1984年に日本でも劇場公開され話題となったロバート・ヴィンセント・オニール監督『エンジェル』が38年ぶりに劇場公開決定!カリコレ🄬2022の「サタデー★夜コーマン」枠のひとつとして特別上映の後、9月9日(金)より新宿シネマカリテにて公開。
昼間は全科目Aの成績優秀な女子高生、夜は街角に立つ娼婦という二つの顔を持つ少女エンジェル。
ある日、娼婦を狙った変質者による連続殺人事件が発生、エンジェルの親しい仲間もその餌食となった。
一瞬犯人の姿を目撃したエンジェルは警察に協力するが、連続殺人鬼の魔の手がエンジェルに迫る・・・。
単に興味本位での設定ではなく、必死に、素直に生きようとする少女を通して、友達への愛、大人たちの世界、夜の友人たちとの暖かな交流など、一般社会からはみだしてしまった人々の生き様を熱い視線で描く衝撃的作品。
同様に夜の街を舞台に連続殺人鬼と刑事の攻防戦を描いた『ザ・モンスター』の脚本ロバート・ヴィンセント・オニール監督作。
リチャード・ラッシュ監督の『嵐の青春』(67)や『七人の無法者』(68)、さらには『イージー★ライダー』(69)の小道具担当として映画キャリアをスタートさせたオニール監督は、『THE PSYCHO LOVER』(70)や『WONDER WOMAN』(73)などのB級ドライヴ・イン・シアター向け映画を経て80年代にロサンゼルスの街を舞台としたサスペンス・スリラーでその才能を開花させた。
『ザ・モンスター』の脚本執筆中にアイデアを思い付いたという『エンジェル』では、長期間ハリウッド・ブルバードに出向き脚本を練り、脚本に沿ってロケハンを行うのではなく、ロケーションの場所ありきで脚本を書きあげている。
監督いわくハリウッド・ブルバード自体が作品の主役であるという。
主演のドナ・ウィルクスは23才で15才の役を熱演、実際の娼婦に取材をするなど入念な役作りでスタッフを驚かせるとともに安心させた。
撮影は『野獣捜査線』(85)『刑事ニコ/法の死角』(88)『ハリソン・フォード 逃亡者』(93)『コラテラル・ダメージ』(01)などの監督作を誇るアンドリュー・デイヴィス。光を自由自在に操るその技術で監督の求める鮮烈な夜のロサンゼルスをフィルムに刻んだ。
約300万ドルの製作費に対し、初公開時全米で1,700万ドルを超える興行収入を記録、ロジャー・コーマンが設立した会社NEW WORLD PICTURESが配給を手掛け、その年の同社最大のヒット作となった。
コーマンが同社を売却後の第一弾作品であり、同社のポスト・コーマン時代を支えることとなった重要作。
そのあまりのヒットぶりにすぐさま続編『ストリート・エンジェル/復讐の街角』(85)が企画されたが、ドナ・ウィルクスの事務所が高額のギャラを要求、プロデューサーのサンディ・ハワードが激怒しキャストを変更せざるを得なくなった。
その後の第三弾『エンジェル3』(88)含めて2本の続編が作られたがいずれも内容、興行ともに失敗に終わった。
今回解禁された日本オリジナルキービジュアルは本国版をベースに、昼間のロサンゼルスと夜のロサンゼルスのストリートに昼間と夜、
二つの顔を持つ少女エンジェルが背中合わせに配置され、その対比と共に作品を表現したデザインとなっている。
7月16日(土)に特別上映されたのち、9月9日(金)より新宿シネマカリテにて公開。9月30日(金)よりシネ・リーブル梅田、10月7日(金)よりアップリンク京都にて、以降全国順次公開となる。
エンジェル
[1984年サンフランシスコ国際レズビアン&ゲイ映画祭・最優秀作品観客賞受賞]
監督:ロバート・ヴィンセント・オニール
製作総指揮:メル・パール、ドン・レヴィン、サンディ・ハワード
脚本:ロバート・ヴィンセント・オニール、ジョセフ・M・カーラ
撮影:アンドリュー・デイヴィス
音楽:クレイグ・セイファン
出演:ドナ・ウィルクス、クリフ・ゴーマン、ディック・ショーン、ロリー・カルフーン、スーザン・ティレル
(1983年|アメリカ|93分|G|1984年劇場公開作品(松竹富士配給)|原題:ANGEL)
© 1983 The Angel Venture. All rights reserved.
キングレコード提供|ビーズインターナショナル配給
公式サイト:newworldpicturesmovie.jp