記念すべき10回目の開催を迎えた、西川貴教主催フェス「イナズマロック フェス 2018」に15万人が熱狂

 1日目のトリは、西川とインディーズ時代から交流のあるバンドLUNA SEA。RYUICHI(Vo.)は「出演できて光栄です。10回を迎えたイベント、すごいと思います」と西川を賛辞。「イベントですが、LUNA SEAらしくいきたいと思います」と、昨年リリースの最新アルバム『LUV』から「Hold You Down」をプレイ。他にも「Dejavu」「ROSIER」「WISH」など、新旧織り交ぜたセットリストで客席を沸かせた。そして最後にRYUICHIが「主催者に登場していただきましょう」と西川をステージに呼び込み、LUNA SEA初期の代表的なナンバーである「PRECIOUS …」を共に熱唱した。長年の盟友が同じステージに立つという、記念すべき瞬間となった。

 23日、イベント2日目は朝から快晴、絶好のフェス日和にとなった。オープニングアクトはThinking Dogs。2014年のイナズマ連動型のオーディション「イナズマゲート 2014」で準グランプリを獲得、翌2015年にメジャーデビューを果たしたバンドだ。オーディションから4年、2015年の風神ステージを経て、メインステージのオープニングアクトをつとめるまでに成長した。「イナズマ、楽しんでますか。初めましての方も多いので、名前を覚えていただきたい」と、9月26日リリースの最新シングル「言えなかったこと」など4曲をプレイした。

 レインボーカラーのアフロヘアのウィッグをかぶった三日月大造 滋賀県知事が、毎年おなじみ「We love イナズマ! We love 琵琶湖!」と挨拶したあとは、トップバッターNICO Touches the Wallsのライブ。「本当は去年もここにいるはずだったんですが、嵐で今年にキャリーオーバーされてしまいました。今年は思い切りリベンジしましょう!」と会場を盛り上げる。今年7月リリースの『TWISTER -EP-』に収録されている「VIBRIO VULNIFICUS」など、全5曲で観客を惹きつけた。

 続いては“楽器を持たないパンクバンド”女性6人組、BiSH。フェスにも引っ張りだこ、自身でも今年5月に横浜アリーナでのワンマンライブを行ったばかりのグループだ。「DA DANCE!!」「beautifulさ」「BiSH-星が瞬く夜に-」など6曲を披露。ただの「かわいい女の子」とは一線を画す豊かな表情、全てのパワーをさらけ出したパフォーマンスで会場を盛り上げた。

 3年ぶりのイナズマ出演となった超特急は、T.M.Revolution「HOT LIMIT」の衣装をアレンジしたそれぞれのカラーのボディスーツを着て、同曲のイントロに乗って登場。のっけから客席を沸かせた。そして、イナズマ10周年という特別な瞬間に出演する喜びと共に、メンバーのタカシ(7号車)が誕生日であることを明かし、「西川さんからは(誕生日プレゼントに)全力のビンタをいただきました!」と嬉しそうに報告。さらに「イナズマのために作りました」とユーモアたっぷりに曲紹介して、「Believe×Believe(ビリビリ) 」を披露。ユニークな表情、キレのいいパフォーマンスで、全6曲をプレイした。

続いて登場した04 Limited Sazabysは、2014年の風神ステージ、2016年は雷神ステージのオープニングアクト、そして2017年は雷神ステージとステップアップしてきたバンド。「今年もイナズマのステージに立てること、光栄に思います」と挨拶したボーカルのGENは、音楽に興味を持ったきっかけが西川で、小学校一年生の時には「西川貴教になりたい」と思っていたエピソードを披露した。「swim」「My HERO」「Squall」などライブでおなじみのナンバーを中心に全8曲、熱いパワーでステージを駆け抜けた。

 Fear, and Loathing in Las Vegasは、2015年、2017年とこれまで2度、雷神ステージに出演している。今年は「Return to Zero」でスタート、「Let Me Hear」「Party Boys」など、ライブでの鉄板曲を盛り込んだ全6曲、全力のステージを見せた。またSo(Clean Vo/Prog)は「昨日の(コラボの)リハをしている時、西川さんがすごく優しくて大きさを感じた」と話した。また、彼ら自身も「MEGA VEGAS」と名付けたフェスを行っているだけにその大変さがわかるのだろう、これだけ大きなフェスを10年も続けている西川のことを改めて「すごい先輩」だと讃えた。

 続いて登場したのは、西川がボーカルをつとめるバンドabingdon boys school。2006年にデビュー、イナズマには初回から4年連続で出演したが、2012年以降は活動休止状態だった。そのa.b.s.の6年ぶりのライブとあって、客席からの大きな歓声に迎えられてのスタート。西川は「6年ぶりにイナズマに帰ってきたぞ!もし帰ってくるならこの場所しかないと思ってた」と叫び、バンドとしてのブランクを感じさせない圧巻のステージを見せた。ラストナンバーの「キミノウタ」では、西川が感極まると、それに気づいた客席から大きな手拍子が沸き起こる一幕もあった。イナズマ皆勤賞のMICRO(HOME MADE 家族)も加わった「LOST REASON」など全6曲をプレイ、客席からは惜しみない拍手がおくられた。

 2日目のトリをつとめたTHE ORAL CIGARETTESは、2013年フリーエリアのステージ(当時はまだ「風神ステージ」という名前がついていなかった)に出演、2016年に雷神ステージに初登場して以来、3年連続の出演となる。「イナズマはみんなで作っていくフェス。去年一昨年も悔しい思いをみんなと共有しました」「俺らみたいな若造をトリにしてくれた西川さんの懐の広さに感謝」と話し、「カンタンナコト」「DIP-BAP」「狂乱 Hey Kids!!」「Everything」など8曲をエネルギッシュにプレイした。アンコールでは「天気とか災害は逃れられないもの。辛い思いをした人がいるけれど、ずっと向き合っていかなくてはいけない。だからこそ”晴れたね、俺ら(雨に)勝ったね”って、最後に大好きなアニキと1曲やりたい」と、西川を呼び込んでの「Rel」で締めくくった。西川も「うちの大切な仲間に盛大な拍手を」と、次世代を担うTHE ORAL CIGARETTESにエールを送った。

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