あいみょん 2020.12.13 AIMYON TOUR 2020“ミート・ミート”@さいたまスーパーアリーナ

11月30日にメジャーデビュー4周年を迎えられたことへの感謝を伝えつつ、「大きい会場でやればやるほど、過去の自分のことをめちゃめちゃ考えるんです。あの頃があったから今があるって、ほんまに思いたくて」と語って披露されたのは、当時住んでいた日当たりの悪い部屋で悩みながら書いた曲だという「風のささやき」。弾き語りから始まって、途中でバンドが入ってくるドラマチックな展開が感動を呼ぶと、今年のあいみょんを象徴する一曲になった「裸の心」へ。アコギを置いて、マイクスタンドをギュッと握りしめながら、情感たっぷりに歌われるメロディーが実に素晴らしい。部屋で一人過ごすことが多かった2020年、この曲に救われた人がどれほどいただろうか。

あいみょん

ステージに一人残ったあいみょんが弾き語りで「憧れてきたんだ」と「from 四階の角部屋」を歌った後は、バンドメンバーを紹介して、アコースティックセットを披露。後ろで手を組んで歌うあいみょんの姿がキュートな「ポプリの葉」も、タブラやボコーダーを用いた音の遊びと、火花を全面に映し出した映像が印象的な「二人だけの国」も、ギターを増やし、パーカッションを加えた今回の編成ならではの演奏だったと言える。

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イントロでスライドギターをフィーチャーした「チカ」からはファンキーな曲調を続け、「朝陽」と「愛を伝えたいだとか」で場内の温度がさらに高まると、「マリーゴールド」ではサビでオーディエンスが一斉に手を振り、演奏が終わるとともに大きな拍手が巻き起こった。さらに、この日限りのスペシャルメンバーとして、ホーン隊の3人を迎え入れると、ソウル/AOR色の強い新曲「スーパーガール」を初披露。「真夏の夜の匂いがする」でもそのままホーン隊が残り、華やかな特別バージョンで演奏された。

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「マシマロ」からの終盤戦ではさらにもう一段階ギアを上げて、バンド全体が熱のこもったパフォーマンスで盛り上げると、「夢追いベンガル」ではあいみょんが広いステージの両端を駆け回り、場内の熱気が最高潮に達したところで、「君はロックを聴かない」が届けられる。きっと誰もが心の中で一緒に歌い、会場に一体感が生まれる中、〈また会いに来てね〉という歌詞の「漂白」がしっとり歌われると、ここまでの満足感とライブがもう少しで終わってしまうという寂しさが同時に去来して、何とも言えない心地になった。

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