ジョン・レノンはソロ通算4作目のソロ・アルバム『マインド・ゲームス(ヌートピア宣言)』のアルティメイト・コレクションが7月12日にリリースされることが決定している。
『マインド・ゲームス(ヌートピア宣言)』のアルティメイト・コレクションは、デジタル、2CD、2LPから、6CDとブルーレイ2枚組のデラックス・ボックス・セットまで、さまざまなフォーマットで発売される。スーパー・デラックス・エディションで全世界で1,100セットのみの限定販売となる。
リリースの発表に合わせて“Mind Games”のエヴォリューション・ドキュメンタリーが公開されている。
エヴォリューション・ドキュメンタリーは、ユニークな曲毎のオーディオ・モンタージュで、デモ・テープの段階からマスター・レコーディングとして仕上がるまでの各曲の変遷を、デモ音源や、リハーサル音源、アウトテイク、マルチ・トラックでの作業や、スタジオでの会話などを通して詳細に紹介するものとなっている。
1973年10月29日にアメリカ、11月16日にイギリスでリリースされたジョン・レノンの4枚目のソロ・アルバム『マインド・ゲームス(ヌートピア宣言)』は、オノ・ヨーコのアルバム『空間の感触』に参加したミュージシャンたちと共に、ニューヨークのレコード・プラントでレコーディングされた。
『マインド・ゲームス(ヌートピア宣言)』の楽曲制作は、レコーディングと同じくらい短期間で行われ、ジョン・レノンはスタジオに入るわずか2週間前の1973年7月16日の週に一連の新曲を書き上げていたという。レコーディングは8月1日開始で5日に終了しており、8月6日~16日にオーヴァーダブが行なわれ、8月21日から9月18日にかけてミキシング、9月19日~21日にマスターテープが制作された。
このアルバムはジョン・レノンがセルフ・プロデュースし、オノ・ヨーコがプロデュースを手伝ったもので、フィル・スペクターが実権を握らなかった初めてのソロ・アルバムとなった。エンジニアはロイ・シカラとダン・バービエロで、セッションの終盤にアシスタントとしてスタジオ入りした若きジミー・アイオヴィンがスタジオ作業を手伝っている。
今回、オノ・ヨーコの完全な許諾を得て、この作品の制作とクリエイティヴ面を監修したショーン・レノンがプロデュースしたアルティメイト・コレクションは、グラミー賞を3度受賞したエンジニアのポール・ヒックス、ミキサー/エンジニアのサム・ギャノンとロブ・スティーヴンスなど、『イマジン』と『ジョンの魂』のアルティメイト・コレクションと同じ音響チームが携わっている。
オノ・ヨーコは次のように語っている。「ジョンが伝えたかったのは、私たちはみんな心理ゲーム(マインド・ゲーム)をしているということ。でも、もし私たちがマインド・ゲームをすることができるのなら、それでポジティブな未来を作ったらどうだろう――ポジティブなマインド・ゲームになるように。“Mind Games”は信じられないほど強い曲なの。当時は、この曲の時代が来る前だったから、人々はこのメッセージをよく理解できなかった。今なら皆が理解してくれるはず。当時は、自分たちがマインド・ゲームをしていることにも気づいていなかったと思うわ」
すべてのトラックは、15本のオリジナル2インチのマルチトラック・セッション・テープから、最新の192-24デジタル・トランスファーを使用して、一から完全にリミックスされている。アルティメイト・コレクションには、未発表のアウトテイクなどに加え、アーカイヴの1/4インチのオープンリール、カセットテープ、ビデオテープからの未発表音源が追加収録されている。