来るライブになったと思うし、逆にそこって自分たちが本来持ってる良さというか。このアルバムの新しいエネルギーが、お客さんと共有出来ることのきっかけを生まれさせたんじゃないかな。

—その「PLANETARY SECRET は、音楽のみならずアートワークやプラネタリウムでの視聴など、一貫したテーマを掲げたアプローチをされた中で、ライブではいかに過去の楽曲たちと交わらせていくかという難しさがあったのでは?

圭:確かに組み込みにくい曲もありましたけど、全く別バンドになったわけではないので(笑)。過去の自分たちとの繋がりを感じるような曲は、自然に組み込めましたし、それによって今の自分たちの成長を感じられたりもして。毎回、各公演でアンコールの1曲目を変えたんですけど、それはアルバムとは関係ない曲を演奏したりしましたね。

─その際、「PLANETARY SECRET に合わせて、過去の楽曲アレンジを練り直したりはしなかったのですか?

怜:エフェクトを試みたりはありましたが、それでも、自然と溶け込んでいる感じがありましたね。「sug life」っていう、初期のアルバムの曲も演奏したんですけど、曲調が変わったんじゃなくてムードが変わったというか。「この曲が分かった気がする」ってMCでも言ったんですけど、お客さんの受け取り方も変わっていたし、そういう不思議な発見もあったんですよね。

 

─それはバンドとしても地続きなんでしょうね。仰られたように、何か急に変わったとかでもなく。

圭:急激な進化だね(笑)。

─(笑)。その進化のきっかけとなる「PLANETARY SECRET は2年ぶりの作品とのことですが、テーマを含めた構想自体は、いつ頃から練られていたのでしょうか?

圭:それは去年の秋ぐらいですね。バンド自体は続いてるとは言え、今の体制に至るまでは紆余曲折があったんです。崩壊しそうなピンチも何度かあったし、2人になってのやり方がなかなか掴めなくて、この2年間は試行錯誤してたんですよ。その中で、これまでのサポートメンバー、そしてTOKIEさんとしゅうたろうさんと出会えて、次に自分たちが何をすべきかや、何を身につけるべきかが見えてきて、新たなバンドに生まれ変われたって感じですね。

─その体制となって、昨年からライブで演奏されている「MEMENTO」が、その象徴でもあり、現在のBAROQUEを担う中核ともなっていますか?

圭:そうですね。2人になってから初めての新曲だったし、同時にサポートの2人と初めて一緒にやった曲なんで、確実に核になっていますね。

—なるほど。元々、かどしゅんたろうさんとはお知り合いだったようですが、TOKIEさんは今回のサポートやアルバムの参加タイミングが初めてですか?

圭:そうです。2人になってから、色んな素晴らしいミュージシャンにサポートしてもらったんですけど、2人になったBAROQUEらしさをイメージした結果、ぱっとTOKIEさんが浮かんだんですよね。もちろん僕らからしたら大先輩で、 前を知ってるだけで面識がなかったんですけど、彼女は唯一無二のベーシストだし、もしかしたら受けてくれるかもしれないからという、ガチンコで聞いてみた感じです。

─その発想になったとき、BAROQUEとしてのバンドイメージが見えていたということですね?

圭:見えてたんですけど、周りの人は「絶対無理だよ」って(笑)。

怜:圭からそれを聞いたとき、「あ、このピースがハマったら、すごい見える気がする」っていうのは話してて。結果、アプローチして良かったなと思いますね(笑)。

—(笑)。実際のライブや制作のサポート現場で、2人はBAROQUEにどういったものをもたらしてくれたと思いますか?

圭:まず、この2人でやっていこうと後押ししてくれたのは、2人の存在があってこそだと思います。音楽性って意味でも確実に引き上げてもらったと思うし、プレイ面でも絶対的な安心感があるんで、今はなんの不安も無いですね。

─例えば怜さん・圭さんが良い意味でライブで暴れても、どっしり支えて構えてくれてる2人みたいな?

圭:そういう部分ももちろんだし、一緒にガッと来てくれるときもあるし。

怜:バンドが求めてるときは、すっと入ってきてくれる。サポートの域を超えたところまで踏み込んでくれる2人なので、そこは大きいですね。

—その体制で臨まれた制作、そしてツアーで実際に披露しているわけですが、オーディエンスへの浸透はどのように見られていますか?

圭:制作したときからライブを考えてたって言いましたけど、一方でぱっと聴いて、わかりやすく盛り上がれるような音楽性ではないとも思うんですよ。 でも、ちゃんとみんなが聴いて来てくれてるんで、共有したいという強い気持ちを持って作った部分は、伝わってるなと思いますね。

─バンドとオーディエンスが共鳴する場所とも言えますね。

圭:今までこれをやってる場所はないけど、また新しく作ろうよっていう感覚でやってます。

─ツアー「OPEN YOUR WORLD AND SEE THE LIGHT は、11公演という発表があった中に、8月12日には「BAROQUE SPECIAL FILMING LIVE FOR BLU-RAY DISC」の発売が控えていますが、これはツアーの一部として位置付けられているという解釈で良いのでしょうか?

怜:そうですね。

—その披露をスタジオライブ収録にすることは、アルバム制作時から構想としてあったものですか?

圭:後半ぐらいに思いつきましたね。去年から今のサポート2人とツアーを周って、新しいバンドを構築していったんですけど、ライブに来た人以外に見せられる機会がなくて。今回、ミュージックビデオにも僕らは出演してないんで、今のバンドの姿をいち早く見せたいなって気持ちがあったんですよね。で、普通だったらライブをシューティングしてリリースするんでしょうけど、待ちきれなくて(笑)。

怜:ホントすぐだったもんね(笑)。

圭:うん。ツアーにも来れない人もいるだろうし、バーチャルなライブじゃないですけど、ツアーの1公演として。ミュージックビデオでもライブでもない、だけど実際にライブしてるような映像が出たら面白いんじゃないかと思ってやってみました。

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