鬼才デヴィッド・クローネンバーグの遺伝子を完璧に受け継いだ息子ブランドン・クローネンバーグ。
『アンチヴァイラル』から8年ぶりに発表した長編第二作となる本作では、他人の意識と肉体を乗っ取りミッションを遂行する暗殺者の女性と、乗っ取られた側の男の攻防を描く。
この度、解禁された本予告編では、「この映画の本質に気づかなかった人は幸福な人だ。」という不穏で挑発的なテロップに続き、「全世界が言葉を失った戦慄のSFノワール」と映し出されて幕を開ける。
続けて、暗殺者のタシャがある黒人女性を乗っ取り男性を喉元をめった刺しにするという衝撃的なシーンの一部が映し出される。イタリアン・ホラーの巨匠ダリオ・アルジェント監督の『オペラ座/血の喝采』の技術面を参考にしたという鮮血の描写は本編でたっぷりと楽しみ頂きたい。
タシャには、幼い息子と別れたパートナーの男性がおり、暗殺者である自分の正体を二人に隠している。そんなタシャに、ジェニファー・ジェイソン・リー演じる上司ガーダーは、「次は大型契約よ」と告げる。次なる標的は巨大企業のCEOであり、その令嬢の婿コリン・テイトに入り込み、暗殺を行うという筋書きのようだ。
続くシーンでは、他人の潜在意識と肉体を<POSSESS/所有>する過程を可視化したスタイリッシュかつ刺激的な描写が挟み込まれる。その後、テイトに乗り移って暗殺を遂行しようとするタシャだったが、他人の脳から脱出する為には、その脳を破壊しなければならない。口の中に銃を突っ込み、引き金を引こうとするタシャだったが、どうしても撃つことができない。
テイトの脳から抜け出せなくなったタシャは、その異常事態に慄き「私に何をした 私じゃない」と呟く。同じ肉体の中で激しくぶつかり合うタシャとテイトの攻防が、眩い光の点滅、流動する人体の輪郭と、フィジカルな特殊効果により達成された独自の美しさによって描かれていく。
誰が真の
この映画の本質に気づいた時には、もう大変!『ポゼッサー』期待してお待ち頂きたい!
ポゼッサー
監督・脚本:ブランドン・クローネンバーグ
撮影:カリム・ハッセン 編集:マシュー・ハンナム
美術:ケント・マッキンタイヤー 衣装:アライン・ ギルモア
視覚・効果:ダン・マーティン 音楽:ジム・ウィリアムズ
出演:アンドレア・ライズボロー、クリストファー・アボット、ジェニファー・ジェイソン・リー、ショーン・ビーン、ガブリエル・グラハム、ロッシフ・サザーランド
2020 年/英語/カナダ・イギリス合作/103 分/1:1.78
原題:POSSESSOR ©2019,RHOMBUS POSSESSOR INC,/ROOK FILMS POSSESSOR LTD. All Rights Reserved.
◇公式サイト:possessor2022.com
★サンダンス映画祭 2020 ワールドプレミアム最優秀監督賞
★シッチェス・カタロニア国際映画祭 最優秀作品賞&最優秀監督賞