『モーリタニアン 黒塗りの記録』が10月29日よりTOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開することが決定、本編内の差し入れに関するシーンを収めた特別映像と場面写真を解禁した。
一台のバスがグアンタナモ湾を走る。バスの中では軍人が「グアンタナモ基地へようこそ。ここは米国の司法の管轄外です」と言って、特殊な場所だけに基地内や収容所の細かなルールを告げた後、「差し入れを買うならここでどうぞ」と観光バスのガイドさんが人気のお土産屋を紹介するような口調でいうと、バスも止まる。
止まったんバスの窓に映るあの世界的に有名なファストフードチェーンのマスコットに似ている“彼”。ピエロの格好をして涙を流していない点はまったく同じ。彼を見つめるナンシー弁護士とテリー弁護士(シャイリーン・ウッドリー)。やがて購入したナンシー一行を乗せたバスはついにグアンタナモ基地内の収容所に入っていくーー。
そのファストフードチェーンは本当にグアンタナモ基地内にある。別枠で記した通りキューバでありながら基地はアメリカ領なので、国内店という扱い。しかし現地の人が買いたくても簡単に入れるところではない。当たり前だが購入者は基地の関係者のみ。
テリー弁護士がこのファストフードチェーンの紙袋を渡しながら、「差し入れよ。ハラールフードはこれだけ」とモハメドゥ氏に渡すシーン。そう「キューバスペシャル」とか「グアンタナモサンド」(勝手に想像)といった特別なものではない。あの店のあのフィッシュバーガー。これを聞くと身近に感じる人も多いはず。権利関係の問題で劇中ではファストフードチェーンの名前は出てこない。そのため解禁された場面写真の中のフィッシュバーガーを入れた紙袋にあのロゴは入っていない。
モハメドゥ氏にこの件をたずねると「映画では初回になっていたけど実際には、ナンシーは面会のたびに、色々と差し入れをしてくれていた。フィッシュバーガーも何度かあって食べたよ!」と答えてくれた。何回か食べたということは、おそらく好きなほうであろう。
モハメドゥ氏にとってグアンタナモでの長い拘禁期間の中で、この差し入れは限られた楽しみの一つだったに違いない。
店名は劇中には出せなかったが、本作の監督名は言える。そうケビン・マクドナルド! タラッタッタッター♪
モーリタニアン 黒塗りの記録
監督:ケヴィン・マクドナルド『ラストキング・オブ・スコットランド』 『消されたヘッドライン』
出演:ジョディ・フォスター、ベネディクト・カンバ―バッチ、タハール・ラヒム、シャイリーン・ウッドリー、ザッカリー・リーヴァイ
原作:モハメドゥ・ウルド・スラヒ「モーリタニアン 黒塗りの記録」(河出文庫)
2021年/アメリカ/英語/129分/ドルビーデジタル/カラー/スコープ/5.1ch/原題:THE MAURITANIAN/G/字幕翻訳:櫻田美樹
配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ © 2020 EROS INTERNATIONAL, PLC. ALL RIGHTS RESERVED.
公式Twitter(@kuronuri_kiroku):https://twitter.com/kuronuri_kiroku