ブルース・スプリングスティーンは未発表曲“Repo Man”の音源が公開されている。
“Repo Man”は完全未発表フル・アルバム7作を収録したボックスセット『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』に収録される。6月27日に発売となる『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』には全83曲(82曲の未発表トラック+アルバム未収録ヴァージョン1曲)が収められ、「キャリアの年表に豊かな章を書き入れ、今まで知られていなかった側面や、ジャンルを超えた多才ぶりも魅せつける」ものになるという。
“Repo Man”の音源はこちらから。
“Repo Man”は7枚の未発表アルバムの中の1枚『サムウェア・ノース・オブ・ナッシュヴィル』に収録される楽曲で、1995年夏に『ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード』と同時期にレコーディングされていたという。ソロ・アコースティックで録音されたシリアスな『ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード』に対して、ホンキートンク、ロカビリー、アップテンポのカントリー・サウンドを探求したアルバムとなっている。
ブルース・スプリングスティーンは『サムウェア・ノース・オブ・ナッシュヴィル』について次のように語っている。「“Streets of Philadelphia”によって、俺は社会派的な、あるいは時事的な曲作りをするようになった。 そこから『ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード』が生まれたんだ。そして、『ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード』の曲を書いたのと同時に、ここに収録されているようなカントリー・ソングも書いた。これらのセッションはお互いに完全に重なっている」
「午後に“Repo Man”を歌い、夜は“The Line”を歌う。だから、この『サムウェア・ノース・オブ・ナッシュヴィル』は、『ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード』と並行して作られた。『ボーン・イン・ザ・U.S.A. 』と『ネブラスカ』の関係と似ている。あのときも1つのレコードを作るひとつのセッションだと思っていた。『サムウェア・ノース・オブ・ナッシュヴィル』は、『ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード』とで1枚のレコードだと思っていたんだ」
『サムウェア・ノース・オブ・ナッシュヴィル』にはEストリート・バンドのダニー・フェデリーシとゲアリー・タレント、ベテラン・セッション・ドラマーのゲイリー・マラバー、ペダル・スティール・ギター奏者としてマーティ・リフキン、ヴァイオリン奏者のスージー・タイレルなどが参加している。
ブルース・スプリングスティーンは未発表だった7作について次のように語っている。「『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』はそれぞれがフル・アルバムだ。中にはミキシングの段階までいっていたのにリリースされなかったものもある。もう何年も自分で聴いてきて、親しい友だちだけに聴かせていた音楽なんだ。ようやくみんなにも聴いてもらう機会ができて喜んでいる。楽しんでくれることを願っているよ」
7枚の内容は、『ネブラスカ』と『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』を繋ぐ重要なリンクとしてローファイ・サウンドを探求した『LAガレージ・セッションズ’83』、グラミー賞、アカデミー賞を受賞、ドラム・ループやシンセサイザーのサウンドに挑戦した『ストリーツ・オブ・フィラデルフィア・セッションズ』、未完の映画のサウンドトラック作品『フェイスレス』、ペダル・スティールを擁する小編成のカントリー・バンド編成の『サムウェア・ノース・オブ・ナッシュヴィル』、国境の物語を豊かに織りなす『イニョー』、オーケストラ主導の20世紀半ばのフィルム・ノワールを彷彿させる『トワイライト・アワーズ』、アリーナにおあつらえ向きなEストリート・テイスト満載の『パーフェクト・ワールド』となっている。
また、未発表ボックス・セットから選りすぐりの20曲を収録したハイライト盤『ロスト・アンド・ファウンド:セレクションズ・フロム・ザ・ロスト・アルバムズ』も1CD(日本盤は高品質BSCD2)、2LP(輸入盤のみ)で同じく6月27日に発売となる。