『FEAST-狂宴-』ブリランテ・メンドーサ監督オフィシャルインタビュー&メイキング写真解禁

FEAST-狂宴-

フィリピン映画界の鬼才ブリランテ・メンドーサ監督最新作『FEAST -狂宴-』が、3月1日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開、ブリランテ・メンドーサ監督のオフィシャルインタビューとメイキング写真を解禁。

この度解禁されたメイキング写真では、メンドーサ監督が交通事故の被害者に血糊を塗る姿や、撮影中のキャストたちの様子が切り取られている。

ブリランテ・メンドーサ監督オフィシャルインタビュー

FEAST-狂宴-

Qあなたが主人公の立場だったらどうしますか?
本作はいくらか行ったインタビューに基づいているのですが、実際フィリピンではこのようなことがそれなりに頻繁に起きるんです。怖いというのは本能ですよね。留まるべきか、逃げるべきか当然迷うはずです。私が主人公だったら、すぐに助けを呼ぶでしょうね。劇中においては、このような状況で本人はどうしていいかわからず、父親の本能として普通は守ろうとするだろうとリサーチを参考に考えました。

Q父親が金持ちであること、特権階級であることは、父親の行動を左右したと思いますか?
地位よりも、父であることによる本能によって、行動が起こされたのだと考えています。愛する人を守ろうとする本能は、とても父親らしいものです。息子は海外に行く予定があり、妻と別居している。父親として自分の人生を、そんな息子に捧げる。そうすることで息子を守り、逃亡者になったり刑務所に入ったりしないようにしたかったのです。

Q宗教を信じますか?
私は無宗教ですが、スピリチュアルな人間です。フィリピンは東南アジアで唯一のカトリックの国で、80%以上のフィリピン人がカトリック教徒で、とても信心深い。私たちにはこのような伝統があり、聖週間には多くの人々が伝道を実践します。映画の中で描かれていることは全く非日常的ではありません。カトリック教徒ではない人にとっては、 これは何なんだ、なぜ彼らは自分を傷つけるんだ というような疑問を持つかもしれません。でも、これはフィリピンではごく普通の光景なんです。文化や伝統、食べ物だけでなく、制度としての家族、一族のようなものを守り、一緒にいる必要があるという考えを映画に取り入れようとしました。宗教も、私たちの国において非常に重要な要素なのです。フィリピン人の人間性、信念、生き方を世界の他の地域にも見せられたらいいと思ったんです。また、宗教的であることと、実際の生活で実践していることとが対照的であるという皮肉でもあります。

Q映画に登場する2人の母親のキャラクターについて教えてください。
冒頭、加害者の母親の最初の反応は、罪を隠そうと、消し去ろうとします。彼女はとても保護的で、家族に何か悪いことが起こってほしくないのです。それは本能でもあります。もう一人、被害者の母親は貧しいので金銭に解決を見出します。これも本能だと思います。私がやろうとしているのは、宗教的であることと正しいこと、家族を愛することと守ること、これらが対立することの皮肉をいっぺんに表現することです。この映画の登場人物は皆、家族に関して、守るべきもの、優先すべきものを持っています。例えば、父親は、息子を守りたいという本能がある。母親も同様ですが、同時に、正義を貫くという本能も持っている。これらの相互作用を、人物描写や演出よって明るみに出すというのが私の意図です。

Q物語の中で重要な役割を果たしている食べ物についてはどうですか?
お気付きかどうかわかりませんが、フィリピンの中でもこの映画で描かれている地域は違う言葉を話します。パンパンガ州は、食の中心地と言われています。私はそこの出身なんです。私たちはおいしい料理、エキゾチックな料理を作るんですが、それはスペイン人がフィリピンに定住したときに伝わったんです。スペイン人が料理の作り方を教え、地元の人たちはその教えを地元の食材と融合させようとしました。だから、とてもおいしいんです。自分のことだけを考えるのではなく、、他者にも手を差し伸べて問題に対処していくことのメタファーとして、この映画に食のエッセンスを取り入れようとしました。

Qキャスティングについて教えてください。
今までの作品と比べると、今回のキャストはフィリピンでとても有名な俳優ばかりです。父親役のリト・ラピッドは現在上院議員です。上院議員になるまでは、とても有名なアクションスターでした。ココ・マーティンは、『キナタイ -マニラ・アンダーグラウンド- 』、『サービス』、『マニラ・デイドリーム』で主役を演じてもらいました。彼はいまやフィリピンで最も人気のある俳優で、7年ほど続いたテレビシリーズやテレビ番組をこなしています。
ジャクリン・ホセは『ローサは密告された』でカンヌ国際映画祭主演女優賞を受賞し、私たちが初めて一緒に仕事をした『マニラ・デイドリーム』では母親役を演じてもらいました。ほとんどの作品はテレビで放映され、テレビではとても人気があります。被害者の妻役の女性もとても人気があります。

Q人気俳優と仕事をするのは簡単ですか?
とても難しい。私がココ・マーティンを発見した15~16年前は、外で撮影することができ、とても楽でしたよ。でも今は、ボディーガードやスケジュール表が必要だし、、野次馬達たちがいて、とても大変です。1マイル先の人たちも彼を知っていて、撮影があろうものなら人々が群がり、コントロールするのが難しくなります。特に私の映画作りではその場の感情を大事にしていて、リハーサルや過度な演出をしたくないので、色々なチャレンジがありました。

Qビジュアル面についても詳しく教えてください。
撮影に関して、この映画では土地の色、風景、伝統、文化、宗教、食べ物、つまり場所そのものを見せたかった。観客に、このコミュニティが実際にどのようなものかをイメージしてもらいたかった。川が流れ、新鮮な魚や食べ物が手に入り、お祭りも盛んなんです。人々は本当に食べ物が好きで、私たちが食べる食べ物や味などについては、地域のコミュニティの中で活発な意見交換が行われています。この映画では、そのすべてを取り入れようとしました。

FEAST-狂宴-

監督:ブリランテ・メンドーサ 脚本:アリアナ・マルティネス 撮影:ラップ・ラミレス 美術:ダンテ・メンドーサ 編集:イサベル・デノガ 音楽:ジェイク・アベラ
出演:ココ・マーティン、ジャクリン・ホセ、グラディス・レイエス、リト・ラピッド
2022年/香港/タガログ語、パンパンガ語/104分/シネスコ/原題:Apag(英題:FEAST)
後援:フィリピン政府観光省 配給・宣伝:百道浜ピクチャーズ https://www.m-pictures.net/feast/
© 2022 HONG KONG PICTURES HEAVEN CULTURE & MEDIA COMPANY LIMITED. All RIGHTS RESERVED.

関連NEWS

  1. クイーンの映画『ボヘミアン・ラプソディ』より俳優陣がクイーンになるまでを語った映像が公開

  2. 『アンテベラム』何かがおかしい本編映像を解禁

  3. ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人

    ジョニー・デップ最新作『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』公開記念トークショーつき上映の開催が決定

  4. YESTERDAY

    The Beatlesを知らない世界を描いた映画『YESTERDAY』、Ed Sheeranのライヴで迎えるクライマックス直前シーン

  5. 『ジョゼと虎と魚たち』予告編&場面写真を解禁

  6. モーリタニアン 黒塗りの記録

    『モーリタニアン 黒塗りの記録』面会心理バトル映像を解禁

  7. ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人

    ジョニー・デップ最新作『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』WEB限定ポスター解禁

  8. 青いカフタンの仕立て屋

    『青いカフタンの仕立て屋』世界が注目!マリヤム・トゥザニ監督インタビュー

  9. エッフェル塔~創造者の愛~

    『エッフェル塔~創造者の愛~』日本版予告映像&新規場面写真解禁

  10. Bohemian-Rhapsody

    映画『ボヘミアン・ラプソディ』、第76回ゴールデン・グローブ賞の作品賞を受賞

  11. ラ・メゾン 小説家と娼婦

    『ラ・メゾン 小説家と娼婦』、特別ポスター<R-18編>&エマがついに真相を暴かれる?本編特別映像を解禁

  12. ロックンロール・ハイスクール

    映画『ロックンロール・ハイスクール』の最新上映にあたって日本版予告編が公開

  13. パンケーキを毒見する

    菅政権の正体に迫ったドキュメンタリー映画『パンケーキを毒見する』、見どころを凝縮した特別映像を解禁

  14. ジェントルメン

    ガイ・リッチー監督最新作『ジェントルメン』、劇中内YouTube映像を解禁

  15. ドミノ

    ベン・アフレック×ロバート・ロドリゲス『ドミノ』想像は、必ず覆される。多重構造の世界観に圧倒される予告編を解禁

  1. Porter Robinson

    Porter Robinson、2025年2月に来日公演が決定

    2024.05.02

  2. QUEEN

    QUEEN + ADAM LAMBERT – THE RHAPSODY TOUR – 2024のグ…

    2024.05.02

  3. Robert Trujillo

    Robert Trujillo、Cliff BurtonとJason Newstedの違いについて語る

    2024.05.02

  4. Waxahatchee

    Waxahatchee、5曲を披露したスタジオ・ライヴ映像が公開

    2024.05.02

  5. シド・バレット

    『シド・バレット 独りぼっちの狂気』、著名人のコメントが公開

    2024.05.02

  6. St. Vincent

    St. Vincent、来たる新作より新曲「Big Time Nothing」が公開

    2024.05.02

  7. 『ジョン・レノン 失われた週末』和田唱(TRICERATOPS)&藤本国彦(…

    2024.05.02

  8. Paul McCartney & Wings

    Paul McCartney & Wings、ライヴ盤『One Hand Clapping』の日…

    2024.05.02

  9. フェラーリ

    マイケル・マン監督最新作『フェラーリ』場面写真&キャラクタービ…

    2024.05.02

  10. RISING SUN ROCK FESTIVAL

    RISING SUN ROCK FESTIVAL 2024 in EZO 第2弾出演アーティスト発表

    2024.05.02

  1. RISING SUN ROCK FESTIVAL

    RISING SUN ROCK FESTIVAL 2024 in EZO 第2弾出演アーティスト発表

    2024.05.02

  2. SUMMER SONIC 2024、第4弾追加アーティストを発表

    2024.05.01

  3. Talking Rock! FES

    Talking Rock! FES.2024、第2弾出演アーティスト9組を発表

    2024.04.27

  4. FUJI ROCK FESTIVAL

    FUJI ROCK FESTIVAL ’24、第5弾ラインナップを発表

    2024.04.26

  5. JOIN ALIVE

    JOIN ALIVE 2024、第二弾出演アーティスト&出演日割り発表

    2024.04.25

  6. 山人音楽祭

    山人音楽祭2024、第2弾出演アーティストにThe BONEZ、おとぼけビ〜…

    2024.04.18

  7. GREENROOM FESTIVAL

    GREENROOM FESTIVAL ’24、タイムテーブルを発表

    2024.04.16

  8. SUMMER SONIC 2024、第3弾追加アーティストを発表

    2024.04.10

  9. METROCK

    METROCK2024 全出演アーティスト発表、第7弾出演アーティストにNEWS…

    2024.04.05

  10. SiM主催フェス「DEAD POP FESTiVAL 2024」、出演アーティスト第二弾…

    2024.04.01