BAROQUE インタビューvol.48

—キーワードとしては”人の童心を描く”(圭)

—「PLANETARY SECRET」リリースから約1年半、そして昨年末の渋谷VISION公演での初披露から約1年を経て、今回の新曲「GIRL」がリリースとなります。アルバムで描かれていた世界には、象徴的な宇宙の”陰と陽”を感じていたのですが、「GIRL」はその”陽”の部分がとても反映されていてますよね。

圭:そうですね。そもそも宇宙や星、夜というテーマで「PLANETARY SECRET」を作って、そこには僕らの根源的なものから、人生観や哲学まで描かれていて。謂わば、1人で夜空を眺めて想いを馳せるようなアルバムじゃないですか。だからこそ、次はその夜が明けた世界を描きたいなと思ってて。キーワードとしては”人の童心を描く”というのがあって、聴いた人が男性だったら少年に返るだとか、女性だったら女の子に返せるようなアルバムにしたいという。「GIRL」はその中で、アルバムの軸になる少女の部分を描いた曲となります。

怜:曲の時点で”GIRL”っていうテーマがあったから、そこに向かってく言葉を生んでいきましたね。始めは日本語だと恥ずかしいくらいだし、その日本語が良いのかすらもわかんなくて。だけど、それくらい素直に届けないといけない曲だと思ったし、だったら全世界の誰にでも届くことにチャレンジして”どんな人でも少女に返せるような歌詞に”というところから、英語にしましたね。

—なるほど。メロディに対して、英語でなければ乗らなかったというよりは、より多くの人へ届ける術が、たまたま英語だったという。

怜:そうそう。どっちの方がより届くのかをすごく考えましたね。

—その中で少女に返す言葉を紡いでいくには、怜さんの経験では難しいじゃないですか(笑)。

怜:そう(笑)。自分の経験ではないですけど、強く相手のことを想って書いてる。だから、シーンの切り取り方とかも日本語で書いて、そこから生まれたキーワードを英語に変えていく形でした。

圭:すごく難しくて、これは結構悩みましたね。

─英語にするとこうだけど日本語だとこう伝えたいし、どうメロディに乗っけていくのみたいな?

怜:英語と日本語の乗りやすさって、メロの段階から分かるんですけど、これは確実に英語っぽいメロディだったんですよね。日本語にもできたんだけど、すごくメロディも減るとか色々考え方があって。曲をもらった後に「こういうシーンが見えるんだけど、日本語だともしかしたら…」って、かなり圭に相談した。

─その相談ではないですけど、今回はプロデューサーにKen(L’Arc〜en〜Ciel)さんを迎えられましたが、今伺った試行錯誤は、Kenさんにお願いされる前のことですか?

圭:そうです。Kenさんとは元々面識はあったんですけど、そもそもの出会いはKenさんがBAROQUEを聴いて興味を持っていただいてて。去年の12月31日にライブ・イベントがあったんですけど、それを観に来てくれて話したのがきっかけですね。

─当然、まだ何かを依頼するという話もなく?

圭:ないですね。ただ、そのライブの次の日、元旦だったんですけど電話がきて、2時間くらい「ライブを観て思ったんだけど、BAROQUEはこれからどういう方向に進みたいの?」って聞かれたりしてて。それからアイデアをもらったり、色々と話をしてくれるという関係が何ヶ月か続いてました。その間にも、動画を観たりとか音源を深く聴いてくれたりとか、BAROQUEのことをあまりにも詳しくなり過ぎていて(笑)。

─(笑)。

圭:そこまでメンバー以外に言ってくれる人は今まで居なかったので、だったら「1度やってみませんか?」と持ちかけて。

─タッグを組まれるべくして組まれた感じですね。

圭:何か、良いきっかけが欲しかったこともあります。僕らが2人になってのセカンド・アルバム前だったんで、やりたいことは既に自分たちでわかっているけど、色々と方法を悩んでる部分もあったし、自分でもプロデューサーをつけるの初めてなんで、やってみようかなって。

─そこでKenさんと組むことで、自分たちが描いていたもの以上になったのものとは?

怜:1番プロデュースして頂いてデカかったのは、その曲の細かいニュアンスまで見た上で、本来の自分をうまく引き出してくれたところですね。ゴールは一緒なんですけど、全て英詞で書いていったところに「もしかしたら、この部分は日本語の歌詞の方が届きやすいんじゃない?もっと幅広くできるんじゃない?」という提案があって。それを試して歌ってみようと思って、英詞バージョンと、英詞に日本語が混ざったバージョンを試したりとか。最終的には最初のものになったんだけど、そういうことを経たからこそ見えたものとかあるし。

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