マドンナは性的不品行を告発されたハーヴェイ・ワインスタインについて数十年前に仕事をした際に「一線や限度を超えていた」ことがあったと語っている。
映画会社ワインスタイン・カンパニーの創設者で、数十年にわたってハリウッドにおける大物プロデューサーの一人として映画業界に君臨していたハーヴェイ・ワインスタインは2017年に、アシュレイ・ジャッドやローズ・マッゴーワン、グウィネス・パルトロウら多くの女優から過去の性的不品行を告発され、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーから追放されるなど、様々な役職を解かれている。
ハーヴェイ・ワインスタインは2018年5月に性的暴行などの容疑でニューヨークで逮捕され、訴追されている。ハーヴェイ・ワインスタインは今年9月に裁判が行われる予定になっているほか、ロンドンやロサンゼルスの当局も彼についての捜査を行っている。
1991年発表のドキュメンタリー『イン・ベッド・ウィズ・マドンナ』や2011年に自身が監督を手掛けた映画『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』でハーヴェイ・ワインスタインと仕事をしたことで知られるマドンナは、今回『ニューヨーク・タイムズ』紙とのインタヴューでハーヴェイ・ワインスタインをめぐる一連のスキャンダルに言及して、彼についてのよからぬ噂には「気づいていた」と明かしている。
「ハーヴェイは一線や限度を超えていたわ。すごく性的な素振りを見せていたし、一緒に仕事をしていた時に私を誘ってきた。当時、彼は既婚者だったし、私は彼にまったく興味がなかったけどね」とマドンナは『ニューヨーク・タイムズ』紙に語っている。
「業界にいる私の知っている他の女性たちにも彼が同じことをしていたのには気づいていたわ。当時はみんな、『ハーヴェイはあんなことをしているけど、彼はとても権力を持っていて、成功を収めているし、映画もとても順調で誰もが一緒に仕事をしたいと思う人なんだから、我慢しないとダメよ』っていうことを言っていた。そういう状況だったの」
ハーヴェイ・ワインスタインとの具体的なエピソードには言及していないマドンナだが、「#MeToo」運動のような社会的な運動が起こることになるとは思わなかったとして、彼が告発されることになったのには「とても驚いた」と語っている。
「あれが起こった時は『ついに』っていうことを思ったわ」とマドンナは続けている。「いかだに乗って応援するようなことはしなかったけどね。誰かの失墜を応援するようなことはしたくないの。いいカルマとは思わないからね。だけど、自分の権力を振りかざしていた人が告発されて、責任が問われるというのはいいことよ」
マドンナは6月14日に通算14作目となるニュー・アルバム『マダムX』をリリースすることが決定している。