ARABAKI ROCK FEST.15 菅 真良インタビュー

繋がりを大事にしたい

—2012年には、元通り春の開催となり、鰰ステージでの”音楽ジャンル統一”という、新しい試みがありました。

まず、ザ・キングトーンズに出てもらいたいというがありました。所謂”和製ソウル”を打ち出したいというきっかけも、やはり「New Orleans Jazz & Heritage Festival」からです。わかりやすいステージ配分になっていて、ブルース・レゲエ・パンク・オールドロック・ソウル・ゴスペル、あとはヘビーメタルもありましたし(笑)。要はそういう音楽を目的にしている人が、そのステージに行ったら堪能できるようになっていたんです。

—それを1つのステージで演出してみたかったと?

はい。ただ、ステージ間の集客バランスを見る必要があるので、中々難しい試みではありましたね。

—また、「ARABAKI RADIO SHOW」は、その中でも面白い試みの1つでしたね。

あれは、取りまとめるのがすごく難しい企画でした。お客さんのリクエストと、実際に歌うアーティストとの気持ちに開きが出てしまう場面もありましたし。

—例えば「リンダリンダ」を歌って欲しいリクエストがあっても、アーティストは「I was Born to love you」が歌いたいみたいな?

曽我部さんの「リンダリンダ」は、たまたまハマりましたけど(笑)。お客さんとアーティストの仲介として、主催側でのキャッチボールを何度もしましたね。あとは、楽曲自体の雰囲気と言いますか、”静かな曲が続かないように”とかのバランスですね。

—確かにそのバランスは重要ですね。しかしある意味、オーディエンスがここまでステージングに参加すること自体、前例がない稀なことだったと思いますし、やはり「ARABAKI ROCK FEST.」ならではだと言えます。

そうだと思います。いつまで勉強してるんだと言われそうですけど(笑)、あれもすごく勉強になって、次の機会では更に良いものが作り上げられると思います。

—オールラジオリクエストによるショーケースが、更にパワー・アップして開催されることを期待します!そして2013年には、「東北ライブハウス大作戦」のステージや、MONGOL800主催のフェスティバル「What a Wonderful World!!」とのコラボステージが生まれました。

“繋がりを大事にしたい”というが大前提にあります。その前のことに対しての恩恵や、その後に対しての連動性は、「ARABAKI ROCK FEST.」として、こういった形で表せるものだと思っていたので。失礼な言い方になってしまうかもしれないですけど、「東北ライブハウス大作戦」と一緒にやったのは、単純に東北じゃない方が企画をして、東北に新しい出来事を起こそうとしていることに対して、具体的な感謝や応援がしたかったことです。「What a Wonderful World!!」との企画は、震災の年に沖縄でMONGOL800が主催したチャリティーコンサートがあったんです。そのコンサートは、初めて音楽業界でチャリティ義援金活動をしたんですけど、あんまりそのことをみんなが知らなくて。そういうことを言葉で「ARABAKI ROCK FEST.」として表現するよりも、ライブとして感謝を示す方が「ARABAKI ROCK FEST.」らしいと思ったんです。

—確かに、先ほど仰られた”繋がり”をステージで表現するというのは、「ARABAKI ROCK FEST.」だからこそですね。そういった思想やステージ作りの結果として、2014年は完売となる嬉しい結果もありました。

売り切れるということ自体は、注目いただいた・参加したいと思っていただいた結果なので、ありがたいことだと思います。ただ一方で、行きたいと思ったときに行けるフェスティバルであるべきだとも思うんです。収支等を考慮しなければ、当日までお客さんが来れるようなものがベストだ思うんですけど(笑)。

—加えて安全面や交通インフラ等も考慮しなければいけないので、現実的に来場制限を掛けないということは難しいですよね。

はい、現在の歩道がキャパシティーに対して太くないので、現実的に難しいところですね。やり方は見つかる気もするので、来てるお客さんで「こういう道があるよ」って教えてくれたら嬉しいですね(笑)。これまでも物事が動いたりするのに、多くは発言することで生まれたりしてきましたから。

—「ARABAKI ROCK FEST.」はお客さんの声がちゃんと届いて、更に反映されるフェスティバルでもありますしね。

そうですね。要は、ちょっと頼りなかった部分があるんだと思いますが(笑)。都度親身になって、色んな方々からアドバイスをいただけることはありがたいですね。

まだ町のイベントになっていない

—そして今年は15周年という節目を迎えましたが、改めてこの経過をどのように捉えていらっしゃいますか?

色々やってきて、人との出会いや別れもあった中で15年を迎えられました。自分たちへの戒めでもありますけど、人生で例えたらまだ中学生ですし、まだ若いんだということを常に思っています。5年目・10年目と、今の景色が違ったように、20年目・30年目の景色は、今と違うんだろうなと思っていますね。

—その中でも、こういった周年には、参加される全ての方が記念的な捉え方をされるでしょうし、実際のラインナップもそう連想されられますね。

「New Orleans Jazz & Heritage Festival」の出会いをくれた花田裕之さんの「流れ -花笠 ARABAKI SPECIAL-」、うつみようこさんの「うつみようこ GO! GO! 50バンド」、加藤さんの「THE COLLECTORS SUPER TRIBUTE -愛ある世界- produced by 山中さわお」等は、その周年と繋がっています。去年は、「若手へのフューチャーを大事にしたい」と思っていたんですけど、それは来年でいいかと(笑)。15年経って、今年は支えてくれた先輩たちの周年を押し出すことをやろうと思いました。

—アニバーサリー企画は、本当に見逃せない内容ですね。「ARABAKI ROCK FEST.」のこれからについても触れたいのですが、これまでもそうだったように、今後東北の中で、そして日本、または音楽シーンに、どういった寄与ができれば考えていらっしゃいますか?

まず、ずっと続いていって欲しいです。おそらく今出来ていないことは、まだ町のイベントになっていないことなんです。川崎町の町民の方全員は、「ARABAKI ROCK FEST.」の全てを知らないだろうし、それは大きな土地を借り切っているからでもあると思ってます。それが町のイベントとして、町民の方が主体となってやれる日が「New Orleans Jazz & Heritage Festival」で観た景色になるでしょうし、続けていくことこそが、川崎町・東北・音楽への寄与に繋がっていくと考えていますね。

—続けていくということ自体、とても簡単なことではないですし、地域の方・参加される方の協力があってこそ成り立ち、続けていけるのだと思います。今日は、15年間の歴史と共に、多くの想いを伺わせていただきましたが、最後に「ARABAKI ROCK FEST.」へ参加される方へのメッセージをいただけますでしょうか?

良くある「マナーを守って」というメッセージは、ありがたいことに言わずとも守っていただける方が多いので、毎年のように守っていただきたいのと、まだまだ今年のアーティストラインナップ以外にも出会いがあるだろうし、あって欲しいと思っていますので、そういうことを大事に・貪欲に楽しんで欲しいです。そして、良いアイディアがあったら教えてください(笑)。


取材:2015.03.09
インタビュー・テキスト:Atsushi Tsuji(辻 敦志) @classic0330
photo:Hiromi Morimoto

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ARABAKI ROCK FEST.15

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