寺岡呼人 インタビュー

次の何かを提供することがミュージシャンとしての僕の役目

ーソロとしても21年目を迎えられていますが、ここまで続けられた理由はどこにあると思いますか?

寺岡:色んな要素があると思いますけど、とにかく明るくしていた気がしますね。もちろん仕事がない時期もありましたし、挫けそうになるときもありましたけど、その都度辛い表情をしたり、引き篭ったりしても何にもならないでしょ?それよりもなるべく人と会っていましたし、坂本龍馬じゃないですけど同志を集めてみたいなことは得意な方なので(笑)そうやって、「Golden Circle」も出来たと思いますし。

ー「類は友を呼ぶ」の様な?

寺岡:間違いなくそういう活動してきたと思います。あとは、音楽業界では才能だけではどうにもならないことがあるんです。僕より才能がある人は本当にたくさんいますし、才能があっても何かのきっかけで音楽を続けられなくなった人もいます。「実力が3割、運が7割」だと思っていて、その”7割の運”でここまでやってこられたと思っているんです。その運を掴む為には、引き篭っていたら掴めないですし、辛い表情だとね(笑)

ー確かに(笑)「Golden Circle」が続いていく理由もここにあるのでしょうか?

寺岡:僕がアマチュアだったら、例えばユーミンやCHABOさんと共演させて頂けるだけで満足すると思うんですよね。神様みたいな人たちとの共演を何度もDVDで観返すだろうし(笑)でも、ミュージシャンである以上、そういったミュージシャンの方に恩返しをすべきだと思っています。過去に浸るよりは、次の何かを提供することがミュージシャンとしての僕の役目だと思っていますし、そういうハブになりたいと思います。

ーありがとうございます。11月からは「Baton」を引っ提げたツアーが始まります。生でバトンを受け取れる場所にもなりますし、待ち遠しい限りですが今回は「バンド編」と「弾き語り編」が用意されているんですね。

寺岡:はい。まずはなるべく多くの場所を周りたいということがあって。特に新曲とこれまでの曲が始めて交じり合うタイミングでもあるので、僕もすごく楽しみにしています。

ー弾き語り編では、本作の新曲たちも披露されるのでしょうか?

寺岡:もちろんです。よく「アコースティックの方が伝わりやすい」と言われますけど、僕はどれだけシンプルな構成だとしても、楽曲が良くないと伝わらないと思っているんです。今回の新曲は、本当に自信のある楽曲を収めていますので、弾き語り編でも是非楽しんでもらえたらと思います。


取材:2014.09.19
インタビュー・テキスト:Atsushi Tsuji(辻 敦志) @classic0330

 

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