ブルース・スプリングスティーンはヨーロッパ・ツアーの初日となったマンチェスター公演より4曲のライヴ映像が公開されている。
ブルース・スプリングスティーンは5月14日にマンチェスターのコープ・ライヴで行ったライヴで三度にわたってドナルド・トランプ政権に苦言を呈しており、「腐敗して能力のない裏切りの」現政権に言及している。
この発言を受けてドナルド・トランプ大統領はブルース・スプリングスティーンを「干からびたプルーンのようなロッカー」と評して、「違法な選挙参加」について「大規模な調査を行うことを要求する」とも述べていた。
ブルース・スプリングスティーンはスピーチ部分の動画をいち早くYouTubeにアップしており、スピーチを含めて4曲が収録されたライヴEPをデジタルで緊急リリースしている。
今回、ブルース・スプリングスティーンはライヴEPに収録された4曲のライヴ映像をYouTubeで公開している。
公開された動画はこちらから。
ブルース・スプリングスティーンはスピーチの中で次のように語っている。。「マンチェスターに来られて、UKに戻ってこられて最高だよ。『ランド・オブ・ホープ・アンド・ドリームス』ツアーにようこそ。栄えあるEストリート・バンドが今夜ここに来たのは、危険な時代にアート、音楽、ロックンロールの正しい力を結集させるためなんだ」
「私の母国、愛するアメリカ、曲にしてきたアメリカは250年にわたって希望と自由の灯火だったが、今は腐敗して能力のない裏切りの政権の手中にある。今夜、アメリカという試みの最善の部分、民主主義を信じる人たち全員には、私たちと共に立ち上がり、独裁政治に声を上げ、自由の鐘を鳴らしてもらいたいんだ」
ブルース・スプリングスティーンは“My City of Ruins”の紹介時に次のように語っている。「アメリカでは最も裕福な男が世界で最も貧しい子どもたちを病気と死に追いやって満足感を得ている。そんなことになっている。私の国では誠意あるアメリカの労働者に苦痛を与えることでサディスティックな喜びを感じている。公正で多元的な社会をもたらした歴史的な公民権法を後退させようとしている。偉大な同盟国を見捨て、自由を求めて闘う人々に対して独裁者の味方をしている。イデオロギー的な要求に屈しないアメリカの大学への資金援助を打ち切ろうとしている。アメリカの路上から住民を排除して、法の正当な手続きなしに、彼らを外国の拘置所や刑務所に強制送還している。これが今起きていることだ」
「私たちに選出された議員の多数派は不適格な大統領と不正な政府の悪用からアメリカ国民を守ることができなかった。アメリカというものが深層で何を意味するのか、そのことをまったく考えていない。約50年にわたって自分が歌ってきたアメリカはリアルなものだし、こうした欠点にもかかわらず、素晴らしい人々による素晴らしい国家だ。だから、こうした瞬間も生き抜いていく。今は希望を抱いているんだ。それはアメリカの偉大な作家、ジェイムズ・ボールドウィンの言ったことは真実だと信じているからなんだけれど、彼はこう言ったんだ。『この世界には望むほどの思いやりはないが、十分にある』と。さあ祈ろう」
ブルース・スプリングスティーンに対するドナルド・トランプ大統領の反応を受けて、ニール・ヤング、エディ・ヴェダー、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロらはドナルド・トランプ大統領をさらに批判する声を上げている。