BOMI インタビューvol.23

1年7ヶ月ぶりに2ndアルバム『BORN IN THE U.S.A.』をリリースするBŌMI。シングルライクな楽曲たちは、これまでの彼女が充分に詰め込まれた作品となっていて、それは新たな始まりを告げる作品と言っても過言ではない。リリースに際し、これまでのBŌMIさんの軌跡を全4回に渡りお送りします。
PART.2は「Gyao!Gyappy!!Gyapping!!!」〜「メニー・ア・マール」まで。

 

「Gyao!Gyappy!!Gyapping!!!」は、これまで好きだったものが反映されたの?

BŌMI:いや、それまでのものを全部捨てました。一緒に作ってる人と出会ったときに、知ってることで表現するんじゃなくて、知らないことで表現してみようって。当時の私と真逆にいる人とやるのが、おもしろいと思ったから。

それがエレクトロで、どこかサイケの要素もあって、ロックの匂いもするっていう。

BŌMI:インディー・ロックやインディー・ポップと呼ばれるものが、まだ日本で持てはやさせる時代ではなかったけど、感覚的にカッコイイって思ったし、私の良いところは声だと思ってるから、それと化学反応が起こせる幅広い楽曲が揃いました。

リリックもポップですよね。

BŌMI:そうですね。私はどっちかにしか出来なくて、振り切っちゃうんです。このときはトコトン言葉遊びに徹してましたね。根が真面目だから、それを出さないことに必死だったかも(笑)

素と乖離しても良い?

BŌMI:うん。ライブのときなんて、テキーラをショットで飲んでからライブしてました(笑)

(笑)「OH MY POOKY!!!」はその延長線上にある作品と考えて良いんですか?

BŌMI:「Gyao!Gyappy!!Gyapping!!!」はお試し感があったから、もっと可愛くてポップで、ちょっと変わったものを作りたいって視点で生まれたものです。

ー今が良くなかったら、次なんてないじゃん!

実際にサウンドとしても、まとまりがありますよね。

BŌMI:過去の作品で言えば、「OH MY POOKY!!!」が1番好きなアルバムですね。「iYo-Yo」はメジャーデビューの1曲にしたいと言われてたんですけど、私があまりにも人間不信過ぎて、「曲を取っておくなんて出来ない!」って言って収録したんです。「今が良くなかったら、次なんてないじゃん!」って。

ある意味、正しい気がするけど(笑)納得したものを作品として出したい、その裏返しだったんでしょうね。リリース毎に作られるPVも、表現する1つの術として完成度が高いですよね。

BŌMI:私、調子に乗ると良い感じになるというか(笑)「マネキンと踊って」って言われて、最初は「えっ!」ってなるけど、2,3回やると乗れるし、楽しくなりますね。

そして、「キーゼルバッファ」でメジャー・デビューとなるけど、意識の中で変化はあったのかな?

BŌMI:まず、気持ちは浮つきますよね。何かが大きく変わるかもしれないって思うし。あとは関わる人が一気に増えたので、どう密にコミュニケーションすれば良いかっていう、難しさがありましたね。

「OH MY POOKY!!!」のときは人間不信だったけど、そこは必然的に解消しないといけないよね。

BŌMI:少人数の方が、身の丈に合ってるというのが実際のところなんですけど、私の為に多くの人が動いてくれているということが、まずありがたかったですね。だから、舵取りをどうすべきかっていうところで悩んでいたかも知れないですね。

自分の意識よりも、環境の変化の方が大きかったんですね。楽曲についても触れたいんですけど、リードの「キューティクル・ガール」は?

BŌMI:自分の中にいる、自分を応援してくれる人がいいなと思って作ったんです。だからPVも、ユルヒーローみたいなイメージで作りました。

「Someday」は唯一のバラードで、これまでにないアプローチでしたよね?

BŌMI:私は根がアッパーじゃないから、少しづつその要素を入れたくなったタイミングなんです。「オオカミと少女」もイノセントな感じの曲ですけど、ポツンとある淋しさの先にある暖かさを表現したくて。

盛り上がる曲は好きだけど、そうじゃない要素も自分にはあることを表現したんですね。

BŌMI:変な話、それまでの曲って歌が上手く聴こえたらダメだなって思ってたんです。実際、歌を聴かせるというより、音楽を聴かせるような曲だったし。でも、ちゃんと歌いたいって思ったのが「Someday」になったんです。

ー想像力を失ったら、この世界は超つまらない

そう伺うと、「メニー・ア・マール」は初のフル・アルバムとなりますが、より自然な作品だと言えますよね?

BŌMI:楽曲自体はギターロックが軸になってます。その時点での名刺代わりになったらって想いもあったし、「想像力を失ったら、この世界は超つまらないな」って思ってて、コンセプトとしてそれを想起させる作品にしたくて作りましたね。

名刺代わりにする上で、コンセプトに合致する楽曲を厳選していった?

BŌMI:ミニ・アルバムから2曲づつと、新録が6曲っていう組み立てだったから、半分の楽曲が決まっていたことで、全体像が見えやすかったんです。アルバム通して聴くときに、そこに必要な楽曲を足していく作業だったから、イメージもしやすかったし。

実際の楽曲を聴くと、色んな表情の声もあって、これは楽曲にインスパイアされて辿り着いたんですか?

BŌMI:私の声は特徴的だから、どうしても自分節は出ちゃうんです。その中でも、可愛らしく歌う曲やノリのまま歌い上げる曲がありますね。今までって、最後まで幸せな曲ってなかったんですけど、「薄目のプリンセス」は、最後まで幸せな曲なんですね。それを可愛く歌い過ぎて、後に「私はこれでいいのか?」って気持ちになりました(笑)

(笑)恋する歌だからいいじゃないですか?

BŌMI:でも、さすがに今はここまで歌えない(笑)

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