BOMI インタビューvol.23

1年7ヶ月ぶりに2ndアルバム『BORN IN THE U.S.A.』をリリースするBŌMI。シングルライクな楽曲たちは、これまでの彼女が充分に詰め込まれた作品となっていて、それは新たな始まりを告げる作品と言っても過言ではない。リリースに際し、これまでのBŌMIさんの軌跡を全4回に渡りお送りします。
PART.4は「BORN IN THE U.S.A.」について。

今回のアルバム「BORN IN THE U.S.A.」についてですけど、実際にアメリカで生まれたこともそうだし、タイトルにした理由を教えて欲しいです。

BŌMI:コンセプトがお葬式なんですけど、タイトルに「お葬式」って何か違うし(笑)だから逆ってことですね。ざっくり言うと”BORN IN THE U.S.A.—DIED IN JAPAN”ってことですよ。

なるほどね。Bruce Springsteenじゃなくね(笑)注目したいのがジャケットなんだけど、これまでのジャケットって、どう見たってポップで明るい朝や昼だけど、今回は完全に夜ですよね。でも、それはまた朝を迎える為に、必要な時間でもあるというか。

BŌMI:今回に関しては、曲を作るときは夜に書いてたことが多かったのがあります。あとは”カワイイ”って言われるより、”カッコイイ”って言われるものを作りたい欲求もありました。今まではどうしても前者の位置にいたと思うし、言われればそれに応えないといけないって思ってたところもあります。でも後者の方は、自分のプラスでしかない気がしていて。これは写真家の方がおっしゃってたことですけど、「カッコイイ写真を撮りたいって言ったとしても、顔が整ってて、可愛らしい顔の人は可愛い風に撮られるし、可愛い写真を選んじゃう」って。だから私はそうじゃないものをジャケットにしたかったですね。

可愛いことよりも大切なことを優先したとも言えるよね。

BŌMI:目が大きく写ってるとか(笑)よりも、ちゃんと伝えたいことや表情があるものを選びましたね。

楽曲についても解説いただきたいんですけど、まず「〜Stairway to Heaven〜 」というダイアローグのアイディアは?

BŌMI:スタッフさんと話してたときに「曲の方向がバラバラだよね」って話になって、だったらもっと違う要素を入れてバラバラを1つにまとめる方が面白いよねってなって、「スネークマンショー」を勧められて。実際に聴いたら確かに面白かったんですけど、私流にするにはどうしたらいいか困って(笑)

ー強い楽曲が多いですね

(笑)やったことないですもんね。

BŌMI:そう。で、たまたまラジオ番組を作ってるディレクターが知り合いにいて、自分たちなりにやってみたのが、深夜ラジオみたいなノリになりました(笑)

「天使くん」との話は即興っぽいですよね?

BŌMI:普段の私が出てると思います。一方的に仕掛けてくるのを素直に答えていたらこうなりました(笑)自分でディレクションしてしまったら、主観的になり過ぎるし、面白くないと思ったんです。お任せしてみた結果が酔っ払いぽくて良かったですね。

予測不能のストーリーが、曲間にあることでまとまりも出たし。

BŌMI:良い意味で軽さも出ました。全てが結果論なんですけど、バラバラだった曲たちも意味を成しているようになったし。

曲順とこの曲間のストーリーが見事にハマりましたよね。多分、楽曲自体もシングルライクな曲たちだからだと思うんですけど。

BŌMI:そうなんですよ!「シングルを作ろう」ってモードで制作してましたし。そう考えると、アルバムのバランスって難しいですね。私はアルバムが素晴らしいアーティストが好きなんですけど、そういうアルバムを作るには大事じゃないですか?制作していたタイミングが、「次のリード曲をどうしよう?」って時期だったから、強い楽曲が多いですね。

前作の流れを断ち切るかのような”カッコよさ”を持った楽曲でもありますし。

BŌMI:やっぱり、音楽を表現していくってことと同時に、自分も歳を重ねていくから、そういう変化は必然的だった気がします。

サウンド面についても変化があったのかな?

BŌMI:前のバンドっぽい感じを引き継いで制作に入って、シンセ・ポップがやりたかったから打ち込みも入れたり。あと、La Rouxを良く聴いてたからトラックがカッコ良くて、音数が少なくて、声の抜けが良くてっていうのがヒントにもなったりして、サウンド面は良い意味で、作ったタイミングが違う分、バラバラになりますね。

津野米咲(赤い公園)さんからの楽曲提供や、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)さんの参加なども新たな取り組みになったでしょうし。

BŌMI:そうですね。普段から仲良い人に参加してもらうっていうのは新鮮でしたね。wtf!?にアレンジを含めお任せしていたのを、もう1度私が舵取りできるように戦って(笑)、2人で出来る最高のパフォーマンスが作品になっていると思います。

イニシアチブを取ったのが大きいですよね。それこそリリースタイミング含めて。

BŌMI:今までと大きな違いが、どこにあるかというとそこだと思います。最近思うんですけど、録ったタイミングがリリースというのは、青い考えだったなって。ただ作品にとって、1番良い形で伝わるのが本望なのだとしたら、今回はそう出来ましたけど、それを中々コントロール出来ない状況でもあるから難しいですけどね。

自分の作品ではあるけれど、ある意味俯瞰的に見れるようにもなったんじゃないかな?

BŌMI:それはあると思います。前だと録って出しての繰り返しだったのが、期間をおいて楽曲のリリースに対してじっくり練れたりもしたし。

ー新しい私を開く

3月にはリリースイベントもありますけど、久しぶりのイベントですよね?

BŌMI:うん、久しぶりです。リリース期間が空いてしまったっていうのは、世の中的にはもう1度ゼロから作り上げるくらいの感覚だと思うので、新たな始まりを迎えるようなイベントにしたいと思いますね。ライブでは、その最高形をみせたいですし、次の展開が予感出来るような演出も盛り込みたいですね。

イベント自体でいえば、自主イベントを何度も開催されてきましたけど、今年も予定されてますか?

BŌMI:1年に1回はやりたいんですけど、イベント自体も多様化しちゃってて、私がオーガナイズする意味が年々薄れて来ているのもあるんですよね(笑)インディー・ポップやインディー・ロックって横の繋がりがあんまりないからやってたけど、盛り上がってきてるから別のところに動機を探さないといけないですね。折角、可愛いステッカーとかロゴを作ったからやりたいですけど(笑)

それは是非、今年の開催を期待しつつ、音楽以外の活動も広げられていくんですか?

BŌMI:そうですね、表現することに救われてる部分があるから、音楽だけに限定せずに文章だったりお芝居だったりトライしていくのは、新しい私を開けることになると思ってます。アンテナを張って生きてるとは思うので(笑)それを表現に落とし込めたらって思いますね。

その為の今年、最後に目標を教えてください。

BŌMI:ライブでいうと、今までフェスに出たことがないんですよ。だからフェスで演出や照明も込みで、良いライブをしたいのと、ワンマンライブもしたいです。音源に関してはそういうフェスとかで通してやれる、6曲くらいの楽曲を作りたいですね。


取材:2014.12.18
インタビュー・テキスト:Atsushi Tsuji(辻 敦志) @classic0330
photo by Hiromi Morimoto

リリース

 

さよならミゼラブル

iTunes限定配信リリース

2nd Album
BORN IN THE U.S.A.『BORN IN THE U.S.A.』

特設サイト
http://bomibomi.com/special/album_2nd/

2015年1月21日リリース BNCL-047 ¥2,160(税込)

ライヴ

「BŌMI アルバムリリースイベント」

日時:2015年3月18日(水)東京:渋谷WWW
日時:2015年3月19日(木)大阪:FanJ twice

アーティスト情報

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