坂本龍一、訃報を受けてミュージシャンから追悼の声

坂本龍一

先駆的なエレクトロニック・ミュージシャンにして作曲家である坂本龍一が享年71歳で亡くなったことを受けて、追悼の声が寄せられている。

訃報は坂本龍一のソーシャル・メディアで発表されている。

公式サイトには次のように記されている。「2020年6月に見つかった癌の治療を受けながらも、体調の良い日は自宅内のスタジオで創作活動をつづけ、最期まで音楽と共にある日々でした」

「これまで坂本の活動を応援してくださったファンのみなさま、関係者のみなさま、そして病気治癒を目指し最善を尽くしてくださった日米の医療従事者のみなさまに、あらためて深く御礼申し上げます」

「坂本自身の強い遺志により、葬儀は近親者のみで済ませておりますことをご報告いたします。また、弔問、ご香典、ご供花につきましても謹んで辞退申し上げます。最後に、坂本が好んだ一節をご紹介します。『Ars longa, vita brevis.(芸術は長く、人生は短し)』」

坂本龍一は2014年に咽頭ガンと診断されて、1年間、音楽活動を休止している。治療後、ガンは寛解したが、2020年に直腸ガンであることが明らかになっている。

昨年6月に文芸誌に寄せたエッセイで、2021年後半に行われた手術で両方の肺にまで広がったガンを摘出して、ステージ4のガンと闘っていることを明かしていた。

「せっかく生きながらえたのだから、敬愛するバッハやドビュッシーのように最後の瞬間まで音楽を作れたらと願っています」

昨年12月、坂本龍一は「Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022」というコンサートを配信している。坂本龍一はその際に治療の影響を説明するビデオ・メッセージを公開している。「体力も落ちてしまって、1時間とか1時間半とかのコンサートは難しいんですよね。なので、今回は1曲ずつここで撮影して、それを編集して、一つの流れのコンサートになるようにしてですね。それを発表しようということになりました」

50年に及ぶキャリアで坂本龍一は映画作曲家としてアカデミー賞、グラミー賞、英国アカデミー賞、2つのゴールデン・グローブ賞を受賞しており、『ラスト・エンペラー』、『シェルタリング・スカイ』、『リトル・ブッダ』、『レヴェナント: 蘇えりし者』の音楽を手掛け、『戦場のメリークリスマス』では音楽を手がけたほか、デヴィッド・ボウイと共に出演を果たしている。

坂本龍一はエレクトロニック・ミュージックの先駆者であるYMOの結成メンバーでもある。

訃報を受けて、ジョニー・マー、クエストラヴ、マッシヴ・アタック、デヴィッド・ボウイの遺産管理団体らが追悼の意を表している。

JAPANのデヴィッド・シルヴィアンはインスタグラムで坂本龍一の生まれた日と亡くなった日が記された画像、背を向けた坂本龍一のモノクロの写真、ジャック・ギルバートの詩の一節が記された画像を投稿している。詩の一節は次のようなものとなっている。「I believe Icarus was not failing as he fell, but just coming to the end of his triumph」

ジョニー・マーは「エレガントで不朽のアーティスト」だったと評している。マッシヴ・アタックは「2008年のメルトダウンでマエストロとしてあなたを迎えられて光栄だった。天才にして紳士だった」と述べている。

ザ・ルーツのクエストラヴは次のように追悼の意を表している。「坂本龍一、あなたの才能に感謝します。また一つ大きな力がこの星を去るのを見るのは悲しいことです。彼の名前を知らないとしても、あなたの触れたアーティストへの彼の影響は分かるでしょう。BボーイもBガールもポップやブレイクダンスやエレクトリックの連中も彼を神としていました」

デヴィッド・ボウイの公式インスタグラムは映画『戦場のメリークリスマス』のサウンドトラックに収録された坂本龍一とデヴィッド・シルヴィアンが共作した“Forbidden Colours”からの一節「Here am I, a lifetime away from you」を引用している。

https://www.instagram.com/p/CqiTSJZOksv/

坂本龍一が最後にリリースしたアルバムは今年1月にリリースされた『12』となっている。サウンドトラック以外のアルバムとしては約6年ぶりとなっていた。

坂本龍一は来週フランスで公演を行う予定だったほか、6月にはマンチェスター・インターナショナル・フェスティバルに出演する予定となっていた。

関連NEWS

  1. 坂本龍一

    坂本龍一の最新アルバム『12』アナログのアンコールプレスが決定

  2. 坂本龍一

    坂本龍一 オリジナルアルバム『12』がオリコン週間アルバムランキングで自己初となるTOP3入りを達成

  3. 坂本龍一

    坂本龍一、珠玉のピアノ作品「/04」「/05」を2枚組CDで再発売決定

  4. 坂本龍一

    坂本龍一、2020年最後のピアノコンサートで、未発表曲「MUJI2020」を演奏予定

  5. 坂本龍一

    坂本龍一の『async』『ASYNC – REMODELS』のアンコールプレスが予約スタート

  6. 坂本龍一

    坂本龍一コンピレーションアルバム『TRAVESÍA RYUICHI SAKAMOTO CURATED BY IÑÁRRITU』が本日発売

  7. 坂本龍一

    坂本龍一「BTTB -20th Anniversary Edition-」アナログ盤(輸入盤)がcommmonsmartに緊急入荷!

  8. 坂本龍一

    坂本龍一が日本にエールを! 一夜限りのプレミアムライブを緊急開催! 「Ryuichi Sakamoto: PTP04022020 with Hidejiro Honjoh」 dTVで4月2日(木)19時から“無料“生配信

  9. 坂本龍一

    坂本龍一の2020年の活動と記憶の断片を収める『Ryuichi Sakamoto | Art Box Project 2020』始動

  10. 坂本龍一

    東京国際映画祭、「Ryuichi Sakamoto | Opus」10/24上映のトークゲストに役所広司氏の登壇が決定

  11. 坂本龍一

    坂本龍一、自身が絵付けをした陶器のお皿を割り、その音で新曲を制作中。

  12. 坂本龍一

    坂本龍一のベスト選曲とも言える最新ライブ音源、CDとアナログレコード同時リリース

  13. 坂本龍一

    坂本龍一のオンラインコンサート「Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 12122020」が、Rhizomatiksのライブ演出のもと、業界市場最高レベルの音質を実現する「MUSIC/SLASH」で12/12実施

  14. 坂本龍一

    坂本龍一2019年の集大成アナログ盤ボックス・セット『Ryuichi Sakamoto 2019』。 限定200点、本日2月21日(金)19時よりcommmonsmartにて販売開始。 購入者の為だけに書き下ろした新曲も収録

  15. 星野源「細野晴臣イエローマジックショー2」に細野家の息子役で出演