「AIMYON 弾き語り TOUR 2021“傷と悪魔と恋をした!”」追加公演をメジャーデビュー記念日となる11月30日(火) に日本武道館公演にて開催!11月24日(水)にリリースした新曲「ハート」の初披露も含め全17曲を披露

11月30日、あいみょんが現在行われている弾き語りツアーの追加公演として、『AIMYON弾き語りTOUR 2021~傷と悪魔と恋をした♡ in 武道館~』を開催した。あいみょんが日本武道館で弾き語りのワンマンライブを行うのは2019年2月以来2度目。この日はちょうどメジャーデビュー5周年の日にあたり、メモリアルな一日を大勢のファンが祝福した。

ツアーグッズの黄色いフリースを着たオーディエンスが目立つ場内が暗転し、あいみょんがステージに登場すると、一曲目に披露されたのは今回のツアーのために書き下ろされた新曲“傷と悪魔と恋をした!”。ピンスポットのみで、ぼんやりと浮かぶあいみょんの姿を会場全体が見守ると、今年CMソングとしても話題を呼んだ“青春と青春と青春”からはステージが明るくなり、場内から自然とクラップが起こる。“ポプリの葉”では繊細なスリーフィンガーとメランコリックなメロディーでグッと引き込み、「弾き語り」と一言で言っても、歌の表情は実に多彩だ。

MCでは場内が明るくなり、声が出せない代わりにスケッチブックなどにメッセージを書いたオーディエンスとコミュニケーションを取りながらのアットホームな雰囲気の中、「次の曲は2年前の武道館で一番最初に歌った曲」という紹介から、“マリーゴールド”を披露。サビでは手を振るオーディエンスも見え、思い思いに楽しんでいることが伝わってくる。ピンク色のムーディーな照明で歌った“スーパーガール”と、それに続く“朝陽”は原曲のファンキーなアレンジとの違いが面白い。“朝陽”は言葉数の多い曲だが、アコギ一本でも軽快なフロウでグルーヴを生み出すあいみょんのシンガーとしての力量が改めて伝わってくる。

「ここから数曲はゆったり聴けるセットリストになってるので、彼氏の肩にちょこんとしてもいいし、ゆっくり聴いてもらえればと思います」と話して、まずはじめに披露されたのは“裸の心”。普段はピアノとともに歌われる曲だが、原曲よりもゆったりとしたタイム感で、情感たっぷりに届けられたこの曲はやはり絶品だ。切々と歌われる“恋をしたから”に続いては、リリースされたばかりのニューシングル“ハート”を歌唱。“裸の心”、“恋をしたから”と同様に、恋をしたときの胸の高鳴りとせつなさを表現する、実にあいみょんらしい一曲であり、フェイクを交えながら歌い切ると、場内は大きな拍手に包まれた。

続くMCでは広いステージの両端を行き来しながらオーディエンスとやりとりをして、この「距離の近さ」もやはりあいみょんのライブの魅力。そして、メジャーデビュー5周年に触れ、「音楽を続けるのはいくらでも、ひとりでも続けられるんですけど、こうやってみんなが目の前にいてくれて歌い続ける、ということを続けることが難しいと私は思っているから、みんなの前に立って歌ってこれた5年間はすごい幸せやなと思います。みんなのおかげで日々楽しいです」と感謝を伝えると、「これから歌う2曲は私が18歳くらいのときに作って、路上ライブで必死に歌ってた曲」と話し、インディーズ時代に発表した“夜行バス”と“19歳になりたくない”を披露。アップテンポの“夜行バス”では自然とクラップが起こり、大人になることの揺らぎを歌った“19歳になりたくない”ではシリアスな表情を見せる。

太陽の塔への憧れを歌うトーキングブルース調の“TOWER OF THE SUN”ではブルースハープを吹き、複数のピンスポットがタワーのような形を作り上げた演出も非常に印象的。一転、“生きていたんだよな”は場内が暗転したままで歌われ、死生観を綴った歌詞の内容と、切実な歌声が胸に刺さる。地元・関西での弾き語り時代の曲から、メジャーデビュー曲へと至るこのパートは、まさにあいみょんの上京物語だ。

「次の曲はメジャーデビューしてからの5年間で一番どうしていいかわからなくて、一番ガムシャラだったときに作った曲。でもそんな曲を今年リリースできて、こうやって武道館で歌えるのが嬉しいし、一つひとつ夢が叶ってるんやなって感じます。みんなのおかげです。ホンマにこの5年間ありがとうございました」と改めて感謝を伝え、大きな拍手が起こる中、「引退するみたいやな(笑)。まだまだやりまっせ」と付け加えると、音楽への愛を綴った“愛を知るまでは”を堂々と歌い上げる。さらに「みんなのリズム感と手拍子が必要」と伝えて披露された“今夜このまま”では、オーディエンスがBメロで一斉にクラップをして、会場中が一体に。<歩こう 進もう 今は 涙とは サラバ>とスリーフィンガーでしっとり歌う“サラバ”は、様々な悲しみを洗い流すかのような名演だった。

「シンガーソングライター・あいみょんをこの場でみんなに見ていただけて、すごく嬉しくて、楽しくて、幸せでした。最後の曲はみんな立ってもらえませんか?」と告げると、「最後の曲はいつかまたみんなと大声で歌いたいと思ってる曲です!」と生声で伝えて、この日最後に届けられたのは“君はロックを聴かない”。明るくなった会場中がクラップに包まれ、サビでは手が振られ、アウトロではあいみょんがステージ前方でアコギを思いっ切りかき鳴らし、記念すべき一夜を締め括った。

テキスト:金子厚武
撮影:鈴木友莉

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