パルプのフロントマンであるジャーヴィス・コッカーは24年ぶりとなるアルバムをリリースした上でさらに新曲を作っていくかどうかについて語っている。
パルプは6月6日に2001年発表の『ウィ・ラヴ・ライフ』以来となる通算8作目の新作『モア』をリリースしている。ジェームス・フォードがプロデュースしたニュー・アルバムには“Spike Island”や“Got to Have Love”といったシングルが収録されている。
パルプは2013年にLCDサウンドシステムのジェームス・マーフィーがプロデュースした“After You”をリリースしており、その後、2023年にベーシストのスティーヴ・マッキーが亡くなっている。パルプは2024年にラフ・トレード・レコーズと契約している。
ジャーヴィス・コッカーは『NME』のインタヴューでまだまだ新しいアルバムを作るかどうかと訊かれて、「おそらくね」と答えている。
「今回のアルバムにはコンセプトをもうけたり、『これが最後のアルバムだ』とかって考えないようにしたんだ。昔はそういうことをいろいろ考えていた。アルバムのミックスをやって、完成した時、『今、死んでもいい。これでいいんだ』と思いたいというような、おかしなことを考えていた」
ジャーヴィス・コッカーは次のように続けている。「それって人生の考え方としてはひどいよね。今回のアルバムではそういうことは考えなかった。中のスリーヴに『これが自分たちにできる精一杯だ』と書かれているけど、人生のどの時点でも精一杯やっているんだよ」
ジャーヴィス・コッカーは次のアルバムが出るとしたら、今回ほどの間隔が空くことはないだろうとも語っている。
「できれば24年後ではなく、数年後に言いたいことがあればと思うよ」
インタヴューで新しいフルアルバムを作っていることに気づいた瞬間を尋ねられた際、ジャーヴィス・コッカーは次のように答えている。「頭の中ではアルバムを作ってもいいかもしれないと思っていたんだけど、それを言うことでみんなを怖がらせたくなかったんだ。ここ2枚のパルプのアルバムはすごく時間がかかったからね。主に自分の優柔不断さのせいだったんだけどね」
「アルバムを作るのに人生の2年間が失われることになるというストレスをみんなにかけたくなかったんだよ。だから、僕としても成長して、先に歌詞やなんかを書いて、全体のプロセスをスピードアップさせることにしたんだよ」
ジャーヴィス・コッカーは次のように続けている。「それはバンドの初期、レコード契約も何もなかった頃に戻った感じだった。このアルバムを作る理由は何もなかった。誰かに頼まれたわけでもない。でも、単に『いい曲があるのに、なんでレコーディングしないんだ?』と思ったんだよ」