寺岡呼人 インタビュー

4年振りとなるオリジナル・アルバム「Baton」は”自分の「今」を切り取る”と話す、寺岡呼人のリアルがここにある。全11曲からなるバラエティ溢れる本作は、メロディー・サウンドは然り、ジャンルレスに広がる”寺岡呼人ワールド”がある。素直な言葉で紡がれ歌われた詞は、聴いた全ての人の心に伝わっていく。それは紛れも無く、この”目に見えないバトン”を受け取ったからなのだろうー

“この楽曲が中核を担うな”という感覚はありましたね。

ー前作「独立猿人」から4年振りとなりましたが、その4年の間にJUN SKY WALKER(S) 再結成、ソロデビュー20周年、そしてライヴ・プロデュース活動と精力的な活動が続いていましたよね。

寺岡呼人(以下、寺岡):そうですね。ソロ作品としては4年振りですけど、ライヴについてもバンド・弾き語りと休むことなく続けていましたし、気が付いたら4年経ったという方が合っていますね。

ー本作「Baton」にも繋がる”生きてる”ということが、現在の活動にも反映されていましたよね。

寺岡:自分の中ではその瞬間・瞬間に、やりたいと思ったことを実行してきたと思うんですよ。考えて失敗や成功を探るよりも、実行して実感することが「ロック」だと思うし。「Golden Circle」もその活動の1つですね。

ーアルバムタイトルでもある「バトン」は、昨年のライヴイベント「Golden Circle Vol,18」で初披露されましたが、このタイミングからアルバムの方向性は見えていたのでしょうか?

寺岡:イベントのときに作った「バトン」と「ご贔屓に」は、どっちが先に出来たかはちょっと定かではないんですけど(笑)楽曲が完成したときもそうでしたし、実際に披露したときも”この楽曲が中核を担うな”という感覚はありましたね。

ー実際にアルバム制作に入られたのはいつ頃からですか?

寺岡:今年に入ってからですね。ここ(STUDIO CRY BABY)でレコーディングをしたんですけど、楽曲提供頂いた(佐藤)竹善さんにも実際に来て頂きましたし。実は「バトン」がアルバムの中核であるのは間違いないんですけど、ライヴを続けている中で”こういう曲が欲しいよね”という欲求から生まれた楽曲が収められているという側面もあるんです。

ー「BLOOD,SWEAT& LOVE」は正しくそうですよね。

寺岡:これはアルバムタイトルの候補だったんです。「Baton」がタイトルになりましたが、このままなくしたくなくて、楽曲となりツアータイトルにもなりました。

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