BAROQUE インタビューvol.48

—改めて今回向き合うことで輝いた(怜)

─より、英語での説得力や納得感みたいなものの必要性を怜さん自身でも改めて感じられたり?

怜:英語でどんなニュアンスをつけたら、より伝わるんだろうって、英語のアドバイザーとKenさんがタッグを組んで、一緒にディレクションしてもらったり。当然のことなんだけど、より深く伝えるためにはただ歌うだけじゃダメで、どう追求していくかっていうことの重要さを改めて知った良いきっかけでしたね。

圭:Kenさんは、楽曲のテーマをどれだけ伝えるかというところにすごくストイックだから、ギターの演奏面にも出てて…それで改めて今回感じたのは、予想以上に自分自身が頑固だなって(笑)。

怜:(笑)。

圭:「GIRL」は既にもう完成していた楽曲だったし、ライブで演っていた。ただ、Kenさんに入ってもらうからには、思いつくアイデアを試してみようって全然違うアレンジしてみたりとか、Kenさんが思いつくフレーズをそのまま弾いてみたりした。でも、作ったときに”これだ”っていう形からあまり離れられなくて結果、最初からあった形に戻りました。その人が持ってる節とか感性があるから、ただフレーズをコピーしても、その人以上にならないなっていう(笑)。

─テクニック云々ではない、個性の部分の話ですね。

圭:Kenさんが弾いたものをそのまま弾いても、Kenさん以上にならない。感性の問題というか、それが出てきた人が弾くのが1番だし、俺のフレーズは俺でしか表現できないというか。それが当然なんだなって分かったし、そこの違いが如実に表れて面白かったですね。ただ、その人らしいフレーズを何処まで届けるかとか、初めて聴いた人にも爪痕を残せるかっていう部分で、Kenさんの感性や伝え方がすごく勉強になりましたね。実際、Kenさんとすごく話して「BAROQUEという個性を伝えるためには、どうしたらいいのか?」ということを真剣にお互い考えたし、そうやって磨かれた結果として残ったのがこれだったんで。俺たちもKenさんが居なかったら、絶対にここまで出来なかったし、見つけた個性というものもあって、本当に勉強になりました。

怜:歌い方とかもそう。本来こういう歌い方してたけど、ちょっとこれ違うんじゃないかなって思ってたところとか、改めて今回向き合うことで輝いたり。長い時間、Kenさんと一緒にいて急に空いた時間に1時間くらい話したりとか、そういう積み重ねがあったからこそだと思ってます。

─「GIRL」でより自分たち自身の個性が明確になったでしょうし、その輝かせ方や届け方も含めて、すごく腹落ちしている状態なんでしょうね。

圭:本当に良かったですね。そもそもKenさんをものすごく尊敬してますし、間違いなく最高の音楽を作ってきてる人なので、そういう人と一緒に同じ目線でやれたのがデカかったですね。

—そうやって制作された楽曲とともに、先行してMVも公開されましたけれど、ぶっちゃけ「PLANETARY SECRET」の後だっので…

圭:ビックリしました?「GIRL」に関して何を伝えたいかって言うと、アルバムの話と一緒で聴いた人・女性を3歳であっても80歳であっても、心の中にある少女に戻したいっていうテーマがあったんで。で、音楽もそれに則ってて、PVもそういう作品にしたいなっていう。今回、スタイリストやカメラマンに女性スタッフが多くて、彼女たちの意見を聞きながらやりましたね。俺たちのカッコ良い姿を見せたいというよりも、何かある意味カッコ悪くて絶対やらないようなことを見せた方が、俺たちが伝えたいことがより伝わるんじゃないかと思ったんですよね。少し前だったら、やらなかったと思うんですけど(笑)。

—何か振り切ってやっていますよね。それこそ、バンド結成時くらいに逆にやってそうな感じもするんですけど(笑)。

圭:そうですね。元々持っていた部分でもあるんです。言ってしまえば、BAROQUEってすごく若いときにデビューをして、アイドル視されてた部分があったというか…。それが自分たち的にはコンプレックスで、音楽を聴いて評価して欲しかったから、割とそういうのを封印してて。でも「PLANETARY SECRET」っていう僕らの核が出来たことで、もう大丈夫だと思えたというか。あの夜の世界から明けて「GIRL」が生まれた今、この曲で伝えたいことを伝える為には、自分たちが元々持っていたそういう個性が必要な気がしたんですよね。

—確かに「PLANETARY SECRET」はふとしたときに聴ける音楽であったり、そこに夜というキーワードもあるとしたら、「GIRL」はもっと日常にある、常に現実の傍にいてくれるイメージがあるんですよね。

圭:そうですね。「PLANETARY SECRET」の世界にずっといたら1人じゃないですか。でも、人間社会ってそうじゃないし、やっぱり現実があっての世界だから、次のアルバムはその現実に放ちたいと思ってるんですね。現実で輝く、役立つものにしたいというアルバムで、それが今のBAROQUEのハードルなんでしょうね。

怜:2枚目でそれをやりたいって、ずっと言ってるよね。

圭:うん。それができたときに、BAROQUEってもっと大きなものになると思うし、自分たちが想像してる世界にいけるんじゃないかなって。

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