BAROQUE

BAROQUE インタビュー

全国ツアー[ BAROQUE TOUR 2018「FALLING FOR // YOU」]を開催中のBAROQUEが、ツアーの最終日にあたる12月25日に、ニューシングル『YOU』をリリースする。
クリスマスに届けられるその楽曲は、シングルとしてBAROQUE初のラブソングであり、次のアルバムで重要な位置を担うナンバーとなっている。そんな楽曲に込められた想いを2人に語ってもらった。

― ツアー中にもかかわらず、お時間をいただいてありがとうございます。今年はライヴが多いですね。

圭:今が2本目の全国ツアーですけど、1本目の全国ツアーと1カ月しか空いてないんですよ(笑)。2人になってから、ここまでライブをやったことなかったんですけど、やらないとダメだなと思いましたね。

怜:元々は「ずっとツアーを周っていたいね」っていうのがあったんですけど、そうしたら2本のツアーになって。

圭:今年夏ぐらいから、ほぼ週末はやってます(笑)。

― すごい(笑)。語弊を恐れずに言うと、今の方がよりバンドっぽいですよね。

圭:そうですね、自分たちがバンドだっていうことを思い出したというか。今回の『YOU』もですけど、ただ曲作りだけをしていてもダメで、ライブをやらないと完成しなかったでしょうね。曲自体は2年前ぐらいにできていて、その当時から変わっていないんですけど、ちゃんと演奏をできていなかったんですよね。それは楽曲の求める表現方法がそこまでいっていなかったというか、ツアーを経ることでやっと2人が求めてる形になってきたっていう。

― そう伺うと、世界観を広げる圭さんと、その世界観の深度をより深くする怜さんとのバンランスの良さみたいなものが、『YOU』には表れているような気がします。

圭:僕と怜自体は、出会って18~9年経つんです。メンバーが4人いたときもありましたけど、やっぱり2人だけの関係があるっていうか。音楽を作る起点は自分で、昔から1番興味を持ってくれるのが怜なんだよね。好みの問題なのか似た部分なのか、音楽を作るときの「これが美しい」「これがカッコイイ」と思う感性を分かり合えてて、逆に言うとそれ意外は別に似てない(笑)。それこそ昔は10代のガキだったから、一緒に遊んだりとかして連帯感もありましたけど、こうやって大人になるとずっとつるんでるわけじゃない。それでも一緒に作ってる歴史が自分たちにはあるから、テーマに対しての表現が2人の中では昔よりもっと明確ですね。今回の『YOU』だったら恋がテーマの曲で、そこを2人ですごく考えて、僕が作りたいっていう世界に怜が潜って知るっていう。そういうときは2人だけの空間にしてもらって、感じた色や景色、本当に色んなことを共有してますね。

怜:そのとき出たキーワードもメモったりして、圭から来る曲自体が俺は好きだから、より潜りやすい。

― もしかしたら、その時間の中で挙がる抽象的な言葉でさえも、2人だからこそ具現化しやすい環境にあるっていう。

怜:そういう時間が自分のタイプ的にもやりやすいですね。

圭:実は今年の頭ぐらいに、外部の方に手伝ってもらったことがあったんです。俺たちはとにかく曲を作るの遅いから(笑)、自分でもヤバイと思ってというところから、手伝ってもらいつつ進めていこうと。ただ、良いか悪いかの判断は置いておいて、自分たちの完成形がある中で、その正解に辿りつくまでに外部の方を通して探すことは、結果的には余計に時間が掛かってしまったんですよね。

― それこそ、2人で共有したことをもう1度共有し合わないといけないですし。

圭:そうなんです。企画として、最初からもう1人が入って3人で作ろうって言ったら違うんでしょうけど、もう作ろうと思ってるものに人が入ってもうまくいかなくて。だから今どき珍しいんですけど、本当に自分たちで1から10まで作ってることが、実は1番BAROQUEにとって良いんだなと思います。

― 『YOU』は2017年のEX THEATER ROPPONGI で初披露してから、約2年を経てのリリースとなります。もちろん、楽曲に合うタイミングも含めてだと思いますが、冒頭で伺った「2人が求める形」というのは、アレンジ面などにかかわってくるのでしょうか?
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圭:タイミングに関して言えば元々は『PLANETARY SECRET』の次に出るアルバムで、自分たちでもシングルを出そうと思っていなくて(笑)、どうせだったら良い曲いっぱい作って、全部アルバムで初めて聴いてもらった方がいいなと思ったんです。でもKen(L’Arc〜en〜Ciel)さんと『GIRL』をシングルでリリースしたりして、シングルを挟んで少しづつ聴いてもらうのも良いなと思ったのが、『AN ETERNITY』と『FLOWER OF ROMANCE』のリリースに繋がるんです。だから『YOU』も本当はアルバムで最初に聴いてもらいたいなと思ってたんですけど、そうもいかないぐらい時間が掛かったっていうのが理由です(笑)。

― 季節的な概念も含めると、タイミングとしてはバッチリだと思います(笑)。

圭:実際問題、1年前とかもそうだし、何回かシングルにしようかっていう話もあったんですけど、タイミングが悪くて流れちゃって。

怜:最近は流れに任せようって(笑)。

圭:個人的にはこういう曲をずっと作りたかったんですよね。U2の『With or Without You』みたいな、単純なビートなのに世界観がすごく大きい曲をずっと作りたくて。10年前から構想はあったんですけど、やっとここでと思ってますね。アレンジ面は細かいブラッシュアップした部分はあるんですけど、ドラムとベースは今年の2月には録ってて。でも[ TOUR 2018 IN THE ATMOSPHERE ]では『YOU』を演奏せずに、はしばらく封印していたんです。

― それは敢えて?

圭:敢えてです。今のツアーを『YOU』にしようと思ってて、その間に足りない何かを見つけたくて。それでアコギを入れたんです。

怜:ずっと圭は「足りない」って言ってて、アコギが入ることでピンと来た!っていう感じだったよね。

圭:そう。アレンジに関してあんまりサッパリ言うのもあれなんですけど、『YOU』は普通の構成ですけど景色がすごく変わるアレンジなんです。あるギタリストの人が「今の時代、レコーディングはなんでもできるから、例えばAメロで弾いたフレーズを2回目に同じAメロが来てもコピペしない方がいい。それをしちゃったら全部パズルだ」って言っていて。自分たちの場合は、構成としてのAメロが2回来ることはあるんですけど、そもそもそれを同じAメロだと思っていないな、と。当然、歌詞も違えば場面も違うから、同じように弾かないって当たり前だったけど、そういう部分が『YOU』には強く表れている気がしますね。

― ある種、構成がリフレインであればあるほど、その場面転換の難しさもありますけど、『YOU』は見事にそのストーリーを見せられています。

圭:転調するところはすごい考えましたね。

怜:2人で結構やったもんね。

圭:ピークに達する最後のサビがポイントだなと思ってたんで。やっぱり転調って、失敗すると「急に変わったぞ?ええ?」って、聴いてる方が恥ずかしいときあるじゃないですか(笑)。でも、絶対に違う景色にしたい場所で、それが見えたときにこの曲がある程度完成したのかなと思いますね。

― 歌詞も然りですよね。例えば「色褪せないよ」というフレーズを繰り返すことで、その言葉自体の強さが増したり、見せたい景色の集約的な要素も強まるというか。

怜:言葉選び自体は、全体的にすごくストレートに書いてるんですけど、同じ言葉を3つ繰り返すことによって伝わることと、もしかしたらもっと違う言葉を並べることで、見せられる景色があるんじゃないかということに、最後まで悩みましたね。それでも、フラットな状態になって時間を置いて聴いたときに、やっぱこれだなって。それによって、歌声も鳴らし方や唸り方も自然と変わっていきましたね。

― 『YOU』の歌詞自体はストレートとおっしゃいましたが、その言葉たちはスムーズに出てきたものだったんですか?

怜:いや、結構時間が掛かりました。恋って、最中なのか失恋なのかですごい幅が広くて、その中でもっとピュアで、歌声もどちらかと言えばドリーミーな方でっていう。

圭:どうとでも取れるよね。

怜:そう。初めからストレートに書いて欲しいっていう注文もあって、ただ言葉次第では…偏った悲しい曲になっちゃうから、そうじゃなくピュアな状態で恋をわかりやすい言葉に変えていく作業は何度も考えましたね。

圭:普段なら、ラブソングってあんまり作りたいと思わないんですよ(笑)。でも、最初にサビのメロディができたとき、絶対に恋の曲だなと思ったし、次のアルバムには必要だなと。だから、どうせ作るなら誰が聴いてもそこに持っていけて「絶対にこれしかない」っていうくらいのラブソングにしたかったんです。恋ってある意味、麻薬みたいなもので特殊な状態だと思うんで、アレンジはそれに則っていきましたし、そういう状態を音楽で表現したかったんです。

― さっき仰った「どうとでも取れる」というのも、恋をしている人としていない人では、受け取り方に違いがあって当たり前でしょうし、それでもその景色を見ることで得られる世界観の軸みたいなものが、『YOU』には間違いなく存在しているからだと思います。
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怜:そう。このムードと世界観が伝わる方法の、ちょうど真ん中にあるんじゃないかなと思います。

圭:優しく暖かいねって言ってくれる人、結婚式とかで使いたいっていう人、ちょっと切ないっていう人って、お客さんによっても受け取り方が本当に違って、それが良かったなと思いますね。

― その作用を最大限にするために、比留間さん(エンジニア)が担ってくれたものはどういった部分が大きいですか?

圭:比留間さんとは、前作の『FLOWER OF ROMANCE』からやってもらってて。細かいところで言うと、『YOU』のレコーディングのときに「こういうドラムにしたい」とかはお話しましたね。ただ最近は、僕らもデモ段階である程度の世界観を作るので、歌の質感とか雰囲気とか、バランスもそうですけど基本デモに準じていただいてます。

― さきほどの外部の方を入れてとは逆に、いかにその世界観を再現性を持って膨らませてもらえるかというところですね。

圭:もちろんやっていただいたものの方が全然良いですし、とにかくドラムをメチャでっかい外人にしたいっていうのがあって(笑)、バラードだけどすごいビートが入ってくる。あと、MIXしていただいたものは今のライブメンバーでやったもので、最近のライブがすごい良い分、その良さの要素もパッケージできたなと思いますね。

― 今回、再レコーディングされた『何千何万何億の君への想い』にも、その要素を求められたんじゃないでしょうか?

圭:そうですね。作った2013年って1番大変なときだったんですけど、それから5年で2人がどういう風に成長したかが、1番よく分かる曲っていうのはありますね。ちょっと前だと、音楽性的にもだいぶ違うし絶対やってないと思いますけど(笑)、やっぱり2人になってだいぶ変わったんで。結果論なんですけど、今のスタイルでやっても変な感じがしないし、テーマとして冬に出るっていうことと『YOU』がラブソングだっていうことには合いますしね。

― [ BAROQUE TOUR 2018「FALLING FOR // YOU」]のファイナルに届けられるので大いに楽しみにしていただきつつも、来年への期待が膨らむばかりなのですが。
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圭:期待しててください(笑)。まぁ、今年2本の全国ツアーやったことで手応えもあって、それ以上に見えたものあるから、来年はいろんなバンドと一緒にやれたらと思います。いろんな人に観てもらいたいし、観て貰える準備がやっとできたのかなと思ってます。

― それは自分たちに自信があるからこそですね。他のバンドと一緒となると、例えば世界観の違いやそれに派生するオーディエンスの混ざり合いがないなど、億劫になる要素が多いですけど、今のBAROQUEにはそれがないと。

圭:2人になってから時間が掛かりましたけど、やっとファンとの絆ができてきた気がするんです。今までの俺たちって、本当にいろんなことがあって、好き勝手に自分たちがやりたいことだけで突き進んだ時期もあるし、いろいろ脱退問題とか心配かけたこともある。それでも、納得いかないことはやらないっていうスタンスで2人でやってて、初めてファンが求めてることと、俺たちがやりたいことが一致してる気がするんですよ。例えば前作の『AN ETERNITY』の世界観をすごい理解してくれてるけど、昔だったら「何これ?」って感じもあったはずなんです。

― それは言い過ぎですよね(笑)。

圭:けっこう攻めてる曲なので、昔だったら(笑)。特に今は、自分たちの本質的な曲を書いてて、それを本当に求めて来てくれてるんだっていうのが、ツアーを2本周ってみて思いましたね。どうしても、どこかで一方通行になってることがあったと思うんですけど、ファンと自分たちでBAROQUEっていうのがやっとできてきたと思っているので、ファンと一緒に対バンをしたいと思いますね。

怜:俺もステージに上がってて本当に感じますね。ファンとの境界線がないというか。自然に強くなった絆だからこそだと思いますし、自然にそうやって迎えられたらと思いますね。

― 2人になったからこそ、2人の絆が強固であることがファンにも伝わっているんでしょうね。

圭:そうですね。結成し直したに近い状態から、唯一無二のものを作りたいと思って、それを自分たちが表現できるようになるのに3年ぐらい掛かってですね。そこに辿り着くまでに、いろんな人と会って勉強して、本当にすごいミュージシャンの方とやらせてもらって。そういうものを全部吸収して、今の編成が1番ベストになりました。やっとバンドのグルーヴ感もでてきたし、『YOU』もそうですけどこれから出るアルバムの曲たちは表現できなかったと思います。今回の2曲で今までと1番違うのは、ドラムのエディットをしていないことなんです。だからこそ、単調なリズムだけど躍動するし、エディットしてキレイにしてしまうと、それが消されてしまうんですよね。もし2年前にレコーディングをしていたらこうなっていなかったし、グルーヴを知らないままの状態だったと思います。

― エディットすると、そこに宿る魂みたいなものも途切れてしまうのかもしれないですし、多少のズレをはるかに超えるグルーヴを得ることが、BAROQUEにとって必要なものだったんですね。

圭:そう。それ以上のものが今できるから、こうやって曲をパッケージしていかないといけなかったんだなと気づきました。ただ単に言えば欠けてるだけのかもしれないけど、次のアルバムには必要だったんだなと思いますし、時間は掛かりましたけどミュージシャンとしての成長に必要なことでしたね。

― さっきのU2の話じゃないですけど、『YOU』のようにBAROQUEの代表曲を担うであろうシングルの発売と、[ BAROQUE TOUR 2018「FALLING FOR // YOU」]のツアー・ファイナルが同日であることは、やはり期待しかありません。

怜:何度も言うんですけど、本当いい流れで30何本のツアーを周れて、バンドもすごい成長してるし、気持ち的にも良い状態なんです。ファイナルだからって変えるわけじゃないですけど、この日にできることをフルでやろうと思ってます。ステージにあがって「今日はどんな景色になるかな、こういうムードでギターが喋ってるわ、こういう音色で会話をするんだ」とかを楽しんでるから、その一瞬一瞬をみんなと共有したいですね。

圭:怜が言った通り、同じ日がないしファイナルはすごい大事な日なんですけど、その日の空気に従って、なんとなくやろうかなと(笑)。今回の『YOU』『何千何万何億の君への想い』って、割とクリスマスシーズンでラブソング縛りみたいな感じだけど、もちろん今のBAROQUEはそれだけじゃないから。前回の『AN ETERNITY』と『FLOWER OF ROMANCE』とも全然違うし、もっとエグいような面もあれば、もっとマニアックでサイケデリックな面もあるし、そういうのも全部これから作品としても出していくと思うんですけど、それを感じられるライブを楽しみにして欲しいですね。


text Atsushi Tsuji(辻 敦志) @classic0330

『YOU』

2018/12/25 Release

一般流通盤


[DISC 1:CD]
1: YOU
2: YOU [Instrumental Ver.]
[DISC 2 : DVD]
何千何万何億の君への想い 2018 –MUSIC CLIP–
初回限定盤|PGSK-018/019 (CD+DVD) ¥1,800+税 ※紙ジャケット仕様


1: YOU
2: 何千何万何億の君への想い 2018
3: YOU [Instrumental Ver.]
通常盤|PGSK-020 (CD) ¥1,200+税

【会場・通販限定盤】 <数量限定> ※特殊パッケージ仕様


[DISC 1:CD]
1: YOU
2: 何千何万何億の君への想い 2018
3: YOU [Acoustic Ver.]
4: YOU [Instrumental Ver.]
5: 何千何万何億の君への想い 2018 [Instrumental Ver.]
6: AN ETERNITY [LIVE]
7: FLOWER OF ROMANCE [LIVE]
*Live Take at 仙台darwin on September 14, 2018
8: PLAY [LIVE]
9: G I R L [LIVE]
10: BLACK BANE [LIVE]
11: キズナ [LIVE Acoustic Ver.]
*Live Take at ディファ有明on December 25, 2017
[DISC 2 : DVD]
1: 何千何万何億の君への想い 2018 -MUSIC CLIP-
2: BONUS FOOTAGE
【会場・通販限定特典内容】
[DISC 1:CD]
├ Acoustic Ver.
└ ライブ音源全6曲
[DISC 2:DVD]
└ BONUS FOOTAGE
【会場・通販限定盤特典】
ポストカード
PGSK-021/022 (CD+DVD) ¥5,000

BAROQUE TOUR 2018

FALLING FOR // YOU
12月23日(日/祝) 名古屋ReNY limited
OPEN 16:30 / START 17:00 info. SUNDAY FOLK PROMOTION 052-320-9100
12月25日(木) 渋谷ストリームホール
OPEN 18:15 / START 19:00 info. NEXTROAD 03-5114-7444(平日14:00~18:00)
◎チケット発売中
・イープラス http://eplus.jp/baroque18/
・チケットぴあhttp://w.pia.jp/t/baroque-tour18s/
・ローソンチケット http://l-tike.com/baroque-tour18s/

BAROQUE – FLOWER OF ROMANCE (Full ver.)
BAROQUE – AN ETERNITY (Full ver.)
BAROQUE – GIRL from LIVE Blu-ray & DVD ALL OF THE LOVE, ALL OF THE DREAM
BAROQUE – NEW ALBUM 『PLANETARY SECRET』 Trailer