R.E.M.は1996年発表の通算10作目のスタジオ・アルバム『ニュー・アドヴェンチャーズ・イン・ハイファイ』の25周年記念エディションが10月29日に世界同時リリースされることが決定している。
リリースに先駆けて、“Leave”のオルタネイト・バージョンがファースト・シングルとして公開されている。元々は映画『普通じゃない』のサウンドトラック用に録音されたシングルで、『ニュー・アドヴェンチャーズ・イン・ハイ・ファイ』には収録されているサイレンのないバージョンでマイケル・スタイプがヴォーカルを録り直しているものとなっている。
マイケル・スタイプはこのバージョンについて次のように語っている。「『ニュー・アドヴェンチャーズ~』に収録されているものよりも、このヴァージョンの方が好きかもしれない……いや、好きというよりも、歌詞の内容が違っているだけなんだけどね」
1996年9月にリリースされた『ニュー・アドヴェンチャーズ・イン・ハイ・ファイ』はドラマーであり、結成メンバーでもあるビル・ベリーとの最後のアルバムでもある。ビル・ベリーは翌年に円満にグループを脱退した。そして、このアルバムは『モンスター』のツアー中に曲作りとレコーディングを行っている。
ベーシストのマイク・ミルズはライナーノーツの中で次のように説明している。「私たちは、ツアー中のことを歌うのではなく、ツアー中のレコードを作りたかったのです。旅をしている感覚を、レコードの音や感触に表れるようにしたかったのです」
ピーター・バックはジャーナリストのマーク・ブラックウェルに次のように語っている。「『自分たちに挑戦しよう』という考えでした。それまではそんなことはほとんど考えていなかったのですが、この作品では私たちの現在の状況を正確に示すことができると思いました。このレコードは、その時点での私たちの姿を表現しようとしたものなのです」
ピーター・バックは次のように続けている。「ほとんどのレコードは、スタジオに入ってただひたすら演奏するだけ。何年か後になって思い出すのは、どこに泊まったかとか、曲やレコーディングのプロセスとか、漠然としたことばかりです。でも、今回はすべてを覚えています。それは経験でした。ものすごく大変だったけど、レコードを作った。今までやってきたことと同じくらいチャレンジングなことでした」
『ニュー・アドヴェンチャーズ・イン・ハイ・ファイ』の25周年記念エディション日本盤は、リマスターされたアルバム音源を収録したディスク1、B面トラックやレア・トラックを収録したディスク2から成るSHM-CD2枚組の初回限定盤でリリースされる。
日本ではさらにR.E.M.のデビュー40周年を記念し、『ニュー・アドヴェンチャーズ・イン・ハイ・ファイ』を含め、『グリーン』、『アウト・オブ・タイム』、『オートマチック・フォー・ザ・ピープル』、『モンスター』などスコット・リットとの共同プロデュース作品、全5作品を初めてハイレゾCDでリリースされる。さらにBBCに残された貴重音源のベスト盤SHM-CD2枚組『ベスト・オブ・R.EM.・アット・ザ・BBC』が同時リリースされる。
輸入盤ではBlu-ray付きのバージョンも発売され、プロモーションのために5都市のビルで上映された未発表の64分の屋外プロジェクション・フィルム、未発表の30分のEPK、5曲のミュージック・ビデオ、5.1chサラウンド・サウンドが収録される。