コゴナダ監督作『アフター・ヤン』が10月21日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ他にて全国公開、このたび業田良家、今日マチ子、カタユキコが『アフター・ヤン』のために、本作をイメージして描き下ろしたイラストと各界より届いた応援コメントを公開します。
イラストを描き下ろしたのは3人。一人目は、本作の設定に親和性を感じる、心を持ったかのように見えるロボットたちを描いた「機械仕掛けの愛」や是枝裕和監督によって映画化された「空気人形」の原作者である漫画家・業田良家。二人目は、透明感のあるカラー作品が広く知られ、最近ではコロナ禍の世界を切り取った作品『Distance』『Essential』が話題を呼んだ漫画家・今日マチ子。そして、三人目はヴィンテージのような色合いや特徴的なモチーフが醸し出すアーティスティックな雰囲気が目を引くイラストレーター・カタユキコ。各々が持つ独自の世界観が落とし込まれた贅沢なイラストが完成した。
また、応援コメントはイラスト寄稿をした3人に加え、藤井道人、溝口力丸、成田悠輔、こがけんと、個性豊かに各界を賑わせている面々から到着。映画監督、SF雑誌編集長、研究者、芸人、そして漫画家とイラストレーター、それぞれの視点から本作の魅力を語ってもらった。
✱コメント一覧(※五十音順・敬称略)
カタユキコ(イラストレーター)
AIも、クローンも、人間も、同じ家族になれる。
たとえ血のつながりの無い者同士でも、シンクロしながら踊る姿はまぎれもない家族だ。
未来の家族の在り方は今よりずっと自由で、やさしかった。
私もファミリーダンスバトル、参加してみたいな。
今日マチ子(漫画家)
文化を継承するとはなんだろう。人の形であっても人ではないヤンの孤独を感じる
と同時に、彼の見てきた「残しておくべき豊かさ」に心打たれた。
業田良家(漫画家 「機械仕掛けの愛」)
ロボットであれ人間であれ、出来事が「記憶」になると、すべてが輝いて切ないものになる。
この映画を観るという出来事も、「記憶」となってあなたを癒し続けるでしょう。
こがけん(芸人)
クローンやアンドロイド(テクノ)のいる世界で、愛する者を〝失う〟意味は変容する。
ヤンの不在に始まるこの映画は、まるで一滴の雫が波紋を広げていくように、家族を、人間を、生きるとは何かを、静かに深く揺さぶり続ける。
例えば、あの日の木々、廊下に差す光、ふり向きざまの笑顔…。
一瞬の中に存在する永遠に、やさしく胸を締め付けられる作品。
成田悠輔(研究者)
ディストピアでもユートピアでもない。この未来は懐かしく、はかなく、ちょっとぬるい。食卓に置かれたお茶のように。終わりが無でも、私たちは大丈夫だ。
藤井道人(映画監督)
無がなければ有も存在し得ない。
家族とは何か、人間とは何か。
優しく静謐な世界の中で、喪失と向き合っていく登場人物の姿に胸を打たれた。
溝口力丸(「SFマガジン」編集長)
人間とは異なる存在が、人生の深みを思い出させてくれる。疲れたときに訪れたい、穏やかな庭園のようなヒューマンドラマ。古い家族像に縛られずに新たな愛の形を探る人々の姿や、人種とアイデンティティについての真摯な思弁。これぞ2020年代のSF映画という味わいでした。
アフター・ヤン
監督・脚本・編集:コゴナダ
原作:アレクサンダー・ワインスタイン「Saying Goodbye to Yang」(短編小説集「Children of the New World」所収)
撮影監督:ベンジャミン・ローブ 美術デザイン:アレクサンドラ・シャラー 衣装デザイン:アージュン・バーシン
音楽:Aska Matsumiya オリジナル・テーマ:坂本龍一 フィーチャリング・ソング:「グライド」Performed by Mitski, Written by 小林武史
出演:コリン・ファレル、ジョディ・ターナー=スミス、ジャスティン・H・ミン、マレア・エマ・チャンドラウィジャヤ、ヘイリー・ルー・リチャードソン
2021年|アメリカ|英語|カラー|ビスタサイズ|5.1ch|96分|原題:After Yang|字幕翻訳:稲田嵯裕里|映倫:G一般
配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ © 2021 Future Autumn LLC. All rights reserved.
公式サイト:https://www.after-yang.jp 公式Twitter(キノフィルムズ・アートハウス部):https://twitter.com/kino_arthouse