世界的ロックバンド「ザ・ビートルズ」デビュー60周年に、最高傑作『ホワイト・アルバム』を生んだインド滞在期のビートルズと共に過ごしたポール・サルツマン監督によるドキュメンタリー『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』(原題:Meeting the Beatles in India)が、2022年9月23日(金・祝)よりヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺、新宿バルト9ほか全国順次公開、ジョージ・ハリスンが師と仰ぐシタール奏者、ラヴィ・シャンカールとのエピソードが新場面写真と共に解禁となった。
1968年2月、ガンジス川のほとりに居たザ・ビートルズの知られざる素顔に迫る『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』では、メンバーの中でいち早くシタールやインドの楽器、音楽に魅せられたジョージ・ハリスンの姿が描かれる。
シタールとの出会いは、1965年4月、映画『ヘルプ! 4人はアイドル』撮影中の時。その音色を知ったジョージは、ほどなくしてラヴィ・シャンカールの名を知る。1950年代からインドを代表するシタール奏者として活躍していたラヴィの元を訪ねたジョージは弟子入りを志願した。
ジョージがシタールを最初に演奏したのは、1965年の「ラバー・ソウル」に収められた「ノルウェイの森」である。その後、ジョージの曲「ラブ・ユー・ドゥ」(アルバム「リボルバー」収録)、「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」(アルバム「サージェント・ぺパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」収録)の3曲となっている。
1968年、ガンジス川のほとりにあるマハリシ・ヨーギーのアシュラムを訪れたジョージは、新曲「ジ・インナー・ライト」にインドの楽器を使用した。
その後も、ラヴィとの師弟の絆は続いた。劇中では、東洋人のラヴィが西の方角を向き、ジョージが東を見つめる写真が登場し、インドの地を挟んで実現した東西の文化交流を体現したふたりの姿が紹介されている。
ジョージ・ハリスンとラヴィ・シャンカールの友情はその後も続いた。LIVE AIDの先駆けとなるチャリティ・イベントで、1971年8月1日にジョージの呼びかけで実現した「バングラデシュ難民救済コンサート(コンサート・フォー・バングラデシュ)」のステージに立った。ソロとなった後も、ジョージのレーベル「ダーク・ホース」で「シャンカール・ファミリー&フレンズ」(1973)、「ラヴィ・シャンカールス・ミュージック・フェスティヴァル・フロム・インディア」(1974)、ラヴィとジョージのコラボアルバム「チャント・オブ・インディア」(1977)をリリースしている。
そして、2001 年11月29日にこの世を去ったジョージの追悼コンサート「コンサート・フォー・ザ・ジョージ」のステージに、ラヴィは娘とともに自らの楽団を率いて出演し、変わらぬ友情で友を見送った。
ラヴィ・シャンカールは映画音楽の奏者としても偉大な功績を残しており、インドを代表するサタジット・レイ監督作やアカデミー賞8部門受賞に輝く『ガンジー』(1982)では、作曲賞にノミネートされている。
ラヴィ・シャンカールは、2021年12月11日、92歳の生涯を閉じている。だが、ふたりの友情が残した音楽は今も世界で聴き続けられている。ふたりの友情は、音楽によって永遠に語り継がれていくことだろう。
1968年2月、ガンジス川のほとりにいたザ・ビートルズとひとりの青年が過ごした奇跡の8日間を描く『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』は、9月23日(祝・金)全国公開となる。
ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド
監督・脚本・製作:ポール・サルツマン ナレーション:モーガン・フリーマン 製作総指揮:デヴィッド・リンチ
出演:デヴィッド・リンチ、パティ・ボイド、ジェニー・ボイド、マーク・ルイソン、ルイス・ラファム、ローレンス・ローゼンタール、リッキ・クック、ハリプラサード・チョウラシア、デヴィアニ・サルツマン
2020 年/カナダ/英語/79 分/カラー/1.78:1/5.1ch
原題:Meeting The Beatles in India 字幕:大西公子 字幕監修:藤本国彦 配給:ミモザフィルムズ
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【公式サイト】 http://mimosafilms.com/beatles/