のんとも。M(のん/大友良英/Sachiko M)が横浜でレコ発記念ライブを開催

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そして本アルバム収録のいちばんの問題作(?!)に。メンバー全員が口ひげをつけ、大友は『ビッグバンドで録音した曲ですが、今日は4人。演るのに勇気がいる曲です』と紹介されたのは、ハナ肇とクレージーキャッツが1963年に発表した怪曲「ハッスルホイ」。のんが両腕両脚を左右に動かしながら「ハッスル、ハッスル、ハッスルホイ」と歌うと『ジャンジャカ・ジャーン!!』と大友が合いの手をいれる。足りない楽器は口で賄う仰天のエア・ビッグバンド仕様。『ガッハッハッ!』と豪快に笑い飛ばすのんは平均(たいらひとし=植木等)そのもの。コメント欄には『元気が出た!/愉快愉快!/令和の無責任女!』と爆笑&絶賛のコメントが次々に寄せられる。最後はのんの『お呼びでない?これまた失礼しました!』で締め、稀代のコメディエンヌぶりを発揮した。
続いての「ひなげしの花」はアグネス・チャンの1972年11月発表のデビュー曲。クレージーキャッツの「ハッスルホイ」にこの曲はいずれものんの選曲。平成生まれの彼女から、どうしてこんな選曲が出てくるのか実に不思議。

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ここまでは新アルバム「ショーがはじまるョ!」の収録順に演奏されてきたが、続いてはTHE BLUE HEARTSの「キスしてほしい」。公開中ののん主演映画「私をくいとめて」とマルコメ糀甘酒のコラボ企画“恋愛発酵学会”のCM曲だ。原曲と違いスロウテンポのアレンジでしっとりと歌うと『染みるわ~/声が甘く発酵してる~』とコメントが配信画面に寄せられる。

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ライブもいよいよ終盤に差し掛かると、メンバー全員がサンタクロースの帽子を被って”Happy Birthday”を演奏。この日はSachiko Mの誕生日。クリスマス・ケーキもステージに持ち込まれ『誕生日に働いてみるもんだ~』とSachiko Mもこのサプライズに感無量。この流れで次はのんが2019年12月に配信したオリジナルの「クリスマス・ソング」に。お月さまのオブジェに腰掛け、黒のアコースティック・ギターを弾きながらクリスマス・ムードたっぷりに歌う。

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続いての「いつでも君は」は昭和時代の歌謡曲のようなタイトルだが、のんが本アルバムに向けて書いた新曲。大友のバンジョーとのんのアコギで奏でられるサウンドは70年代のフォーク!時折、大友の吹く口笛も入り、なんとも滋味深い曲。のんの歌うさまはフォーク・シンガーのよう。あの頃のフォーク曲はみんなで一緒に歌う曲が多かった。そんな雰囲気を見事に現代に蘇らせたのが「さなえちゃん」。フォーク・デュオの古井戸が1972年に発表した楽曲で、のんとも縁深い仲井戸麗市が書いた曲。ボーカルはのん、大友、Sachiko Mと歌い継ぎ、最後はみんなで歌う。ステージは70年代にタイムスリップしたようなムードに包まれる。
のんから『最後にふさわしい希望に満ちた曲です!聴いてください!と紹介されたのは本日のラスト・ナンバー「明日があるさ」。坂本九が1963年12月に放ったニッポンのスタンダード・ナンバー。コロナ禍の中のモヤモヤした空気を吹き飛ばす、まさに明日への希望に満ち溢れた楽曲で大団円。画面の向こうで、みんな一緒に歌ってるさまが目に浮かぶ。すべての演奏が終わると『やりきりましたね!ありがとうございます!』とのんも大興奮。

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