The Beatles、1964年の初渡米を追ったドキュメンタリーについてDavid Tedeschi監督が語る

The Beatles

ザ・ビートルズはマーティン・スコセッシがプロデューサーを務めたドキュメンタリー『ビートルズ ’64』の監督を務めたデヴィッド・テデスキが『NME』のインタヴューに応じている。

『ビートルズ ’64』はタイトルにもある1964年にザ・ビートルズがアメリカを訪問してカルチャーを変えた3週間の旅を追ったものとなっている。『ビートルズ ’64』は11月29日よりディズニープラスで配信される。『ビートルズ ’64』は新たなトレイラー映像も公開されている。



このドキュメンタリーはアルバート&デイヴィッド・メイズルズ兄弟によって1964年に撮影されたドキュメンタリー『ホワッツ・ハプニング! ザ・ビートルズ・イン・ザ・USA』の映像を4Kに修復したもので、ザ・ローリング・ストーンズの『シャイン・ア・ライト』、『ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』の編集を手掛けたデヴィッド・テデスキが監督を務めている。本作にはポール・マッカートニー、リンゴ・スター、ニューヨークに到着にしたザ・ビートルズを出迎えたファンの新たなインタヴューなども収録されている。

幅広い話題の中でデヴィッド・テデスキは1964年当時と現在の分断された世界の類似性、バンドの人間関係、マーティン・スコセッシとの仕事について語っている。また、前述のファンについて彼は「直感的な体験だったから、どう言葉にしていいか分からなかったんだ。だから、彼女たちは叫んでいたんだよ」と語っている。

――やあ、デヴィッド、なんで『ビートルズ ’64』の監督の依頼があったんだと思いますか?

「私はニューヨーカーで、マーティン・スコセッシもニューヨーカーです。本作はまさにニューヨークの物語なんですよね。ニューヨーク、ワシントン、マイアミ、でも、ニューヨークなんですよ。バンドはニューヨークで『エド・サリヴァン・ショウ』に出演しました。1964年はニューヨークにとっても鍵となる年です。私が映画を手掛けたわけですが、その多くは私を含めてほぼ精神的とも言える形でザ・ビートルズから莫大な影響を受けた人々をたくさん知っているからだと思います」

――いつ頃ザ・ビートルズの音楽は好きになったんですか?

「ザ・ビートルズで育ったから、ずっと好きでした。でも、『リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』の仕事をした時、現実的な影響がありました。1979年にニューヨークに移住して、1980年のあのひどい出来事も間近のことでした。ずっとジョンとポールが好きでした。ジョージの映画に携わった時に瞑想を始めたことは認めます(笑)。3年間にわたって彼の世界、彼の視点に没入したんです」

――映画の中にはニューヨーカーとリヴァプール人はユーモアのセンスと温度が似ているという興味深い話もありましたね。

「ニューヨークのマスコミは狼で、ロンドンから獲物が上陸するのを待っていました。ザ・ビートルズにこれ以上ない衝撃を受けたわけですが、彼らは喜んでいました。話を探していたんです。その雰囲気、ユーモア、生意気さを気に入ったんのです。そして、何より音楽です。不思議なことに“I Want To Hold Your Hand”が1位になったのは彼らがニューヨークに来る前の週でした。脚本みたいな話ですよね。ニューヨークに降り立つ前から、その成功は始まっていました。でも、あれは恋のようでした。不愉快なニューヨーカーたちとリヴァプール出身の4人の若者たち、すごく若い人物たちのね」

――あの若さなのに自己認識があり、直感に訴えかけるところは驚きましたか?

「リンゴ、ジョージ、ジョン、ポールの4人がそれぞれのやり方で、何が起こっているか、その瞬間にどうあるべきかに通じていたのには驚きました。リンゴとポールにインタヴューした時、見せかけのことはありませんでした。彼らはすごく本音でした」

――映画の中で彼らは驚くべきような形で報道陣にオープンに接しています。あれは無垢さでしょうか、それとも別のものでしょうか?

「無垢だとは思いません。彼らは惹かれ合ったんじゃないですか? 作られたバンドではないですし、ずっと一緒にいました。空港の記者会見でリンゴが質問に答える時、他の3人は面白がっています。ブライアン・エプスタインもです。彼はプロモーションが得意でした。JFK空港での記者会見の後、彼は行く先々で記者会見をするようアドバイスしたと聞いています」

――自然に演じているのか、それとも意識的に物語を形作るためにカメラの前で演じているのか、見分けがつかないですよね?

「ジョンとポールはメイズルズ兄弟との間に強い絆が生まれ、その後も連絡を取っていたようです。プラザ・ホテルのシーンでハーレムに行くけれど、カメラの前では何も喋りたくないという一幕があります。しかし、その1日後2日後にはカメラを忘れています。あるいは、あなたの言う通り、彼らはカメラに向かって演技をするのが得意で、物語が何であるかをよりよく理解しているのかもしれません。いずれにせよ彼らはパフォーマーですよね」

「でも、ジョンは深い洞察力のある人物だと思います。テレビ司会者のトム・スナイダーとのインタヴューで、部屋から部屋へと移動させられるんですが、ジョンが『待ってくれ。どうやってここに来たんだ?』と言うシーンがあるんですが、惹きつけられました。ポールはそれを『嵐の目』と言うんですが、ジョンは『ハリケーンの目』と言っていましたね」

――メイズルズ兄弟はどうやってこんな素晴らしい映像を撮ったのでしょうか?

「彼らは有名ではありませんでした。雇われた経緯も知りませんし、記録もありません。でも、目覚ましいものがあります。途轍もなくカリスマ性のある人、ザ・ビートルズといたわけですが、バンドは日に日に受け入れていって親密なものを築きました。でも、本当に素晴らしいのはストリートにいる若いファンたちで、映画でも彼ら自身が投影されています。メイズルズ兄弟のエネルギーには、人々が感情的な激しさをもってありのままの自分でいられるようにする何かがあったのだと思います」

――マーティン・スコセッシ監督との関係が、特に音楽映画においてうまくいっているのはなぜですか?

「彼と仕事をする前から彼の作品のことはよく知っていました。ザ・ビートルズのように、パイオニアの人たちというのは独自の言語を生み出すものだと思います。彼の言語というのは、彼の映画を観たり、彼のやっていることに興味を持つことで学んでいきました。ザ・ビートルズのフォトグラファーであるアストリッド・キルヒヘルは『リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』でザ・ビートルズについて『彼らには何かがあった』と言っていましたが、それってお互いに協力し合い、本当に大切に思っていたことを表すクールな表現だと思いました。同じように言うなら、私とマーティン・スコセッシにも何かがあったのでしょう」

――本作が無数のザ・ビートルズの映像作品とは違うところはどこですか?

「3週間しか扱わないというのは素晴らしいことでした。たった3週間です。最初は『なんてチャレンジなんだ!』と思いましたが、最終的には素晴らしく、メイズルズ兄弟の映像の臨場感もあって、その場にいるような感覚を味わえます。路上で叫んでいる観客や少年たち、そしてビートルズ本人たち、両側から何が起こっていたかを観ることができたのです」

――本作でインタヴューを受けたある人物はジョン・F・ケネディの暗殺によって揺れ動いた国にとってザ・ビートルズがいかに癒しとなったかを語っていました。一つのバンドが分裂の激しい世界でそのような影響を与えることは可能だと思いますか?

「ええ。それはこの映画の大きな一部です。スモーキー・ロビンソンが言っていた通り、音楽は共通の愛を与えてくれ、そこにはスピリチュアルな要素もあります。ザ・ビートルズの音楽のようなものは内側から私たちを癒やしてくれるのです。私にとっても、多くの人にとっても、音楽はとても美しいものですよね。それは人間性を取り戻させてくれるところがあると思います」

『ビートルズ ’64』は11月29日よりディズニープラスで配信される。

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